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認知症対策 40歳を過ぎたら早く寝よう

◆日本で認知症は増えている

「イギリスでは、認知症が激減した」

「どの国でも、認知症は年々増加しているに違いない」の推測に反し、
イギリスでは減少しました。
65歳以上の高齢者7500人を対象にした調査では、1991年と2011年を比べると、認知症の有病率が23%も減少していました

一方、日本の久山町研究では、1998年と2012年を比較すると、
認知症の有病率は10.8ポイントも増えています。

認知症は生活習慣病の一つと位置付けられています。
生活習慣というと、「食事」「運動」「喫煙」「飲酒」などです。
これらについて、日本は頑張っていると思うのですが、
どうして認知症が増えているのでしょうか。

◆もう一つの生活習慣 「睡眠」

生活習慣は「食事」「運動」「喫煙」「飲酒」だけではありません。
大きなものを忘れてはいませんか?
「睡眠」です。

日本人は睡眠時間が短いと言われています。
NHK放送文化研究所の国民生活時間調査(2015年)によると、
平均の睡眠時間は、
平日は7時間15分、
土曜日は7時間42分、
日曜日は8時間3分でした。

特に40~50代は、平日の睡眠時間は6時間台でした。
これは調査した国の中で、2番目に短い睡眠時間でした。
みなさんは、いかがでしょうか。

◆徹夜をすると、脳に老廃物がたまる

「アルツハイマー型認知症の急増は、睡眠不足によるものかもしれない」

睡眠と認知症の関係について、研究が進められています。
オランダの研究ですが、徹夜によって脳の老廃物がどうなるかを調べた研究があります。
30~40歳の男性26人を2つのグループに分け、
一方には徹夜をしてもらい、一方は普通に寝てもらいました。

アルツハイマー型認知症の原因は、脳の老廃物であるアミロイドβの蓄積と考えられています。
2つのグループの、脳脊髄液中のアミロイドβの量を測定しました。

その結果、徹夜をすると、わずか一晩で、脳のアミロイドβが増えることが分かりました。
一方、普通に寝た人は、アミロイドβは減っていました。

やるべきことがあって、1時間夜更かしをすると、
次の日が1日中、頭がボーッとしていることがあります。
たった1時間のために、次の1日が台無しになった経験はありませんか?
睡眠不足がいかに恐ろしいかが分かります。

◆夜は早く寝よう

1日の睡眠不足でさえ恐ろしいのに、長期に睡眠負債が続いたら、どうなるでしょうか。
アミロイドβがどんどん蓄積し、ある限界点を越えると悪影響が出ると言われています。

気をつけるのは高齢者だけではありません。
アルツハイマー型認知症では、
40代からアミロイドβが蓄積し始めています。
いったん脳にたまると、容易に排泄されないのがアミロイドβの特徴です。

睡眠負債のツケが、認知症という結果で現れないよう、
今日は早く寝ようと思います。
認知症予防のブログで夜更かしをして、認知症になっていたのでは、
何をやっているのやら分かりませんから。

参考文献
1)青柳由則:『認知症は早期発見で予防できる』, 文藝春秋,2016

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