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第28話 友情ってどういうもの?

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ちゃんとした深い友情関係というのを、私は作ってこれてなくて、養護学校でそれは叶うのではないか?!と期待していた私です。

ですが話しかけてもいかず、話しかけられず過ぎていきます。
病室で同じ部屋の子達とは、程よく仲良くしていました。

そんな生活の中で、2つ年下で糖尿病のミカちゃんと動き回るようになります。ミカちゃんは良い子なのですが、あまり自分を大切にしない子でした。
他の運動が必要な糖尿病などの子達と一緒に運動しないのです。なのにお菓子を食べて、血糖値は高いばかり。

本当は心優しいのに、横柄な歩き方や素行が良くありません。平気で通りかかった車にガラス片で傷をつけます。
その車に帰ってきた持ち主が、傷を見てギラリと私を指さします。慌てて首を振り、ミカちゃんを指し示すと持ち主は諦めました。
ミカちゃんの歩き方や茶髪で何かを察したようです。

ミカちゃんの母親は早くに亡くなっていたらしく、姉が母代わりでした。

アジサイ
早咲きなのか、もう咲いていました。

ある日、問題行動を起こし主治医に立ち上がり、食ってかかります。ですが、主治医も負けじとミカちゃんをやり込めます。頭を下向きにグイグイと力ずくで下げさせるのです。怖い場面でした。
私は隅で固まっていました。

後でミカちゃんに言われます。
「止めてくれないなんて本当の友達じゃない!」と。

私は母親じゃない。大人の荒療治に対抗するなんて出来ません。
ミカちゃんと疎遠になりました。
ミカちゃんは養護学校高等部に進学はしませんでした。病気を甘くみているのか、人生そのものを甘くみているのか?わかりませんが、心配だけはしていました。

養護学校を卒業後に、年賀状のやり取りだけしていました。1度、もう少し字をきちんと書くように諭しますが、3年後には元の字に。自分で自分を律する事が、ミカちゃんはなかなか難しい。やはり心配だけがつのります。

ある日、心配は的中してしまいます。
ミカちゃんは、自宅の窓から身を落とすのです。
知らせを受けて、友人と喪服を着てミカちゃんの所へ行きました。
昔と変わらぬ写真がありました。亡くなる昨年のキャンプでの写真だと、ミカちゃんの姉が答えてくれました。

ミカちゃんは、亡くなる前に足が痛いと言っていたらしく、糖尿病の合併症が出てきていたようです。不安だったのでしょうね。
お母さんには会えたかな?
「もう少し、早く来ればよかったね。。」
ぽつりと言葉が出ました。

なぜ、強く生きられぬ?
なぜ、諦めてしまうのか?
なぜ?

何があろうと生き抜く力とは、どこから来るのでしょうか?
私は?私はなぜ今も生きてる?
病むとは、孤独な事です。
私は孤独と戦ってきた強さがあるということでしょうか?

いつか、折れそうで怖いのは私自身わかっています。沢山の人が私を支えてくれているのも、わかっています。
赤ちゃんの頃からの主治医だった長屋昌宏医師は、もう天国です。私が自死してあちらに逝って会ったら、泣かせてしまう。

できるわけない。


命の貴さは、コロニーで学べたからね。
歩みを止めるな。

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