岸 華子

生まれつき膀胱尿管逆流症、そして15歳から血液透析開始。21歳から過敏性腸症候群も発症…

岸 華子

生まれつき膀胱尿管逆流症、そして15歳から血液透析開始。21歳から過敏性腸症候群も発症。 何があっても次の日には笑顔で前を向く! ドロドロな心も温かな心も、私の中の事実をそのまま書いていきます。

最近の記事

第91話 雨森晴子さん

前の記事です▼ 名古屋第二赤十字病院消化器内科で入院中に知り合った、晴子さんは日本画の先生でした。 そう「あの鉛筆!」と言っていた人です。 晴子さんは日本画の作品を日展に出品する時、雨森(あめのもり)晴子と名乗っていました。素敵な名前ですよね。 いつも私が部屋に押しかけ、晴子さんと談笑していました。 よく話を聞いていくと、歴史のある古い墨と筆で書かれた紙の復元の仕事や、自分の日本画が入院中の病院に飾られている事などが分かりました。 とても気さくで飾らないのに、品位を失

    • 第90話 パニック障害の発症

      前の記事です▼ クローン病で名古屋第二赤十字病院に入院中でした。その時に新しい医師との信頼関係を作れていないままで、治療を開始しなければならないのは、どこの病院でも似たようなものです。 ですが、その状態で新しい薬を使った時に、突然の息苦しさを感じます。 私は薬が合わなくてショック症状をおこしかけてる!と思いナースコールを押しました。 看護師が直ぐに来てくれて、症状を伝え医師に連絡するも、医師は他の患者の検査中で手が離せない。 私はベッドに倒れ目も開けれない、指1本も動

      • 第89話 心の整理整頓とカウンセラーの限界

        前の記事です▼ 1年近く週1回に1時間以上のカウンセリングで、私が分かってきたことは、親を愛している事だった。本当に心と向き合うのが下手くそな親だが、それでも愛していたのだ。 親と上手な距離感を保ち、自分を立て直していく。 白蟻を巣ごと撃退出来ればいいけどね(笑)残念ながら愛しているのが分かってしまった。 じゃあどうする? あーだこーだ言ってきたら、まともな事なら聞いて後は馬耳東風。 もちろん、あんた達のせいで精神科に行ってるんだ!なんて言わない。自分の心の為に、自分が

        • 第88話 不倫

          前の記事です▼ クローン病で入院中にネットで出会った人と、私は2年ほど不倫をしていた。 何のことは無い。 ただ心が疲れきっていて、正しい判断も出来ず、手をつないでくれる人が欲しかっただけだ。 そう、インスタントな恋愛です。 だけども相手は小さな女の子の父親だった。 相手の妻は子育てと仕事と家事に疲れていたようで、躾と言って娘の頬を叩いていたようで、近所から虐待かと疑われていた。 相手はちゃんと妻と向き合わず、娘をちゃんと守らず、私と遊んでいたろくでなしだ。 私は後

        第91話 雨森晴子さん

          第87話 精神科への1歩

          前の記事です▼ キンキンに冷えている心のまま、数日間が過ぎていきました。 どこかのマンションかアパートの階段から飛び降りようか、歩道橋から飛び降りようか。 そういえば、そんな後処理する仕事の透析患者さんがいたな。 やめよう。 泳ぎ方も知らないし、海がいいか。 とにかく自宅で首吊りは、やだな。 シャント切るのもやだな。 自殺者を出した家は、結婚に支障が出るか。 兄も妹も、困るな。 この体、捨てたいんだけどな。 いらない、使いたくない。 ふらふらと近所の漫画喫茶で、

          第87話 精神科への1歩

          第86話 私の強行手段

          前の記事です▼ どれだけ手術しようと、腎臓あげるとは言ってくない親に失望した私は、強行手段にでました。 両親に生体腎移植の為の検査を受けてほしいとお願いしました。 両親は検査をしてくれました。 「50ccも血を採られた」 と父はニヤリと笑って私に言いました。 生体腎移植の為の検査とは、クロスマッチ検査(抗体があるかどうか)です。 型がある程度合っていないと、難しいのです。ですが、親ですから合うはずなんです。 検査結果が出て、私だけが診察室に後で呼ばれました。医師に告

          第86話 私の強行手段

          第85話 繰り返すシャント手術と親からの言葉

          前の記事です▼ 献腎移植の登録を削除してもらい、変わらず透析の日々です。 そんな日々に1週間に4回シャント手術した時がありました。 手術をしても血流は戻らず、精神的負担と体力的負担が増しました。 最後の4回目は、医師がもう体力的に無理だろうとの判断で、全身麻酔での手術になりました。 目が覚めると母がいました。 私は母に泣きながら言いました。 「もう、手術したくない。」 「なんであなたばっかり。。」 と母も泣きました。 でも私はその言葉で親に失望したんです。 (なんで

          第85話 繰り返すシャント手術と親からの言葉

          第84話 クローン病と腎臓移植

          前の記事です▼ ある日、第二赤十字病院にクローン病の悪化で消化器内科に入院していた時でしたか、1階の会計前で移植外科のU先生と会いました。 その時に言われました。 「クローン病の炎症をどうにかしないと、腎臓移植は難しいよ。」 そんな事言われても、私にはどうしようもありません。 日々食事制限をなるべく守り、それでもコンソメスープさえ吸収できなくて、10分後に水下痢で諦めて入退院を繰り返していました。 入院し点滴を開始し安全な絶食をしたら、食べなくても死なない安心感が獲ら

