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人事に限った話ではなく、大企業では役割が狭く深くなり、中小企業では広く浅くなります。これがわかっていないと、その人にとってよろしくないという実例を挙げます。

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日本支社は社員200名ほどの企業で、その業界ではベンチャーながら創始者が世界的な賞の受賞者で、技術や着眼点は確かなのだろうと思います。

私は派遣社員としてその会社で働くことになりましたが、この規模で人事が6人目だったことに驚きました。

社員は人事本部長と役職なしの合計2名、契約社員1名、業務委託1名、派遣社員1名のところに私が入ったわけです。先にいた派遣の人は給与担当だったので、私は給与のサブ担当や社保手続きなどもしつつ、会議資料を作ったり、社内文書の翻訳をしたり、要はなんでも屋でした。

でも、この規模ならそんな役割は要らないのです。
契約社員は教育研修担当ですが、毎日研修があるわけでもないのと講師は外部ですので、普通なら別の業務と兼務にする程度の業務量でした。
業務委託の人は採用担当ですが、外資でHiring Managerが外国人のことも多いのに英語が全くできません。で、なんちゃって翻訳/通訳が私。

もう一人の派遣社員はがっつり給与担当でしたので、業務量は妥当だと思いますが、業務の重要性から言ったらこのポジションが契約社員でしょうに。
(後に契約社員になったそうですが)

社員2名は大企業から来た人なので、研修の人は研修、採用の人は採用というのが当たり前だと思っていたようですが、この規模なら人事はせいぜい2~3名。つまり、社員2名はもっと幅広い仕事をしないといけません。この規模の人事マネージャーなんて、普通はプレイングマネージャーですからね。

結局、強烈なキャラクターの人事本部長と一緒に働いたことがあって慣れている人を、研修と採用に置いていたようです。無茶ぶりが多く、採用の人は社内イベントがあるとイベント屋と化していました。

これも大企業病なのかその人の特性なのか「〇〇の資料を作って」とざっくりした指示で、50枚の資料を作るとそのうち10枚が採用される程度という、非常に効率の悪いやり方でした。
別に私は良いのです、時給で働いていましたから。使わない資料だっていくらでも作りますよ!ですが、こんな感じだから6人も必要だったのでは?

結末はですね、APACを見ていた上司と合わなかったらしく人事本部長は退職(パッケージが出たのではないかと推測)、その前に行われた改革人事で恨まれて人事の人数の多さをグローバルに言いつけられ、社内政治に巻き込まれる形で私のポジションは契約期間を1カ月残してなくなりました。

いくらヘッドカウントは2だと言い張っても、雇用形態を掲げて仕事しているわけではありませんから、他部署には「人事は6人」と見えるわけです。
満了まで1カ月ぐらいは別に働いても良いと思うのですが、すぐに「人を減らしたから」と見せたかったのでしょう。

まあこの状況で、なくすならどう見ても私のポジションです。派遣元が
「最低6割は休業補償が出ますので」
と言いましたが
「6割ぃ!?100%派遣先都合じゃないですか、100%補償してもらって下さい」
と強気に出て、希望は通りました。こういうところで怨恨を残してはいけないのです、ハハハ。

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結局、契約社員は契約満了をもって終了、本部長退職後に業務委託の人は委託終了だけでなく所属していた会社からも退職、もう1人の社員は元の大企業に戻り(戻ろうかなとは聞いていましたので違和感はあったのかもしれません)残ったのは派遣から契約になった給与担当のみとのことです。

ワタクシはといいますと、
「1カ月も労働ゼロで給与100%だ!ワ~イ!何しよう?」
と喜んでいたところ、次の職場訪問に行った先にすぐ来て欲しいと言われ、半月ほどでその美味しい生活は終わってしまいましたとさ。
めでたし、めでたし。

#人事 #人事あるある #規模 #人事の仕事 #私の仕事 #日記 #エッセイ

2022.8.15

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