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ビー玉。


写真の中のわたしは

紛れもなくわたしだけど

あの頃よりオトナになって

記憶の中の君の隣に

並んでみても

お似合いとはいえない



鏡の中のわたしは

幸せそうなときも

そうじゃないときもあって

記憶の中の君も

笑顔のときと

泣き顔のときがあるんだ



ラムネの中のビー玉みたい

伝えたいのに言えなくて

転がることもできなかった

ぶつかって傷つくのが

こわかったの




改札を通ったわたしは

昨日とは違う電車にだって

乗れるようになったけど

記憶の中の君が最後に乗った

あの電車だけはなんとなく

まだ乗りたくない




今日のわたしは

昨日のわたしと似てるけど

きっと少しずつ違っていて

記憶の中の君は

どれだけ時が経っても

あの頃のままだよ




ラムネとビー玉みたいに

記憶の中の君と

歳を重ねていたかった

ぶつかって傷つけあって

滑稽なほど輝けばよかった




ラムネに閉じ込められた

ビー玉みたいに

時々カラカラ泣いてる




記憶の中でさえ

わたしは君と

見つめ合えない




転がってぶつかって色褪せて

透明になりたかった




輪郭も境界も

わからなくなるほど

愛していたの






flag *** hana


今日もありがとうございます♡




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