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【料理】ベイクドビーンズ、イギリスの朝ごはんと所感

今回は前置きが長いので、読まなくてもいいように目次をつけておきます。

前置き

今月末で、いよいよイギリスがEUを脱退します。
やめるやめる詐欺みたいなもので今月こそ脱退してやる!というのを何度繰り返しているのかわかりませんが、今度は本当らしい。
昨年のイギリス総選挙で与党・保守党が圧勝しました。そして先日ついにEU脱退法が成立し1月いっぱいでEUを出るみたいです。移行期間は年いっぱい移行期間に入ります。この間にあらゆる取り決めがなされ、社会や法が少しずつ変わっていくようです。
オオカミ少年と一緒で結局止めになったりしないのか疑わしいですが、ついにするんだなぁ。
イギリスがEUに加わったのは1973年のことです。(その時はECでしたが)世界史で勉強した人も多いかな。入った年が教科書に載るんだから、脱退した年も教科書に載るでしょう。文字通り、歴史的な出来事になりそうです。
そんな時に自分がイギリスにいて、実際にEUを抜けたイギリスがどう変わるのか少なからず見ることができるのは稀有というか面白いなと思います。世界史の先生だったなら、良い話のネタになるんだろうな。

もしかしたらイギリスはヨーロッパに所属している感覚が薄いのかも、とふと思いました。
イギリスではたまに「European Style」とかいう言葉を聞きます。なんというかヨーロッパチックなもの。ファンシーだったりお洒落だったりエシカルだったりする、何となく洗練された印象。
そういうのを見ると、イギリスもヨーロッパじゃんとアジア人的には突っ込んでしまうのですが、少しわかる感覚ではある。
日本人も「エキゾチック」とか「エスニック」な感じだねとかいうしね。これらの言葉のポリコレ論については置いておいて。西洋から見たら、日本だってそう呼ばれる文化圏に含まれているはずで。思えば、日本人もアジアに属している感覚が薄いのかもしれないなぁとぼんやり思いました。というかどの国の人もそうなんだろうな。地域で何となく括られるよりずっと、自分の国はこうだっていう誇りみたいなものには敏感でしょう。

イギリスでは日本料理屋にWAK(中華鍋)料理があったり、寿司屋がどう見ても中国風の内装だったり、かなりアジアが雑にまとめられているなぁと感じます。文房具屋さんに売られている自己啓発本には「WABI SABI」だとか「ZEN」だとか書いてるし。葛飾北斎の富嶽三十六景・神奈川沖浪裏は愛されていて(?)、しょっちゅうモチーフにした雑貨も見かけます。そういえばこの前はフリーマーケットで明らかに東南アジアの風景画について「日本から来たの?これって日本の風景の絵だと思ってるんだけどあってるかな?」と聞かれました。そういうのを見ると少しムッとしたり笑ったり呆れたりてしまうのですが、思えば私たちだって何となく文化圏をまとめてはステレオタイプを投げかけているので、お互いさまというか、お互い見直していきましょうという気持ちになります。

ベイクドビーンズの話

まぁ、そんなことを考えているうちにもっとイギリスを感じたいな、という気分になりました。それは染みついたライフスタイルというか、食い意地が張った私は食べ物に行きつくけど。ふらふらスーパーを歩いていたら、Heinzのベイクドビーンズの缶を見つけました。40pくらいで、大変安い。だけど折角だから作ってみようかなと思い、白いんげんの煮豆缶を買いました。Haricot Beans。どの豆を使うのが正解かわからなくて、近くにいたおばあさんに「どの豆で作るのが正解ですか?」と聞いたら「これが一番近いと思う」と教えてくれました。
ベイクドビーンズは、イギリスの伝統的な朝ごはんのメニューについてくるやつ。
定番のイングリッシュブレックファストといえば、トースト・マッシュルームのグリル・トマト(焼いてあったり生だったり)・ベーコン・ソーセージ・ブラックプディング・ハッシュブラウン(ポテト)・卵(スクランブルエッグや目玉焼き)、そしてベイクドビーンズ。
ベイクドビーンズは豆をケチャップ風味に甘酸っぱく柔らかく似たもので、目玉焼きと一緒に食べたりパンにつけたりして食べます。パンに豆、とはちょっと思いますけど餡子トーストが美味しいみたいにこれもなかなか美味しい。
レシピにもひき肉やパプリカ、玉ねぎやニンジンなどが入っているもの、色んな種類の豆がミックスされているもの、沢山バラエティもありますが、今回はとにかく簡単に作れる!を目指しました。

レシピ

ベイクドビーンズ
約3-4食分

材料
白いんげん豆の水茹で缶(別の豆でも良いです)400g
蜂蜜 大匙1
塩胡椒 適量
ローリエ 2枚
コンソメ 小さじ1/2
ケチャップ 150㏄
水 200㏄

1.

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鍋に白いんげんの煮豆を缶丸々(煮汁も!)そして他の材料も全て入れて軽く混ぜて弱-中火にかけます。

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白いんげん豆の缶

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Heinzのケチャップ。全然使ってないのになぜか半分くらいになってたから、多分フラットメイトに勝手に使われた。

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ローリエは英語でBay Leavesです。一人暮らしなのであまり使わないかと思いきや、肉のクセが強かったりスープに一味欲しい時にとても重宝。

2.

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あとは、焦げ付かないように時々かき混ぜて好きなだけ煮る。水かさが減って、これくらい豆が液面に顔を出して来たら粘度的にはいい具合。ですがまだケチャップの酸味が強かったり、もっと柔い豆が好みだったりしたら、水や蜂蜜を足してさらに煮込んでも良いです。味の調整はお好みで。

3.
出来上がり。冷蔵庫で3日ほど持ちますが早く食べた方が良いです。朝ごはんにしよう!

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良い色。
あんまりトラディショナルではないけどフェタチーズ(ギリシャのチーズ)のサラダと、マッシュルームとベーコンの炒め物、そしてトーストに目玉焼きとベイクドビーンズをたっぷりのせる。ミルクティーも淹れて、いただきます。
塩辛くこそないものの割とがっちりしている味だけど、これを塩味控えめにした半熟の卵黄と絡めてパンと一緒に食べると、丁度いい。アツアツかなってくらいに温めるのがいいです。手を汚さないように、ナイフとフォークを上手に使って食べる。マッシュルームにもかけたりして。なんとなくイギリスを感じられて、満足。

皆さんもお手軽イギリス飯、いかがでしょうか。


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