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Interview|今こそ花の生命力を…オーガニックフラワー農園 Love the Farmさんに聞いてみた

hanaike初のインタビュー企画へようこそ。

心底「花に癒されたい…」という気持ちをこじらせた担当が、地球にも人にも優しいオーガニックフラワーを栽培する農園「Love the Farm」の代表、高橋さんにお願いして実現しました。

本当は農園にもお邪魔する予定が、このご時世なのでお電話でのインタビューに。それでも、しっかりオーガニックフラワーの魅力が伝わってきましたよ。提供していただいた、四季を感じる花々の写真だけでも一見の価値ありです。
花に詳しい方もそうでない方も、ぜひご覧ください。

オーガニックフラワーとは?
化学農薬や肥料を使わずに育てられた花が、オーガニックフラワーです。
よく「環境にも人にも優しい花」と呼ばれます。
花の栽培に由来する環境への負荷を、できる限り低減した方法を採用することで、土を活性化させ、水質を守り、優しい循環を生み出しています。

はじめまして、オーガニックフラワー!

オーガニックフラワーを始めたきっかけを教えてください。

元々、地元で仕事をしたいという気持ちがあったので、それまでの都内での仕事を辞めて2016年から始めました。
夫が有機農法の野菜農家をしていたことがきっかけで、たい肥の講習に出席したんですね。そこで講師…今の私の師匠にあたる方から、これからは花もオーガニックのものが注目される時代になる、という話を伺って。野菜でも良かったんですけど、花のほうが興味があるなって。それでオーガニックフラワーを栽培することにしました。

「オーガニックフラワー」って花屋さんでもほとんど見かけないですね。
オーガニックフラワーはどこでも買えるものですか?

100%オーガニックでやっている農園は、きっと数件。ほとんど無いと思います。
お店として展開するにも、減農薬のものなんかを混ぜて成立するくらいじゃないですか。だから、市場に安定して流通はしていないですね。
うちは完全無農薬で栽培していて、新宿のオーガニックコスメのお店とか、なじみの取引先さんに販売はお願いしています。

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野菜と同じで、価格が高いイメージがあります。

市場が無いので、価格はそれぞれの農家さんが決めています。
うちは師匠のところを見習って、花は1本いくら、枝はいくら、みたいにざっくり。でも、この花をこの金額で出すのはちょっとな、っていうのは適宜調整しています。

市場を通さずに、農家さんが希望する金額で取引ができるのはとても良いですね!

普通の花屋さんの花と、単純に比較はできないですが、極端に高くなったり、安くなったりすることはないですね。
夫が野菜をやっているので、紫蘇の葉を葉物として販売したり、ごぼうやニンジンなんかの野菜の花も出したりします。市場の影響を受けないので、そこは自由ですね。

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オーガニックフラワーの魅力は”季節感”

高橋さんの考えるオーガニックフラワーの魅力は何ですか?

うちは、水をあげないんですよね。一回植えたら、わざわざ水をやらない。そうすると、水を求めて、自分の力で、一生懸命根を伸ばしていきますよね。それで生命力の強い花になっていると思います。本来の色や香りも引き出されますし、ありのままの季節をお届けできるところは、魅力に感じていますね。

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花屋さんでは、チューリップやスイートピーなどの「春の花」は早いと11月くらいに並びますよね。体感的には少し早いなっていう印象です。

花屋さんの花は、太陽の光を浴びたこともないような花も意外と多いですよ。

オーガニックフラワーは環境にも優しいと聞いたことがあります。

そうですね。特に野菜農家をしている夫が、有機農法の「環境に負荷をかけない」ことを切り口にこの世界に入ったこともあって、私も常に意識しています。農薬や化学肥料を使用せず栽培するので、環境への負荷が少ないです。
食べられるくらい安全なので、安心して楽しんでいただけます。農薬の関係で、お花の持ち込みができない病院がありますけど、オーガニックフラワーはそのあたりの心配はいらないですね。

花の持ち込みNGの病院、聞いたことがあります。
やっぱりお花は癒されますし、そういう認識が広まってくれたら良いのに・・・

普通よく花を飾っておくと花瓶の水がドロドロで臭くなるじゃないですか。あれは肥料が水に溶け出して腐っているものなんです。
例えば自然界にある山の花木を採って来て飾っておいても数週間経っても水は透き通ったままなんです。自然界に近い環境で育つ花は水が濁ることが少ないのが特徴で、延命剤など使わなくても長持ちします!オーガニックフラワーを知った時に衝撃を受けました。

コントロールできない大変さ。良くも悪くも自然任せ

オーガニックフラワーならではのご苦労はありますか?

手をかけない分、コントロールができないところですね。出荷時期のコントロールや、種類のコントロールができない。虫がついたり、丈がそろわないところなんかもそうですね。うちは完全無農薬でやっているので、アブラムシがついたらてんとう虫を放って、「何とかして!!」っていう。(笑)

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薬に頼らず、天敵の虫の力を借りるわけですね!
オーガニックでは育てにくい種類の花はありますか?

オーガニックだから出来ないとか、難しい花とかは無いですけど、特にこれからの季節は、虫が増えてくるので…花びらが大きいものは虫に食われたら商品としては出せないですからね。そういう面での難しさはあると思います。
他の花にも言えることでしょうけれど、風には弱いので。加温はしないですけど、風よけとしてハウスを使うことはあります。

最低限のお世話、ですね。
話はかわりますが、最近、お花業界も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けているようです。高橋さんのところでお困りのことはありますか。

やっぱり、定期的に提供していたところが休業されて、提供がストップしたりしています。どこも同じかもしれませんが…。
でも、畑の中にいると何も変わらないですよ。いつもと同じ季節を感じています。

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外出自粛、コロナ疲れでいつもと違う春を過ごすことになってしまいましたが、こんな時だからこそ、自然に、花に癒しやパワーをもらいたいですね。今日はありがとうございました!

こちらこそありがとうございました。


終わりに

最後まで読んでくださった皆さま、ありがとうございます。
今回の記事は、オーガニックフラワーについての価値観を押し付けるのではなく、数多ある花の魅力のひとつとして、「オーガニック」という選択があることを、この記事に触れた方に知っていただきたいと思ってまとめたものです。

「こんな時だからこそ、花と何かしたい」hanaikeからのお知らせ
元々、Love the Farmさんには、hanaikeが企画する4月末のイベントに出店いただく予定だったのですが、コロナの影響で中止に…。
私も諦めがわるいので、イベントはリベンジを誓っていますが、自宅に籠らざるを得ない今の状況で、ことさら生命力の強い花を飾り、パワーをもらうことが必要なことに思えました。

インタビューにもあったとおり、オーガニックフラワーはいつでも、どこでも手に入るものではなく、沢山の数はご用意できませんが、同じタイミングで共感していただけた方に。
テーブルに飾れるオーガニックフラワーの花束と、小さな花瓶のセットをご用意しましたので、ご興味のある方は、こちらからご覧ください。

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