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企業に丸投げしすぎ ~標準報酬月額編~

社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)は標準報酬月額という、ある程度幅を持たせた等級に基づいて金額が決められています。給与の増減が保険料に響かないように、という趣旨のようですが ── 給与を沢山貰った時は沢山引かれて、少なくなったら引くのも少なくすれば良くないでしょうか?
(いわゆる税方式ですね)

時間はコスト。こんなクダラナイ届け出をすることに割く時間があったら、他の業務をしたいです。日本の生産性が低いと言われるのは、こうした効率度外視の謎制度も一因だと思っています。

幅を持たせたテーブルに従って計算するだけならまだわかります。税金もそうですから。問題はそのテーブルが変わる時です。

定時決定と随時改定があり、今はちょうど定時決定が終わったところです。算定と呼ばれます。

職場の先輩から、4月から6月はあまり残業するなと言われたことはないでしょうか。4月から6月までの3か月間の報酬を元に、9月以降の標準報酬月額が決まるからです。この時期が繁忙期の方はたまったものではないでしょう。

賃金の中でも対象になるものやならないものがあるので、この時期は社会保険労務士からも色々な問合せがあります。この調整はどのような内容ですか?何月分の遡及調整ですか?この調整の計算式は?

遡及だろうが何だろうが、総額に対して%で納付すればこのような計算や届出は不要ですのに。

随時改定は月額変更(通称:月変げっぺん)とも呼ばれます。人事内では「この人、月変した?」などと言います。

随時改定は、固定的賃金(残業代などの非固定的賃金ではありません。)に変動があり、継続した3か月間に支払われた報酬総額を3(か月)で除した額の標準報酬月額を従前と比べてみて、2等級以上の差が生じたときに改定します。これは定時決定まで標準報酬月額を決め直さないと、実態と大きくかけ離れることになるために設けられているものです。

日本年金機構 年金Q&Aより

ね、面倒でしょう?
この他「~の場合は」という細かいルールが沢山あります。

外資系企業でよくあったのは、全世界で同じシステムを導入する時に給与計算まで行おうとして失敗、またはプログラムの追加に物凄い費用がかかりました。

「税・社保を計算するテーブルをくれ」←だいたいインド人
「はいよ」
「よし、これで日本のプログラムはOKだ!」
「月変はどうするの?」
「What's Geppen!?」

ここから説明ですよ。日本の制度は変だ!と言われ、確かに変ですがこれが法律なので仕方ないのです。私ごときに変えるパワーはありません。
どなたか外国の要人が政府に言って下さらぬか?

#社会保険 #標準報酬月額 #無駄業務 #お役所仕事 #私の仕事 #人事 #人事の仕事 #人事あるある #日記 #エッセイ

2022.7.25

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