人口300人の島の暮らしにときめくインタビュー
田舎は給食当番がすぐ回ってくる。
同級生は14人しかいない。給食当番は7人ずつ。だから私は隔週給食当番だった。
アイロンがけをしながら、隔週給食当番の白衣にアイロンをかけていた母を思い出した。
給食当番なんて、その時確かにそこに存在していないとわからない、外からは知る由もないような話。
人口300人の島で育った方にインタビューをさせてもらって、まさにそういう生きた言葉に出会えてうれしくなったのであとがきのような感想のようなことをしたためました。
人口300人の島
先日、東京都御蔵島村出身の方の話を聞かせてもらった。参加している無名人インタビューの一貫ではあるけれど、インタビューをした、というより、御蔵島の暮らしについて知りたいことを質問し、ただ教えてもらった感覚だった。
※記事はこちら。(前後編です)
後編!
体系的にまとめられた情報ではなくて島暮らしの感覚的な部分をお裾分けするような記事なので、離島に興味ある人に届いたらいいなと思います。
(提供写真がいい味だしてます)
御蔵島は、移ろいゆくものを資源にする生命力にあふれた暮らしが営まれている場所。
田舎と呼ばれる場所に行けば行くほどそういう暮らしに近づいていくのかもしれないけれど、それは持続可能性、などという生易しいものではなくて、生きることを持続させていくことそのもので、
食べ物も、観光資源も、移り変わりゆく自然と共にある。
そんな暮らしなんじゃないかなとインタビューを通して想像しました。
魚の種類を知る人、山菜の種類を知る人
とはいえ私自身もかなり田舎に生まれていて、周りみんなが知り合い(顔見知りというレベルではない)という状況は想像の範疇ではあったから、面白いなぁ、と思ったのはお魚の話。
さくさん(インタビュイーの方)、一瞬も迷わずお魚の種類を言ってくださるんですよね。メモが追いつかないくらいに。
山育ちの私には初めましての魚もある。
さくさんにとっての魚は、私にとっては裏の山でとれる山菜なのかもしれないと思った。
そこで初めて、ああ、この人は、私とは全然違うところで育ったんだ、とわかる。私の世界とさくさんの世界がつながった。
お祭りの話も、後編に出てくる恋愛や結婚の話も、Google検索ではなかなか知れないことを聞かせてもらったことで、島暮らしのリアルが少しずつみえてきた。
その人にしか意味がなさそうなことは魅力的
御蔵島は、人口が300人しかいなくて、イルカがみられる島。
そういう誰にとっても正しい事実である点と点をつないで、島での暮らしを想像させるのは、決して歴史の教科書には載ることのない生きた言葉だと思った。
給食当番と同じ。確かにその人の生活にとっての事実だけど、わざわざ記録されない言葉たち。
本人以外にとっては意味がないかもしれない、極端にいえば本人以外にとっては嘘かもしれない、そういう言葉にときめいてしまうから、私はインタビューし続けているんだと思う。
ちなみに、御蔵島インタビュー、アフタートークあります!
ときめく言葉探し、一緒にしませんか?
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