あまりにわかりやすい「役に立つ古典」で、あなたも自分の限界を越えよう!!! 【読書感想文】
「役に立つ古典」
なんてシンプルなタイトルの本!と興味を惹かれ、「はじめに」を読んだとき、びっくりした。
「転ばぬ先の杖よりも、転んだあとの絆創膏」、
それが古典
私が言いたかったことが、めちゃくちゃわかりやすい書き方で、書かれている……!
ま、ま、まぶしい…………
表現力がまぶしい…………
こんなふうに古典文学の解説書けるようになりたいよぉおおおジタバタジタバタ
よぉーっし、大興奮のままに、感想文をしたためようッ!オーッ!(?)
学びの基本「役に立つ古典」 安田登(NHK出版)
改めて先程の「名言」、少し長くなってしまうのだけれど、私の心情を伝えるべく全体を引用させていただく。
遊び惚けていた高校生(私)にはわからなかった、これは当然です。しかし、そういう高校生に「あとで役に立つから、いま学んでおきなさい」と言ってもダメです。
このような転ばぬ先の杖を与えてくれる人は、それを無視して失敗すると「ほら、だから言ったじゃないか」と言います。それって意地悪でしょ。
古典はそんなことをしません。転んだあとの傷を癒やし、次なる道を示すヒントを与えてくれるために、いつもただそこに「ある」だけです。「転ばぬ先の杖よりも、転んだあとの絆創膏」、それが古典なのです。私たちにとって大事なことは、絆創膏がどこにあるかを知っておくことです。そしてそのためには、古典に一度ざっと目を通しておくこと、それがお勧めです。
はぁ、まぶしい………
いや、そんな私の羨望はさておいて。
言葉でも、教科の勉強でも、古典でも。
私は「なぜ学ぶのか?」という問いには、いつもこう答えている。
「自分のなかの引き出しを増やすため」
こういう時、どうしたらいいんだろう?
どんなふうに言えばいいの?
こんなとき、どんな顔をしたらいいか、わからないの……笑えば、いいと思うよ(こら)
そういうときに、あっ、そうそうって自分の中から引き出してこられる。それが知識。教養。経験。
私自身、学生時代に出会った文学たちが日常でひょっこり顔を出すことが多い。
アッ、これ!そうそう、中学生のとき習った「アレ」を思い出すなぁ。
なーんていう再発見を育児のなかでしているのが、最近書いている「育児×古典」の記事だったりもする。
一度その作品に出会っていたから、「私の中に引き出し」のなかにその知識があり、「アッ」と再会を果たせたわけである。
筆者も自身を「遊び惚けていた高校生(私)」と言っている。
中学生・高校生には、「古典」で出会う文学は「フーン」となって終わりであることも多かろう。
でもだからといって、「古典」は、決して無駄ではない。
「おわりに」にあった、文学研究は「役立たない」っていう話は大学時代もよく俎上に上がった話で、ウンウンとなりながら読んだ。
本書のタイトル、『役に立つ古典』、変でしょ。古典って役に立たないものと相場が決まっています。それを「役に立つ」だなんて自家撞着です。
でもね。逆に考えてみてほしい。
「役に立たない」ものを、じっくり読んで、研究して、自分のなかにしまっておいてるの、めちゃくちゃエモくないですか?
それに、その時は「役立たない」かもしれないけれど、いつかきっと、私たちを助けてくれる!って、私も思ってる。
『論語』「四十にして惑わず」から学ぶ、自分の限界を決めつけない心。
「四十にして惑わず」。
教科書にも載っている有名な一節である。
子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。
(訳)私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知り、六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった。
40歳の「惑」という漢字。
実は孔子の時代には存在せず、あとから「惑」が当てられ、元々は「或」だったのではないか、という話が出てくる。
「或」とは、「区切る」ことを意味する(例「域」「國」 区切られた区域を表す)つまりここは…
「40歳になったら区切ることがなくなった」
40歳くらいともなると、人は自分を区切るーー「限定しがちになる」。自分ができるのはこのくらいまでだ。専門外のことはできない。
区切らないというのは、「色々なことにチャレンジする」こと。そして、「五十にして天命を知る」に繋がるというのである。
すごい。すごい納得。すごい。
本書は「四十にして"区切らず"」の心そのものだ。
漢字や用語を「当時の」形を推察して読み解く過程も、謎解きみたいで面白い。
そしてなにより、説明がめちゃくちゃわかりやすい。まぶしい。すごい。(2回目)
一般的には「役に立たない」古典を、「役に立つ」って銘打たれたら、普段古典を読まない人も「区切らず」手に取るかもしれない。すごい。
教養は人生を彩る。
広い世界をもっと広くしてくれる。
そんなわけで、古典を復習してみたい大人にも、今まさに学んでいる学生さんにも、おすすめの一冊でございます。みんなで限界を越えよう!
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