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3学期にぴったり!オススメ語り特集 ~別れや区切りを迎えるこの時期に~

久しぶりの更新となりました。
およそ1か月前に以下のセミナーを開催しました。

 告知から「満席御礼」→「増席」を3度繰り返して当日のセミナーを実施したわけですが、終了後にも「参加が叶わなかったので内容の一部でもいいので紹介してほしい」「成人式でどうしても出席ができなかったので…」という声をいくつか寄せてもらいました。

 内容を全てnoteで紹介することはできませんが、せっかくリクエストを幾つか寄せてもらったので、それにお応えして一部を掲載することにします。

 実際のセミナーでは、トップ画像のように「お品書き」を示して、その中から注文(リクエスト)の多かったものを時間の許す限り紹介していくスタイルで進めました。

 参加者の方々からいただいた感想を一部紹介します。

・渡辺先生、心に染みる語りをありがとうございました!何回聴いても、感動します。明日から3学期、言葉一つ一つをきちんと紡いでいきます。
・語りの大切さを実感しました。特に、卒業式当日の学級通信を読んでいただき、その場で涙が出ていました。情景が浮かび、自然と感情移入ができました。きっと、当事者である子どもたちはもちろん、保護者の方々の胸にもとても響く語りだったと思います。そして、そんな語りが毎日教室で聴けたり、通信で教えてもらえたりする子どもたちは幸せだろうなと思いました。どの語りも、すぐに実践してみたいと思うものばかりでした。ありがとうございました。
・語りはもちろん、特典がすごすぎます。これからも渡辺先生を追いかけ続けますので、このようなセミナーや豪華特典をぜひよろしくお願いします
・一時間だともったいないですね。質疑応答踏まえ、90分あれば…と思ってしまいました。ありがとうございました。
・60分の講演を通してどんどん語りの魅力に引き込まれました。きっと、年間を通して語りを意識している担任の教室ではしっとりとした、前向きな雰囲気の教室になるのですよね。一回真似して終わり、ではなく、自分自身の言葉として語れるようになりたいです。
・イベントの事を知った時から大変楽しみにしていました。
どの語りも子供たちに還元していきたいと思いました。また、同僚の先生にも知って欲しいと思いました。個人的にはサツキとメイの話が印象強く残っています。実際によく話をする内容だったので3学期の懇談会の時に早速活用させていただきます。大変充実した1時間でした。
・渡辺先生の言葉にはいつもあたたかさがあり、渡辺先生に見てもらえる子ども達は本当に幸せで、多くの学びを得られると思います。私もいつかそのような教員になりたいと思いながらも、忙しさにかまけて何も行動にできていない日々です。しかし、今回の話を聞いて改めて、子ども達に後押しの言葉をかけられる教員になりたかったんだと気付きました。そのためにできること、少しずつでいいから、現状維持ではなく、進んでいきたいと思いました。素敵な語りとこの気持ちを送ってくださり、本当にありがとうございました。渡辺先生の学級通信、宝物です。自分なりに目の前の子どもたちの姿と重ね合わせながら、言葉を生み出し、語りたいと思います。
・今日、参加してよかったです。語りについてのご高著を読む以上に、話して伝える、通信にして伝えることの大切さを実感しています。どうしたら、こんなに心に響く語りを場面に合わせて話せるのかと疑問に思っておりました。渡邉先生が「インプットするときに結びつける」とお話しくださったことをヒントに、意識していこうと思います。「言葉を逃さない」の意識も心掛けてまいります。今年度の残りの日々を、子どもたちと「言葉」を大事に過ごしていこうと思います。本日はありがとうございました。
第二弾を期待し、楽しみに待ちたいと思います。
・先生の語りを聞きながら、届く語りとはこういうことか!と大変勉強になりました。渡辺先生のセミナーに参加したのは2回目です。書籍やVoicyで語りの内容について知っているものがありましたが、直接渡辺先生の言葉で聞くと、また一段と心に響きました。これから子どもたちに学んだことを還元していくのと共に、渡辺先生のような人間に慣れるように精進していきたいです。貴重な機会を設けてくださった、渡辺先生、事務局のみなさまありがとうございました。
・渡辺先生は日常生活の中で、常にアウトプットすることを考えていらっしゃることがよくわかりました。そしてその源は、「恩を送る」ということなのかなと感じました。教師という仕事は、教えることだけでなく、誰かに、届けたい、贈りたいという思いが根底にあるのだと気づくことができました。教師としてだけでなく、人としての大切にしたい、「生き方」を教わったような気がしています。明日は始業式。今日の学びを子どもたちへ一つでも多く贈りたいと思います。ありがとうございました。"
・とても素敵な語りをありがとうございました。聞いたことがあるお話でも、改めてその語りのもつ力に気付けたり、以前とは感じるものがちがったり、とても多くの学びがありました。渡辺先生の語りは、本当に心に響きます。それは心の声だからだと感じます。私にはまだまだ渡辺先生と同じ語りはできませんが、私も私なりに心で感じて、心の声を子供たちに伝えていきたいです。そして、「インプットするときにアウトプットすることを考える」という言葉がすごく印象的でした。これから意識していきます。早く子供たちに会いたくなり、明日からの3学期が楽しみになりました。素敵な時間を本当にありがとうございました。
・道治先生のセミナーはいつも双方向のやり取りがあり、一方的な講義にならないので、満足度が高いです。今回も「語り」というテーマであれだけの巻き込み感のあるセミナーをしてくださり感激です。きっと、一方的に「語り」を語る方が道治先生のご負担も少なくて楽だったと思います。ただ、そうはせず、お品書きという形で参加者目線で「語り」を提示してくだった利他の心に、本セミナーの本質があったように感じました。ありがとうございます。
・今回、道治先生の「語り」のライブ感を感じたくてセミナーを受講しました。道治先生を知ったのがTwitterで発信されていた「ラーメンとチャーハン」の語りの学級通信でした。懐かしく思いながら、今回道治先生の語りを聞くことができました。今回のセミナーを受講しての学びは「ジョイント」です。日常会話と語りのジョイントつまり、接続部分です。道治先生は、ラーメンとチャーハンの語りをする前に「初詣をした人?」と初詣の話をふってからした方が効果的とおっしゃられました。このジョイントが絶妙で「なるほど!」と唸ってしまいました。ただ語りたい語りをするのではなく、その語りとジョイントできる日常会話(子供にとって身近な話)をもまた、意識したいと感じました。
・いつも大変お世話になっております。明日から三学期が始まるこのタイミングで、今回のセミナーを実施していただきありがとうございました。渡辺先生の「利他」の心に改めて感動しました。語りをただ紹介するだけでなく、「お品書き」形式で紹介してくださり、「季節によって・・・ご了承ください」など、始まりからワクワクしました。それだけでなく、プレゼントも豪華で、お年玉をもらえたような感覚で、本当にうれしいです。渡辺先生はどこまでも「人を喜ばせる」ことが上手だなあと、ますます憧れました!「恩送り」ができるように今日のセミナーでの学びを生かしていきます。本当にありがとうございました。
・渡辺先生の語り方がとても朗らかですっと心に入ってくることがわかりました。きっと誰がどのように話すかもとても大切なことなんだと感じました。目の前の子どもをよく見て、語りかけていきます。本当にありがとうございます。いつも、心に深く届くお話をいただき、自分自身が前向きに頑張る力になっています。ありがとうございます。
・本日はありがとうございました。短い時間でしたが、渡辺先生のお話や語りが聞けてよかったです。メモがとまりませんでした。本日の学びを振り返り、明日につなげていきます。参加ができてうれしかったです。また、学ばせてください。"