          第84話 クローン病と腎臓移植

          第83話 インスタントな恋愛

          前の記事です▼ 結論から申しますと、インスタントな恋愛は上手くいくわけないという事です。 昔の私は、自分が本気で好きでも無い人とお付き合いしてました。 心の隅で(この人といても私は幸せにはなれない)と分かっていても、ダラダラ付き合っていました。 魂からの楽しさや嬉しさも無く、感動も無く!どんどん虚しさが広がるのみ。 そんなインスタントな恋愛に、癲癇(てんかん)の病気の人と知り合い、会ってみた時です。 突然に頭に聞こえてきた言葉がありました。 「弱い!」 と一言。 守

          第83話 インスタントな恋愛

          第82話 外シャント

          前の記事です▼ 私は営業事務で心が折れてしまっていて、次の職場探しをしないまま生きていました。 ドライブしたり、散歩したり、でも心の充電はなかなか出来なかった。 そんな気ままな生活をしていたからか、シャント手術が多くなりました。その時に「外シャント」を経験します。 普通は左右の腕、どちらかの体内にある「内シャント」です。 外シャントとは、体外なのです。 腕の血管から透明の管が出ていて、動脈と静脈を繋いでいるんです。その管の中を血液が流れています。内シャントは針を刺して透

          第82話 外シャント

          第81話 プール&銭湯デビューと医師の言葉

          前の記事です▼ 傷が塞がり心も落ち着いてきてから、私は水着を買いました。セパレートながら、お腹は見えないスポーツタイプのNIKEの水着です。 妹とプールへ2回行きました。 経験してみてわかったのは、力を抜いて浮くのも難しいし、チビだから鼻くらいまで水がきてぴょんぴょんしてました。 あと濡れた水着を脱ぐのは大変でした。自分がSサイズのを買ったせいもありますが、ほぼ力ずくでしたね(笑) 妹は回転しながら降りるスライダーを楽しんでましたけど、私にはそこまでの余裕は無かったです

          第81話 プール&銭湯デビューと医師の言葉

          第80話 医師の見通しと自分の甘さ

          前の記事です▼ ガーゼ交換する時に消毒するので、自分で確認しました。 傷は1つが6~7cmほどあり全部で5箇所。痛いはずです。 でも理由は自分で分かりました。癒着です。 今までの人生で5回手術している為に、臓器同士がヤダー!触らないで!とベタベタとくっ付き合っているという事。 私が医師に何度も手術している事を言わなかった為に、こんな事態になっているわけです。 右腎を摘出する時に、他の臓器がベタベタにくっついていて、剥がしながら摘出するのに大変だったという事です。 私は

          第80話 医師の見通しと自分の甘さ

          第79話 右腎摘出

          前の記事です▼ 透析歴が10年近くなり、1日の尿量は僅かになっていました。 そこで私は自分の夢『水着を着てプールに入りたい!』を叶えてあげる為に動きました。 その頃は3本の管ではなく、右腎だけに管が残っていました。僅かに働いている右腎の為に、管が1本残っていたんです。 小学校6年生の時に管を入れた病院、愛知県心身障害者コロニー中央病院小児外科には、右腎を摘出したい!とは言えませんでした。 私を助ける為に管を入れたのですから、言えなくて当然なのです。 そこで私は名古屋大学

          第79話 右腎摘出

          第78話 足りないスキル

          前の記事です▼ 足の酷い浮腫と闘いながら、営業事務の仕事をしていました。 タッチタイピングは出来ても、パソコンのスキルが足りなすぎました。 修練の日々です。 私はその人材派遣会社の派遣される側ではなく、派遣する為の書類作成を。 ひたすら書類作成をし、派遣する会社宛に封筒を印刷します。ズレたりし、封筒を勿体無くすること何度か。コピー機と格闘です。 何しろ前の職場は7人程度で、今度は300人以上の会社です。何もかもが違います。 朝はFAXを見て、派遣された人がどれだけその日

          第78話 足りないスキル

          第77話 転職

          前の記事です▼ 穏やかなバイト生活の中で、1つ疲れが溜まっていました。 バイト先が病院から遠い事です。 あと食事会の心の負担もですね。 どんなに穏やかな時間を過ごしていても、いつも心のどこかに疲れが溜まっていました。 それで辞める事にしたんです。大切にしてくれて有り難く思っていましたが、バイト後に透析へ行く距離をどうにかしたくなりました。 辞める3ヶ月前に辞める事を伝え、クッキーを先輩に渡し退職しました。 自分を楽にしてあげないと耐えられなくなっていました。日々の笑顔の

          第77話 転職

          第76話 バイト先の食事会

          前の記事です▼ 日々が会計事務所でバイトして、透析へ行ったりする中で先輩が話題に花を咲かせていたものがありました。 年に1度の食事会です。 何やら高級な御料理を食べに連れて行ってくださるとの事。 先輩の話によると、鉄板ステーキ屋さんや色々な所へ行っいるらしく、会話に興奮しています。 でも、私のお腹にジューシーな物は入れれません。 (厄介者だなー私。食事会て辞退しちゃいけないのかな?)と心に負担がかかります。 毎日、お昼のおやつにお菓子を頂いていて、それでも申し訳なく思い

          第76話 バイト先の食事会