見出し画像

たまには右脳を刺激しないと!
というわけで、上野の東京都美術館へ行って参りました。
写真はさくらテラスからのスカイツリー。曇っていて、シルエットが少し幻想的でした。

昨年、庭園美術館のルネ・ラリック展の講演会に一時休館前に滑り込んで以来、ほとんど美術展には行っておらず、美術館サイトを巡って展覧会に行く計画を立てる気分にもなれませんでした。
思えば、そこに映画や歌舞伎も加わって、なかなか忙しい文化的生活を送っていたわけです。どうりで、最近は土日が暇だと今更ながら気づきました。

今日は、招待券を頂いたので『没後70年 吉田博展』へ。
こういう展覧会あるけど行く?と聞かれて調べると、「これが版画!?」と驚き、すぐに「行きたい!」と返信しました。
お仕事柄、招待券が入手できる知り合いがいると有難いです。代わりに映画のペアチケットを入手した時は1枚差し上げていたのですが、最近入手できず申し訳ないぐらいです。

久しぶりの都美です。そこそこ人はいました。

画像1

まず気になったのは、同じ版木を使って摺色を変えた連作。
公式サイトで知り、モネの《積み藁》や《ルーアン大聖堂》みたい、と思いましたら、まさにそんな感じで時間の移り変わりによる光の加減が美しかったです。
それが、同じ版木というのは容易にわかるのですが、色と摺り方でこんなに変わるとは……。

そして、フロイトやダイアナ妃が愛好家だったという点。
ダイアナ妃の執務室に実際に飾られた状態の写真も展示されていました。
フロイトの精神分析には関係あったのだろうか?と気になりますね。

画像2

《瀬戸内海集 光る海》

この《光る海》と《猿澤池》が執務室に飾られていました。
海の光る感じは、これが版画とは……と思うものでした。

画像3

これは《欧州シリーズ ブライトホルン山》ですが、見た時にフェリックス・ヴァロットンを思い出しました。それが奥の《アルプス高地、氷河、冠雪の峰々》です。こう比べると似ているわけではないのですが、ヴァロットンの黒の使い方が印象的で好きなので、岩肌の黒っぽい部分に反応してしまったのかもしれません。

浮世絵は10回ほど色を重ねるところ、吉田さんは40~50回、多いものは《陽明門》が展示されていますが、なんと96回だそうです。
版画は量産できるというイメージでしたが、そういうわけにもいかないですね。摺るのも大変そうです。

黒田清輝と同時代の人ですが、黒田らには反発していたようで、皆がフランスへ国費留学していた時代に、自費で渡米した人です。初の米国での個展ではかなり売れたそうです。
絵画から版画に移ったのも、版画の技法を昇華させたのも、人と同じことをしていてはダメなんだという思いからだったのでしょうか。

暖かかったからか、上野公園は結構人がいました。
桜が咲いたら緊急事態宣言など関係なく、また凄い人混みになってしまうのかな、と思いながら帰りました。

#吉田博展 #版画 #美術展 #東京都美術館 #右脳 #毎日note #日記 #エッセイ #スキしてみて  

この記事が参加している募集

スキしてみて

スキ、コメント、シェアも大歓迎! いただいたサポートは、カウンセリングルームを開く際の資金にします!