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女子目線!七宝焼職人のいいところ

こんにちは。
七宝焼窯元・太田七宝六代目satsuki*です。

突然ですが、私の人生の目標は「七宝焼をみんなが知ってる習い事にすること」です。
夢はでっかく!

七宝焼って習い事に向いてると思うんです。陶芸やガラスと違って焼いた結果がすぐ見えるし。
これを読んでくれたみなさんが「七宝焼やりたい!」と思ってもらえるように頑張って書きます。

いいところ①汚れない

職人っていうと、みんな作業着のオジサン想像すると思うんです(偏見)

普段の私を知ってる人は容易に想像つくと思いますが、私の基本装備はワンピースです。割とひらひらのワンピース。

子どもの頃から手が汚れるのとかあんまり好きじゃくて、赤いぼうしのフタののりは、使いにくくても手じゃなくてヘラ使いたいし、絵を描く時は水彩やクレヨンよりも色鉛筆派でした。
そんな私が七宝焼を続けられている理由の一つが「汚れないこと」

私は基本的に小さなアクセサリーしか作っていないので、ほぼ服も手も汚れません。作るものが大きくなるとちょっと事情が変わるけど。

教室の生徒さんも女性が多く、みんなオシャレなお洋服で来るし、ネイルも研磨の時だけ気をつければ全然大丈夫!とっても女性向きな工芸だなぁと始めた時から思ってます。

七宝焼のいいところ② 自由度が高い

七宝焼を検索すると、本当にいろんな作品が出てきます。花瓶から日用品、アクセサリーまで、形も様々、アクセサリーだけ見ても色も形も同じものが生まれない。

2022年春夏新作ペンダントたち


例えば私の作品を見本に、生徒さんが教室で作っても最終的には明らかに違う作品になるんです。

釉薬の厚み、有線なら銀線の曲げ具合、釉薬の色合わせ等にその人の癖が出る。
七宝焼の窯元はいくつかあるけど、それぞれに得手不得手があり、代々受け継いできても親と子では作る作品がまるで違う。だから誰が作ったかは見ればわかるし、完全なコピーを作るのはかなり難しい。

先日、2017年に私が初めて有線七宝に挑戦した作品が出てきました。
当時はすごく上手に出来て大満足だったのに、今見るとまあ酷い出来でした…
試しに同じように作品を作ってみました。

左が2017、右が2022

同じ釉薬、同じ素材を使い、同じ人間が作ったものです。
写真で見ても明らかに違うし、実物はもっと違って見えます。


七宝焼のいいところ③ 作品を贈れる

私の作品を見ると明らかですが、アクセサリーが多いです。というかほぼアクセサリー。

教室でも、やはりアクセサリーを作る生徒さんは多いです。自分用にはもちろん、お友達や家族へのプレゼントに作る方も多いです。手作りって心がこもってるから喜ばれるし、実際、すごく手間をかけるので贈る側としてもいろんなこだわりを詰め込める。
「七宝焼だぞ」って言うと高そうだし!(これ大事)

私も父と祖父に家紋のカフスを贈りました。



ここまでいい所ばっかり紹介してみましたが、何事もいい所があれば悪い所もあります。
七宝焼をやっている人にあるあるなのは、お金がかかる割に利益が少ないとか、窯の置き場に困るとか、道具が特殊で手作りしなきゃいけないとかが欠点かなと思いますが、今回女子目線でお伝えしたいのは手荒れ問題

それは自分のケア次第だろと思ったあなた!

それもある。
私は割とズボラ女子だから。

でも本当に、SE時代と比べて圧倒的に手荒れがひどい。

写真の時は光当てるとちょっと誤魔化せる

七宝焼の工程って油分NGが多いんです。
素地も、1回目焼き終わって2回目差す時も、研磨の時も、油分が付くと焼き上がりの色が変わってしまう。
なので、ハンドクリームとか使えなくて、手は常にナチュラルな状態で作業するのでいつもボロボロ。

ズボラな私も研磨しまくってたら手がカッサカサになってきて、さすがにやばいと思って冬は夜寝る前に手袋してました。朝になると取れてるけどしないよりマシです。きっと。
夏は無理です。たぶん寝る前に取っちゃう。

まあ手荒れするほど仕事するのは本当に職人になる人だけで、定期教室くらいであれば研磨の時だけケアすれば大丈夫な程度です。

七宝焼はやればやるほど奥深い魅力のある工芸で、私もこの業界へ飛び込んでこの夏で5年になりますが(早い…!)
まだまだ思い通りに行かないときもあるし、挑戦したいこともどんどん溢れてきます。

この面白さを1人でも多くの人にお伝えできるよう、日々努力していきます。

太田七宝では、初めての方から職人や作家を目指す方向けの教室を常に開講しています。

ご興味がありましたらお問い合わせください!

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