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【妊活】自分でお腹に注射を刺すの?妊活に対する世間の本音

不妊治療の過程と、今後のお仕事について書いています。

今日も今日とて通院日。繁忙期なので、残業ができるように午前中に予約。

にしてもとっても急すぎる。今日から自分のお腹に自分で注射を刺すホルモン治療が始まるんだそう……。

前回の診察で、早々に体外受精に踏み切るということは聞いていたけど、上手くいけば今月中には採卵することになるんだとか……。

え?え?
と、軽く思考が停止する。

妊活が本格的に始まったら「休職しよう」なんて考えていたけど、もう?始まったの?っと、驚きとちょっと変な興奮がお腹の中でぐるぐるしている。

自分のお腹に針を刺す……、不妊治療経験者には当たり前のことなのだろうか?こんな未来が来るとは1年前の自分も、半年前の自分も、昨日の自分でさえも想像できていなかったなぁ。

上司に話さないと、引き継ぎの時期をずらして欲しいと。繁忙期と通院が重なって新しいことをする余裕なんてないと。

妊活に対する本音が聞こえた

年度末の繁忙期。「今月の引継ぎは難しいです。引継ぎなしで、私の時間で今の仕事だけ回させて欲しい」と上司に伝えた。

ここまで言葉は好意的に、自分も妊活経験があるからと言ってくれていた上司。今回も柔軟に対応してもらえると甘くみていた。

2人で会議室に入り、治療が始まったことを報告。予想以上に展開が早いことを伝えて、引継ぎを一気にするのではなく、来月以降と分散させて欲しい旨を伝える。

明らかに不機嫌になる上司。「それは困る。あなたの治療や身体のことを考えて、来月から休職できるように、みんなで予定を合わせているのに、そんな勝手なことに合わせることはできない」

予想以上に強い言葉。でも最もなことだと思う。勝手に「来月から休職」と解釈されていたのには正直驚いたが、今日はそんなことはどうでも良かった。

上司は、私が今持っている仕事を1つ1つ挙げながら、これはこの人にやってもらって、こっちは自分がやって、これはあの人にお願いしないと……、とPCの画面を私に見せながら話し始める。私は不甲斐ない自分が許せなくて、思わず感情が揺れる。まつ毛の縁ぐらいまで涙が迫る。PCの画面が滲んで見えない。

たぶん、退職ではなく休職だから。次の人を探すことができない。「不妊治療」というデリケートな理由を、大っぴらげにチームメンバーに伝えることもできない。だからこそ、私が抜けた穴は、今いる人たちでフォローし合うことしかできない。上司にとっては、八方塞がり。ない、ない、ないの無限ループだ。

「休職」という中途半端な選択をして、たくさんの人に迷惑をかける。そんな小賢しい道に逃げようとしている自分が本当に情けなかった。

「あなた1人のことじゃない。仕事はみんなでやることだから、あなたの都合に全部合わせることはできない」

上司は私が涙を堪えているのに気づいて、「泣いてたところで……」と呟いて言葉を飲み込む。

言われていることは十分に理解できる。何も間違えてない。でも、もうどうすればいいのかわからない。悔しい。みんなと一緒のことができない自分が本当に嫌だ。

でもね、いくら妊活経験者だという上司であっても、歳の離れた年上男性に、不妊治療のことを話すのって以外と勇気がいるし、気持ちがいいものでもないのよ。

「採卵はいつの予定?」
「生理周期が分かれば、ある程度予定がわかるんじゃないの?」

そんなこと話したくないのよ。

それでも心を殺して全部を話した。やっぱり上司は何も腑に落ちていない様子。

「この日に通院が被りそうなら、日にちをずらして欲しい」「この日は避けてもらいたいんだよなぁ」と、ひたすらPCを見ながら話していた。

堪えきれずに溢れた涙はマスクに染み込む。
計画的に日にちをずらせたら、私だってこんなに困ってない。

「潮時だな……」

やっぱり、私は自分がかっこいいと思う道を選ぼう。

「仕事辞めるね。扶養に入れてください」

会議室をでて、旦那さんにLINEをした。

「いいと思います。大丈夫だと思います。色々すみません」

うん。私も大丈夫だと思う。腹を括ろう潮時だ。今月頑張ったら退職をしよう。休職じゃない。退職をする。

あぁ、もう本当に強くなりたい。
私は私のなりたい私になるために選択をしていきたい。本当に本当に全部全部、悔しいなぁ…!もう!

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