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SaaSのための戦略的開発チーム運用とは

戦略的開発チーム運用とはなんでしょうか。
戦略的開発チーム運用について説明して行きます。

どんな開発者を探していますか?

SaaS経営者とお会いすると、よく聞かれる内容があります。
「良い開発者を探している、だれか紹介してほしい」
どこの企業も開発者は慢性的に不足しているため、開発者を募集しています。開発者不足から、人材紹介サービスなども多いですが、手数料は安くはありません。
そのため、知り合い経由で開発者の紹介を頼んでいるのでしょう。

話を進めてみると、バックエンドエンジニア、フロントエンジニア、モバイルアプリエンジニアなど特定のスキルを持った開発者を探していることが分かります。

例えば最初のSaaS開発チームを作ろうとすると、以下のようなチームを考えていることが多いでしょう。

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図1

しかし、この開発チームの開発者やデザイナーは、どのような雇用形態で、どのくらいの頻度で、いつまで必要で、将来どのようになって欲しいのか、またどのような状況になったら変化する必要があるのでしょうか?
現在必要な開発チームを作る場合であってもなかなか明確に答えることはできません。


そしてSaaSのシリーズが進むと、開発チームは変化していきます。SaaS開発メンバーは増えて、以下のようなポジションに分割されていきます。


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図2

大きなSaaSスタートアップや企業では、図2の全てのポジションに常勤の非常に優れた方がそれぞれ担当していることでしょう。
確かにこのような開発体制があれば、SaaSプロダクトは非常に作りやすいです。
SaaS企業の開発体制は、企業が成長すれば図2のような開発体制になってくるでしょう。

しかし多くのSaaSスタートアップは開発に必要な開発チームの運用について、細部を明確にしないまま運用し、開発チームを拡大する場合も、行き当たりばったりで進めていることも少なくありません。
よくあるケースとして、最初に作成した開発チームのメンバーを主要なポジションに配置し、足りないポジションを埋めていく方法です。

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しっかりと開発チームの運用を行わないと、多くの無駄が発生し、また開発チームを拡大させることが出来ません。
ではどのように運用していくことが正しいのでしょうか?


開発チームは様々な要素に影響され、変化を求められる

SaaS企業にとって、開発チームはプロダクトを作成し、改善を行う部署です。
当然開発なしでは、現在ではSaaSを改善・運用して行くことはできません。
しかし、SaaSプロダクトは作っただけは何もできません。営業やマーケティングによってユーザーに届けられ、カスタマーサポート・カスタマーサクセスによってニーズを聞くことも必要です。
特にサブスクリプションモデルでは常に改善することが求められ、それを怠ると他のサービスにユーザーを取られてしまうかもしれません。
常にユーザーにとって、使いやすい最適化されたサービスが求められます。
そして、最適化されたSaaSを開発するには、それに合わせて開発体制も最適化される必要があります。
簡単な例では、
初めはウェブアプリケーションを開発していたが、ユーザーのニーズがタブレットで使う場面が多いと分かれば、これまでのウェブアプリケーションを開発してきた開発者は、タブレットアプリの開発技術を習得するか、これまでの開発者をタブレットアプリを開発できる開発者に変更する必要があります。

このように、SaaSの開発に必要な開発スキルは状況によって変化し、開発体制はそれに伴い最適化される必要があります。

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SaaSが成長すれば最終的に成功したスタートアップのような全てのポジションに優れた担当者が配置され、最適化された開発体制が出来上がるかもしれません。
しかし、そこまでの道のりには、変化しやすい柔軟な開発体制がいくつもあります。
真っ直ぐ細分化された開発チームを作っていくより、プロダクトの状態やスタートアップの状況によって開発チームは変化し、最適化され、徐々に開発チームは成長していく必要があります。

KPIと目標を設定し、開発体制の計画を立てる

そのため開発体制は変化を求められるものとして、認識し、あらかじめ予測をして計画を立てることが大切です。
開発体制が影響される要因として、

・スタートアップのシリーズ
・顧客のニーズ
・KPI
・ビジネスモデルの変更
・競合

などが影響します。
これらをあらかじめ計画し、ニーズやKPIを設定することで、開発体制を必要に応じて変化させながら、開発チームを運用・拡大することが大切です。

計画的に開発チームを運用することで得られるメリット

計画的に開発チームを運用することで、

・急な開発方針が変わっても対応できる
・無駄な人件費を削減できる
・プロダクトの成長に合わせて、強い開発チームを作ることができる

などがあります。

まとめ

法人向けSaaS戦略的開発チーム運用とは、プロダクトのニーズやスタートアップの状況などに柔軟な開発体制を変化させて、計画的に運用していくことです。
コストを抑え、次のシリーズに向けて開発チームを成長させていくことができます。



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