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【展覧会】私たちのエコロジー 地球という惑星を生きるために

良い天気の六本木です。

つい撮ってしまう《ママン》

さて、と。52階まで来ましたが、この日は2展ハシゴです。どちらから観ましょうかね。とりあえず、上から行きましょう。

森美術館開館20周年記念展
私たちのエコロジー
地球という惑星を生きるために

2023年10月18日(水)~2024年3月31日(日)
森美術館にて

第1章「全ては繋がっている」

[環境や生態系と人間の活動が複雑に絡み合う現実に言及]

ニナ・カネル《マッスル・メモリー(5トン)》

踏みしめる展示、サンダルとピンヒールは禁止です。足元でザクザクいいます。砂浜だとこうはなりませんが、この感触はどこかで……?

サステイナブルな美術館運営という話は、以前ラジオでこの展示を取り上げていた時に聞きましたが(実はその番組で頂いたチケットです)このようなパネルがありました(↓)。

会議室やマンションなど、広さや間取りを変えるパーテーションがありますよね。ああいう技術が使えたら良いですね。壁の色を変えるテクノロジーもありそう……。

第2章「土に還る」

[高度経済成長の裏で、環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証し、環境問題を日本という立ち位置から見つめ直す]

壁に年表がありまして。工業から出る化学物質などからの健康被害がこんなにあったのですよね。そういえば子供の頃、煙突から煙がモクモク出ているような工業地帯近くの高速道路をバスで通っただけで、喉が痛くなったのを思い出しました。

経済成長と環境汚染は、別に表裏一体ではないと思うのです。他国がやってしまって問題が起きて直してきたことを、違う国が繰り返すのはなぜでしょうね。

この辺りは撮影禁止だった気がします。全面が窓の眩しい部屋からは、東京湾の向こうまで良く見えました。借景みたいな使い方だったのでしょうか。

第3章「大いなる加速」

[人類による過度な地球資源の開発の影響を明らかにし、ある種の「希望」も提示]

モニラ・アルカディリ《恨み言》

ビデオインスタレーションなどある中で、私が気になっていたのはこれ。真珠の恨み言なんですって。上から、ブツクサと恨み言が降ってきます。壁のラックにその言葉が書かれたものが入っていて、手に取って読むことができます。

日本で真珠の養殖方法が確立されて世界中に広まりましたが、その前から天然真珠で生計を立てていた人たちもいたわけで……。やや業界人なもので、いたたまれない気持ちになりました。

第4章「未来は私たちの中にある」

[最先端のテクノロジーと古来の技術の双方の考察を通して、未来の可能性を描く]

撮影不可でしたが、ジェフ・ゲイス《薬草のグリッド六本木》も良かったです。六本木ヒルズ周辺で実際に採取した薬草が12組、標本、写真に効能まで添えられて展示されていました。

ケイト・ニュービー《ファイヤー!!!!!!!》

銀座から六本木までの間に落ちていた石、ガラス玉、金属片が埋め込まれています。上の写真の辺りは金属がチラホラ。

そんな床に、青梅の工房で染めた藍染めの布が合わせてあります
アサド・ラザ《木漏れ日》
修復された天窓、日光、足場、シルヴィー・セマ・グリッサンによるサウンドスケープ

いやはや、足場のみならず天窓も展示品になるとは。でもね、解説を読むとその心意気がいいなぁと思いまして。

アサドは初めて森美術館を訪れたとき、展示室の天窓のスクリーンが長い間開かなくなっていることを知りました。彼は六本木ヒルズ森タワーという高層ビルをひとつの身体ととたえ、怪我を治してこの天窓から再び太陽の光を入れたいと考えました。修理のために木製の足場を組み、再生を祈願する神事も執り行いました。日中は美しく光の入る展示室で、壮大な太陽系、惑星としての地球の動きを想像してみてください。

Junior Guideより

20周年を迎えた森美術館が、輸送を最小限にしたり資源を再生利用したりという環境に配慮した展覧会を行うことが、今後のアートシーンにどのように影響するのか、見守っていきたいです。

同時開催の《MAMコレクション017:さわひらき》も不思議な感じ、でもどこか懐かしい……?観るなら奥まで入ってね、とだけ言っておきましょう。
《MAMスクリーン018:カラビン・フィルム・コレクティブ》は時間がなく断念、《MAMプロジェクト031:地主麻衣子》も全部は観られずチラリとだけでした。

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