今回の記事では、感想の中にも複数の方が寄せて下さっていた「ラーメンとチャーハン」「サツキとメイ」「卒業式当日の語り」について紹介することにします。
 ラーメンとチャーハンについては、今年の1年生向けの学年通信でも紹介したため、その記事を引用する形で紹介します。
====引用ココカラ====
出版業界ではここ最近、人気漫画の内容に関する考え方や実践方法をまとめた活字本がよく出版されるようになりました。
『スラムダンク勝利学』(辻秀一著)もその一冊です。
「漫画」と聞くだけで、どこかくだけたイメージがあるかもしれません。が、著者は医学・心理学の専門家であり、中身も極めて具体的な実践が紹介されています。
この本で推奨しているのが、「有言実行」です。
特に強く書かれているのが、夢や目標を宣言しようということです。
その目標に根拠や自信が無くともいい。
たとえ大き過ぎる夢だとしてもかまわない。
宣言することで、目標に対する責任をとるという自覚が生まれ、それが努力と行動につながっていく。
そう著者は語っています。
「こんな仕事がしてみたい」も「こんな学校を作りたい」も「こんな未来を目指したい」も同じなのだと思います。
思うだけでなく願うだけでなく、実際にそれを言葉にして宣言すると、不思議と多くの力が集まってきて夢や目標が実現しやすくなります。
 
