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#4.心と身体のつながる仕組み その②

2.「無意識」の大部分は、身体の「感覚統合」による「適応現象」

前回記事の、 #3 .心と身体のつながる仕組み その①の記事から来られた方々は、引き続きこの記事をご覧くださり、ありがとうございます。

初めてご覧になる方は、もしよろしければ、前回記事もご参考くださると幸いです。

この記事を読んでくださる皆さまに、本日も多くの学びとご成長と、幸があらんことを!

さて、

今回は前回ご紹介した『感覚統合理論』の視点から、「無意識」についての深掘りをしていきましょう。

「無意識」と「意識」とは、一体何でしょうか?

そもそも、「無意識」と「意識」は、綺麗に2層化している全くの別物…という訳でもなく、相互に影響し合いながら、私たちが社会生活を営む上での「適応行動」を可能にしています。

この無意識と意識の交わる層を、「潜在意識」と呼ぶ方もいますね。

無意識から起こる、数々の「条件反射」「知覚行動」は、そのほとんどが、「環境に対する生理的な適応現象」として、身体に組み込まれ、あるいは日々の習慣化によって「自動化されている行動」なので、意識はこれを完全に無視することはできません。

例えば、

①暗がりから急に光が射すと、私たちはその眩しさから思わず目を細めたり、手をかざして光を遮ったりしますし(明順応)

②誰も居ないはずの暗がりの部屋で、後ろから急に肩をポンっと叩かれると、ビクッと身体がすくんで、人によっては「わぁ」っと驚いて声を上げたり、相手が誰か分かったとしても、しばらくはドキドキがとまらなかったりすることがありますね。(触覚防衛、闘争か逃走反応)

そして、この「感覚調節」と「生活環境」に、何らかの「不快=生命の危機」が生じてくると、脳はその「不快」に対して、「意識」という実に燃費の悪い「エネルギー」を注いで、自身の色々な「キャパシティ=心身が快適と感じる安全領域」を削りながら、「生き残るための生存戦略」を実行しようと働きだします。

「不快」感情は、脳がその人に送る「緊急メッセージ」なのです。

そうすると、私たちの心身には一時的に大きな「負荷」が掛かってきますね。

「負荷」の例えとして…例えば、上記の①②に挙げた反応では、

①多くの人が不快に感じない筈の蛍光灯の灯りに、痛みを覚えるほどの眩しさを感じたり(視覚過敏)、

②目の前に人がいると分かっていても、少し触れられただけでも、身体が緊張してしまい、恐怖や不快感を感じてしまう(触覚過敏)

…といったことがあったりすると、私たちはそれらの「負荷」に対して、何らかの「解決策」=「自己成長」を見出せなければ、

その「慢性的な生活上のストレス」=「過剰適応」によって、怒りや悲しみ、凍り付き、などの脳の過活動や停滞といった形で「心身の炎症」が継続され、

「過剰適応から至る不適応」を生じたり、「生きづらさ」や、「学習性無気力」に陥ってしまうことがあるのですね。

この「身体反応」は、その人の特性や感じ方だけでなく、社会文化、生活環境や日々の習慣、人間関係とも密接な関りを持つ「現象」だったりもします。

この「無意識」と「意識」の影響し合う相互を、「バランスよく調節」し、心と身体、社会的な繋がりまでをも包み込んで、人間発達学的視点によって、Well-being「その人らしく、健やかにあろう」と、アプローチを試みるのが、エアーズ氏のいう『感覚統合理論』なのですね。

次回は、この感覚統合理論の前に、ヒトの「感覚調節機能」の仕組みについて、皆さまに分かりやすく解説して行ければと思います。

本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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