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グレーヘア、シルバーヘアへの憧れ

 最近はグレーヘアやシルバーヘアが自然であるとの風潮。好意的に見られるようになってきていると思う。
 私自身は以前から美しいシルバーヘアに憧れていた。その髪が似合う可愛いお婆ちゃんになりたい、と本気で思っている。

 だが、残念ながら私の髪質は非常にコシが強く、色も濃い。そうではない人からすれば、贅沢な悩みなのだとわかってはいるが、無い物ねだりほどより羨ましくなるものだ。

 百歳を超えるまで矍鑠としていた母方の祖母は、見事な白髪であったが、シルバーヘアと言えるほどの毛量はなかった。
 父方の祖母は八十代後半で亡くなったときにも、半分以上の髪が黒かった。
 私の髪質は、確実に父方の遺伝子が表に出ている。

 おかっぱにすれば市松人形と言われ、おさげ髪はしめ縄と呼ばれ、ポニーテールにすると、危ないから振り向くなと注意を受けた。

 最近、行きつけの美容室で、シルバーヘアへの憧れを美容師さんに話してみた。その人のフランクな対応が好きで通っているのだが、いつも通り、遠慮ない意見を返してくれた。
「無理ですねー」

 私の理想は、角野栄子さんのようなシルバーヘアなのだが、そうなるには今の私の歳で、すでにグレーヘアになっているはず、だそうだ。
 今の私は、掻き分ければ多少の白髪は見つかるが目立つほどではない。わかってはいたけれど、プロに断言されてちょっとガッカリはしてしまう。
 うん、でもハッキリ言ってくれてありがたい。

 母方の祖母も父方の祖母も、可愛いお婆ちゃんというよりは、元気なお婆ちゃんであった。シルバーヘアを手に入れることと、理想のお婆ちゃんになることは、また別。と自分を慰めてみる。

 しかし、今までカラーもパーマもかけたことのない私は、これから自分の白髪とどのように付き合っていけばよいのか。
 ちょっとばかり、途方に暮れている。

これまでに、頭の中に浮かんでいたさまざまなテーマを文字に起こしていきます。お心にとまることがあれば幸いです。