そういえば数年前に、6年生向けの学級通信として次の内容を書いたことがあります。抜粋で紹介します。

「思いは伝わる」「願いは叶う」と思っている人は、意外に多い。
しかし、これは大きな間違いである。
思っているだけでは伝わらない。願っているだけでも叶わない。
そんなことはない、思いは伝わるし願いは叶うものだ!と思うなら、一度実験してみるといいだろう。
 
例えば、朝一番、起きてからすぐにあなたがラーメンを食べたいと思ったとする。
ラーメンラーメンラーメン…。
心の中で、百回千回唱える。
もう心の中はラーメン一色である。
柔らかいチャーシュー、こってりとしたスープ、ツルツルとした麺。
その一つ一つをクリアに思い描きながら、近くの中華料理屋さんまで歩いて行ったとする。
心の中で唱えたラーメンはすでに一万回を超えた。
人生でこれ以上ないくらい、ラーメンのことを思い描いた。
そして、お店に入り、その思いを最高潮まで高めた上で次のように注文してみよう。
「チャーハンをください。」
「思いは伝わる」「願いは叶う」のなら、ラーメンが出てくるはずだ。
これだけ強く、これだけ何度も思っているのだから。
しかし、お店から出てくる料理は100%チャーハンである。
疑う余地がない。
あなたが千回万回抱いた「思い」「願い」よりも、たった一度「言葉」にしたことの方がこの世界では遥かに重いのである。
これを、間違えている人は実は結構多い。
「もっと賢くなりたい」と思っているのに、「私なんて馬鹿だから…」と口にする。
本当は感謝しているのに、その思いは伝わるものと勘違いしてついつい荒い言葉を発してしまう。
その人の良いところだってちゃんとわかっているのに、「あの人ってちょっとこうだよね」と陰口をたたく。
本当は「やりたい!」と思っているのに、「僕には無理」が口癖になってしまっている。
これらは全部、ラーメンが食べたいのにチャーハンを注文しているのと同じである。
言葉にした世界が、そのまま具現化されていくことだろう。
なぜならば、思いや願いよりもはるかに大きな力を持った言葉通り、つまりはあなたの注文通りの世界が周りに作られていくからだ。
書く言葉、話す言葉。
我々が扱う言葉には、こうした不思議な力がある。
古くから日本では「言霊」といって、自分の出した言葉によって周りの状況や未来が大きく変わってくるといわれてきた。
「思考は現実化する」という言葉もあるが、それだけでは実は足りない。
思考を言葉にして伝え、動き始めることで、初めて現実が作られていく。
「言葉は現実化する」するのである。
言葉にすることによって、責任が生まれ、行動が伴い、あなたに大きな成長や変革をもたらしていくのだろう。
 

学級通信『花は咲く』より


今日、冬休みの話を聞いたところ、「初詣に行ったよ!」という子も多くいました。
そして、各クラスでどんな一年にしていきたいかという話もされました。
神社で手を合わせて思い描いた願い事も、年始に立てた目標も、それを実現に導くためには「言葉」の力を借りるのが良いのだと思います。
どんな言葉を使うかということが、どんな注文をするかということが、一年の在り方のカギを握っているように思うからです。

ある子は、「私はみんながニコニコしている一年にしたいから『ありがとう』っていう言葉をたくさん使いたい」という話をしていました。
なんて素敵な目標なんだろうと、胸打たれた瞬間でした。
神社での初詣の瞬間だけでなく、また年の初めに決意を新たにする瞬間だけでなく、その目標を実現に導くために「言葉の使い方」にはこだわって過ごしていきたいと思います。
====引用ココまで====

と、このように、「初詣」や「年始の目標」など、何かの願い事や目標を定めた時などにするのがおすすめの語りです。
セミナーでもお伝えしましたが、「これを伝えると決めて意気込んで語る」のではなく、「ぴったりのシチュエーションでふと思いついたように語る」のが効果的です。

