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第79話 右腎摘出

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透析歴が10年近くなり、1日の尿量は僅かになっていました。
そこで私は自分の夢『水着を着てプールに入りたい!』を叶えてあげる為に動きました。

その頃は3本の管ではなく、右腎だけに管が残っていました。僅かに働いている右腎の為に、管が1本残っていたんです。
小学校6年生の時に管を入れた病院、愛知県心身障害者コロニー中央病院小児外科には、右腎を摘出したい!とは言えませんでした。

私を助ける為に管を入れたのですから、言えなくて当然なのです。
そこで私は名古屋大学医学部附属病院を選択しました。

診察を受けに行き、水着を着たいから摘出して欲しいことを伝えました。

医師は腹腔鏡手術で摘出できると、言ってくれました。
腹腔鏡手術とは、1~2cm程度の穴を4、5箇所できて、そこに機械を挿入し内臓を見ながらロボット手術です。

このような感じで、手術後に痛みが少なく体の回復も速いのが特徴です。

今までの手術よりずっと痛みが楽そうです。
お任せすることにしました。
どうしても20代のうちに水着を着てプールに入りたかったんです。
泳げないし、人工血管あるから消毒された屋内プールしか入れないけど、叶えたい!!

我慢はもう嫌だ!!
人生で1番若いのは今日なんだから。
叶えよう!
医師と話し合い入院予定を立て、未来に夢をふくらませ手術をしました。

手術が終わって目が覚めた時でした。ずいぶん理想と違う痛みを感じました。
そして私が直ぐにした事は、透析の為の血管であるシャント音の確認です。

流れてない。
また確認するも、流れてない。。。愕然です。

看護師に医師を呼んでもらいました。
でも医師は、流れていると言って譲りません。

泌尿器科医師が透析を始める為に、部屋に来ました。私はシャントが流れてない事を告げました。
確かに流れてない事を確認してくれ、手術した医師と言い合いになりました。

大学病院は色々な専門科があり、その科と科の壁は高く、科内の先輩後輩の上下関係は良くても、科を越えた横の関係はとても出来にくい所。貸し借りを作るのが難しいのです。
私はそれを今回の手術でまざまざと見せつけられました。

手術が終わったばかりですが、直ぐに緊急シャント手術です。透析できないと死んでしまいます。泌尿器科医師2人組は、穏やかな先生でした。考えてみれば、他の科がやらかしたミスを、尻拭いしているのですから、貸しをできたもの。

手術は済み、直ぐに透析が出来ました。でも手術を2回に透析も。クタクタです。

後は、腹腔鏡手術の傷です。
ガーゼ交換の消毒時にびっくりする事になるんです。



科を越えて連携プレーをとるって難しいのかな?なんか、情けないよね。
専門家と言えば聞こえはいいけど、オタクの集まり。
変なプライドは捨てて欲しいよね。

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