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4歳と2歳に挟まれて眠ると、寝返りが打てない。

親方ぁ!空から4歳児が!

頭を思い切り蹴り飛ばされて、朝。

「ママ!!!起きて!!!もう朝だよ!!!まず身体の布団から出てる部分を起こして!!!」

起床のための詳細な指示を受ける。
寝覚めは…まぁまぁですな。




長男を夫婦で間に挟んで眠っていたのは、つい2年前くらいの話だ。

ベッドから落ちないように、私たちのあいだに長男を配置。パパとママに挟まれる赤ちゃんだった長男のポジションは、弟の登場によって打って変わることになる。

ベビーベッドを卒業した次男坊が増え、パパのいる布団か、ママのいるベッドか……に二手に分かれるかたちになったのだ。これでは物理的に「あいだに長男」はできない。

私はいつのまにか、あいだに長男を挟んで寝ていたことすら忘れ去っていた。



空から4歳児が降ってきた。

それ自体は特段珍しいことではない。というのも、ベッドと布団を縦横無尽に転がりまくり、「なぜそこにそんな姿勢で???」という位置で眠るという幼児の特性(?)に関わっている。

最近、ベッドで寝ている私のところに兄弟2人がやってきてベッドに3人、布団にパパ1人、で眠ることが増えた。

私を真ん中にして、右手に4歳、左手に2歳というポジションで眠りにつく。

ああ、いつまでこんなふうに眠れるのだろう。
大好きな子供達に挟まれて幸せだなぁ。

なんて、思っていられるのは最初の30分くらいなもん。

いやまじで非常に狭い。

兄弟2人が「なぜその方向に?」という思い思いの方角に寝返りをうち、私は寝返りどころか横になることすら叶わないという状況に陥いることもしばしば……。

そうなると私は(お気に入りの)枕を携えて布団へ。ごめんよ子供達。安眠is king!!!

そうして、疎開を果たした私が布団で寝ていると、朝落ちてくるものがあるのだ。

長男である。

空から落ちてきた長男は、冒頭のように私のことを起こしてくださるというわけだ。



しかし、この日はすこーし、違った。

空から落ちてきた長男は、夫婦のあいだにするりと入り込み、丸まって寝たふりをしだしたのである。

この感じ、懐かしいな。

長男がパパとママのあいだに挟まって眠るなんて一体いつぶりだろうか。きっと彼にとってはこの状況はとても幸せなもののはずなのに、次男が生まれてからというもの、ついぞしていなかったと気付かされた。

弟の誕生に際して、私たちなりに知恵を絞って対応してきたつもりだった。けれど、こういう「些細だけど大切なこと」を他にもたくさん変化させて、今日までを過ごしてきているのだろうなと考えさせられる。

どんどん「聞き分け」のよくなる長男を、成長したね!と評価するのは簡単だ。

その奥にある、理不尽な我慢や、甘えたい気持ちを、必要以上に押し込めないで済むようにしたい。

その一方で、そんな余裕もなく日々に流されていく私がいるのもまた事実で……。



大好きな作品「いつかティファニーで朝食を」のなかで、子持ちのりんちゃんが次男の扱いに頭を悩ませるシーンがあった。

次男の「わがまま」が頭にきて、日々イライラ。そんな時に、夢を見る。

大きく成長した次男が、もう戻らないよ、と去っていく夢。

次男は、ママはママの思ういい子になってほしいだけなんだよね。聞き分けが良くて、わがままを言わなくて、思う通りに動く僕でいてほしいんだよね。と、いって、大人の次男は去っていく……。

いつ見ても、思わず泣きそうになってしまうワンシーン。

毎日のように繰り返されるおもちゃの取り合い、おやつの争奪戦、「お兄ちゃんだから」とは言わないものの2歳差によって自然に生まれる指導の違い……

イライラすることもある。
朝から怒ってしまう日もある。
強くいいすぎてしまう日だってある……。

いいところを見つけて、頑張ったところを見つけて、子供達と接したい。甘えたい気持ちを受け止めて、全力で愛情を伝えていくことくらいしか、私にはできないのだから。

あいだに挟まった長男を撫でながら思う。
「大きくなったなぁ」
「いつまでこんなふうに眠れるんだろう」

感慨に浸っていると、がばっ!と起きた長男が叫んだ。

「ママ!!!起きて!!!もう朝だよ!!!まず身体の布団から出てる部分を起こして!!!」

………。

こどもは元気がいちばん。

今日もきっと私は、2歳と4歳に挟まれて眠るだろう。けれど、彼らが望むのならば、パパとママとで挟む日も、もっと増やしていこう。



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