 次のサツキとメイの話も同じです。
 オススメは、懇談会や個人面談などの時です。
学校で言うところのいわゆる「優等生」や「思いやりのある」子どもの保護者の方との話の中でふと出すと効果的な語りです。
これも、以前に書いた通信から紹介します。

====引用ココカラ====

「となりのトトロ」には、サツキとメイという姉妹が登場します。
ウチの上2人の娘の関係は、この2人の関係とソックリ。
しっかり者の姉と奔放な妹。
両者のコントラストがクッキリと現れています。

そして、たいてい、しっかり者の姉は褒められることも多ければ、求められることも多くなりがちなもの。
これも、我が家では似たような状況がよく生まれます。
特に、家族ではない外部の方との関わりの時にそのことが表面化することが多いです。
先日も我が家に泊まりに来たご夫妻が、終始しっかり者の姉の姿を褒めて下さっていた一幕がありました。
そして、「お姉ちゃんはしっかり者で素晴らしいですね」と褒めて下さるのです。

私は、こうした時に、決まってする話があります。
それは、となりのトトロのお姉ちゃんサツキが号泣するシーンのことです。
実は、あのシーンは当初のシナリオになかったのです。
しかし、宮崎駿監督の相棒(鈴木敏夫さん)のアドバイスによって、シナリオに変更が加えられました。
理由は、「このまま成長したら、サツキが不良になってしまう」から。
どれだけしっかり者でも子どもは子どもです。
ちゃんと感情を吐露できる場も作ってあげたいと思っていますし、その役割の中心は家庭にあるとも思っています。
「しっかり者」として、褒められたり求められたりすることが多い子ほど、感情の逃がしどころを意図的に作ってあげたいものです。
以下に、鈴木プロデューサーの本から抜粋して紹介します。

====引用ココマデ====
もし、シンプルに語り聞かせるだけでなく、「問い」からはじめたいと思う場合は、次のQから入るのがよいでしょう。
「となりのトトロには、元々無かったシーンがあるんですが、それはどこだと思いますか?」
問われた人は、映画のシーンを思い浮かべながら一気に考え込むはずです。
そして、先の答えを伝えればきっとなるほどと思ってくれる方が多いことでしょう。
「感情を吐露できる安心・安全基地」という話題に言及する時におすすめの語りです。

そして、最後は6年生の卒業式の日に配布した学級通信を紹介します。
この年は、コロナが来た最初の年でした。
突如としての休校措置。
卒業式には、保護者も在校生も来賓も来られず。
合唱も呼びかけもなくして実施したあの年の卒業式に配った通信です。
その数日前に登校してきた時に、子どもたちと最後の給食を食べました。
食べながら、泣いている子がいました。
その時のことを描写した通信です。
以下に紹介します。

 このようにして、たいていの「語り」を私は「通信」に記して読み聞かせることが多いです。
 通信という媒介を一つ間に置くことによって、教師の素直な気持ちを伝えられたり、子どもの立場からもそれが伝わりやすくなったり、通信に目を落としながら語りを聞くことで色んな思考の逃げ場が生まれて語りがよりしみこむようになったりと、様々な効果が生まれるからです。
 このような内容を先日のセミナーで紹介しました。
 今回リクエストされた方々のお役に立てれば幸いです。 

 尚、「今回の記事のような企画や情報を今後も発信してほしい」という方がもしあれば、応援の意味を込めて以下の「オマケ」を購入していただけるとありがたいです。 
 オマケでは毎回、応援して下さった方への感謝の気持ちを込めて「今回の記事に関連するプレゼント」(①セミナーで実際に使ったパワーポイントコンテンツ(画像資料やリンク付き※お品書きのメニューをクリックすると該当の資料に飛ぶようにしてあります)、②セミナーで特典として渡した3学期の学級通信及び6年生以外の各学年の別れの通信:合計100枚(PDFなのでテキストもコピーして使用可能です。今回紹介したような3篇のような3学期におすすめの語りが載っている号ばかりを100枚厳選しました。)③来月発売予定の新著の第一稿(教師の力量形成がテーマ)を返礼品として贈ります。
以下、パワーポイントデータや学級通信の一部をお見せします。

※尚、オマケの購入は予告なく終了する場合がありますのであらかじめご了承ください。あくまで本記事がメインですので、オマケは情報発信に対する応援という意味合いで使っていただければ幸いです。

 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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