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第81話 プール&銭湯デビューと医師の言葉

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傷が塞がり心も落ち着いてきてから、私は水着を買いました。セパレートながら、お腹は見えないスポーツタイプのNIKEの水着です。

妹とプールへ2回行きました。
経験してみてわかったのは、力を抜いて浮くのも難しいし、チビだから鼻くらいまで水がきてぴょんぴょんしてました。

あと濡れた水着を脱ぐのは大変でした。自分がSサイズのを買ったせいもありますが、ほぼ力ずくでしたね(笑)
妹は回転しながら降りるスライダーを楽しんでましたけど、私にはそこまでの余裕は無かったです。

次は銭湯へ行くようになりました。
こちらは傷だらけの体を全部見せることになるので、勇気がいりました。
湯船に浸かりに行くと、チラ見して出ていく人もいました。ですが、本当の開放感を感じられました。

かぼちゃの花
大きいんですよ?顔くらいです。

やっと人工物の無い体で水着を着てプールに入れ、銭湯にも行けれました。
私はどうやら銭湯の方が楽しいようです。屋内プールて、筋肉をつける為に黙々と歩いていたり、泳いでいたりして笑顔が少ないからです。

外の海水浴場へは私は感染してはいけないので、仕方無いですね。もし感染すれば人工血管をとる手術になります。
でも人生を楽しむ選択肢は増えたんです。知らない人と楽しむ事ができるって、良いものですね!

未来で腎臓移植をすれば、またストーマか管が入る事になりますが、それまでは、、!!
うん、楽しめるうちに楽しもう。
この体を使って生きているのは、私なんだから!

しかも大人です。選択権は自分にあります!
透析はあっても管の交換は必要無くなり、挿入口とパウチの消毒もしなくていい!
長い年月の飛び出してる人工物と、一時的にさよならです。

ただ、管を入れた愛知県心身障害者コロニー中央病院小児外科へ、最後の診察に行った時に長屋先生から言われた言葉が、心にグサリと残っています。

「騙されたんだ」

私は何も言えませんでした。私が水着を着たくて、右腎摘出をお願いしたのに。
騙された?
腹腔鏡手術を医師がやりたかったという事?

聞けなかった。
ですけど、長屋先生には患者の心が分かってない!貴重な10代と20代を黒く塗り潰した事が。体を助ければ、心はついてくると本気で思ってる?管を引きちぎりたいほど苦しかった事を理解してる?

心も助けてよ!!!
ちゃんと見てよ!!!
言えなかった。長屋先生は傲慢な人じゃない。子供達が成長してからも、手術した場所がちゃんと機能しているかを、調べ続けていたから。



大切にされてるのに、苦しかったね。
本当に大切にされるって、どういう事かな?
投げ出さずに生きてきて、偉かったね。

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