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女性が苦手なひきこもり女の話

彼氏から「引きこもり女子会」なるものがあることを聞いた。

私はかろうじて働いてはいるが(出勤は週2~3日)、外出するのは仕事と通院と彼氏との買い物と外食のみ。
外界が怖く一人で外出ができないため、通院時は親が送迎してくれ、彼氏の家に行くのにもほぼ彼氏が送迎してくれる。
放っておけばいつまでも実家の部屋に閉じこもり、調子が悪ければ食事の時間すら部屋から出てこない、引きこもりの才能あふれる私である。
遊びに誘ってくるような友達も皆無なため、コロナ関係なく年がら年中自主的に外出自粛の生活をしている。

一人で外出できればいいなと思わないこともないが、残念ながら私の趣味は家でひとりで黙々とこなすものばかりである。
例えば、絵を描くこと、音楽鑑賞、お茶やコーヒーを淹れること、エレクトーンを弾くこと、ネットサーフィンなど。
彼氏に「君は一人遊びしかしないのか。二人で遊べる趣味がなさすぎる。俺と遊ぶ気はないのか」と言われてハッとしたが、ゲームも苦手だし、お酒も飲めないし、お出かけデートよりお家デートでまったりしたい派だし、You Tubeの趣味も彼氏とは壊滅的に合わない。映画も然り。

小学生の頃は友達とキックベースをしたり、スマッシュブラザーズをしたり、マリオカートをしたりしていたのに……。
などと思いを馳せてみたが、中学時代はオフの日に友達と遊んだりしなかった(そもそも友達が二人しかいなかった)。
高校時代は5,6人でカラオケやボーリングに行ったり、ファミレスやマックで勉強と称しながらひたすらくっちゃべっていた。が、これはなにかの手違いだと思うくらいには私の人生では異色の思い出だ。
大学時代はたまに友達と学校の近くのカラオケに行ったり、春夏冬にサークルの飲み会に参加したり、月に何度か所属サークルのボランティア活動に行ったりと、勉強のこともあり、友達と遊ぶ時間はそんなになかった。
思い出すとシッチャカメッチャカだな……。
ウェイってた高校時代は自分で振り返っても異質な時間だが、基本的には人と群れずに自分の時間を大事にするタイプだったので、なるべくして一人遊びのプロになっていた。

さて、そんなこんなで、引きこもりといってもこれといって危機感を覚えていなかったりする。
人との出会いも今は必要ないかな。
そもそも人間関係を維持する精神的余裕がないので、病院では如何に波風立てずに職場でのらりくらりするかの作戦会議をしている。

そして、私には「引きこもり女子会」に参加する気になれない大きな要因がある。

私は女性が苦手だ。

同性である女性と相容れないまま大人になってしまった。

女性が苦手な要因はいくつかある。
・「スポブラしてるー!」と人前で大声で言ってきた小学校の同級生
・年下のかわいい子を「ぶりっ子」と総叩きにしていた(小学生なのに!)
・大人が手を出せないほど、女子たちのいじめ方が陰湿だった
・すぐに群れる
・陰口がすごい
・語気が強い
・友達だと思っていた子が病んで異性の友達をストーカーしていた
・私が付き合っていた人を狙っていたことを目の前で言ってきた
・目の前で「あの子が嫌い」「一緒に遊びたくない」と言ってくる
・自分の彼氏の目の前で私の彼氏にボディータッチをした女がいたらしい
・下ネタがエグい
・聞いてもないのに自分が不倫をしていることを言ってくる
・聞いてもないのに彼氏との馴れ初めを赤裸々に生々しく伝えてくる
・こちらの都合も聞かずに夜中にマウンティング長電話してくる
・私に彼氏がいることを知っているのに「動かないと出会いはないよ!(ドヤァ」してきた

なんかもう、小学生の頃から嫌なことが積み重なったせいで、女性に対して不信感と恐怖感しか抱かなくなった。
私が男性だったら気づかないことも多かっただろうが、同性だから嫌でも目に入ってしまったものばかりだった。

何がつらかったかって、友達が私の異性の友人に好意を持ったまではいいが、友人から「ストーカー行為をされているから俺の情報を聞かれても答えないでくれ」と言われたことだ。
その後、件のストーカーをしていた子と大学生になって再会した時には私の高校時代の彼氏のことが好きだったと告白された。もう意味がわからなかった。私の友達をストーカーしていたのに?私の彼氏のことが好きだったの?どういうこと?
その後、その子は大学を卒業して地元に戻った私の勤め先に探りを入れ始めた。
朝の5時にLINEの通知が来ていたこともあったし、SNSの投稿から勤め先を特定しようとしている旨が長文LINEで送られてくることもあった。

なんかもう、嫌なんですよ、こういう人たちと交流を持つのが。
私の人運がないだけかもしれないけど、数少ない仲良くなれた人たちがこんな人たちだったから信じたくても信じられないんです。

「女子会」という文字が、もう私にはまがまがしいものに見えて仕方ない。
女の人がたくさん集まると考えるとゾッとしてしまうし、身構えてしまう。

友達がいないとか、ひきこもりだとか、持病のうつだとかは百歩譲ってどうでもいい部類に分けられるが、「女性が苦手」というのはもうどうしようもない。
全員避けるわけにもいかないし、世界人口の半分は女性だし。
何より「女性が苦手」ということを言うと「信じられない!」という反応をされると同時に「男好き」とか「ビッチ」とか「女を敵に回した」とかレッテルを貼られるのが嫌だ。
別にビッチじゃないし、男性に色目を使ったり、気に入られようとぶりっ子したりするわけでもない。合コンにも行ったことがないし、バーにも行ったことがない。大学時代は暗くなる前に家に帰ることを彼氏と約束していたので、サークルの飲み会以外は家でひっそりしていた。
なんなら女性相手の方がよっぽどぶりっ子をしているくらいある。女性とは言葉を交わすことすらとても緊張するので、変な言葉遣いをしていないかピリピリしているし、声もうわずってしまう。

女性が「男性が苦手だ」というのは当たり前に受け取られるのに、なぜ女性が「女性が苦手だ」というのは冷たい目で見られるのだろうか。

苦手になりたくてなったわけじゃないのに。


いつかこの苦手が克服できたらいいな……。


追記
男性との関係はスマブラみたいにひと試合完結型なイメージ。仕事なら仕事だけ、友人関係でもその日その日で新しいゲームが始まるイメージ。
反対に女性は終わりのないRPGのイメージ。一度関係を持つと、仕事もプライベートも同じ物語の上を進んで、区切りがないイメージ。時々選択を間違えて死ぬ。
私はコミュニケーションが苦手なうえに、あまり事細かに物事を覚えていないので、「続きから」は苦手だったりする。
日にちをおくと事の詳細を忘れてしまうため、「先週の件だけど……」じゃポカンとしてしまう。先週のどの件でしょうか……。

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