見出し画像

「文化財保護活動 Film Salvage Japan」設立します

昔、映画の世界に関わっていましたが、今は映像の仕事をやっており、「映画」の世界はその道の本職の方が取り組むもので自分のようなその世界から離れてしまったものが取り組むのは本職の方に失礼という想いがありました。note第1話に映画界から離れた経緯を書きました。

最近取り組んでいるテレシネ事業で改めてフィルムの事を勉強したら、驚くべき現状が見えてきました。
 そして、映画界に違った形で参加していく予定です…

大正時代から昭和40年代までとてつもない数の良質な映像がフィルムで作られているのです。
画質でいうと現代の方が圧倒的に良いのですが、フィルム時代は「本職」の方が作っているから画作り、構成、演出、編集は抜群に良い
申し訳ないが、映像制作本数でいうとYOUTUBEが多い現代は「本質的な」映像のクオリティは雑多で、玉石混合。
 そして、映像のフォーマットは残酷な事に移ろいで行くもの。VHSが観られない世界中の人がVHSビデオテープを捨てていく。
 フィルムはもっと激しくジャンク(破棄)されている。
先人たちの情熱であるフィルム作品だとしても受け継いだ現代の方はそのフィルムの中身がどんな映像かを確認する事さえできない。中身がわからないバカでかいフィルムは捨てるしかない。
 

画像1

8mmフィルムは昭和30年代から民間に浸透したフォーマットである。
8mmについてはsingle8形式のフィルムを開発した富士フィルムがテレシネサービスを行っているし、格安のテレシネ機械も販売されているので、恵まれた環境にある。
 問題は35、16というプロフェッショナルフォーマットと9.5㎜というすでに映写やテレシネもままならないフィルムである。

35㎜はテレシネが非常に高価で映画会社や制作会社でさえもマネタイズの出口が見えず、テレシネ費用が捻出できない場合が多い。
また、16㎜も同様でプロたちが作ったものがデジタル社会である現代に陽の目を見る事ができない。

9.5㎜はフランスのメーカー「パテ社」が開発したものの戦後に破綻。
他のフィルムと違い上映もテレシネもできない。大正時代から戦前まで世界中で制作されたフィルムフォーマットである。


調べれば調べるほど、日本が誇る映画(映像)文化が失われていく状況が見えてきた。
 弊社ではテレシネをビジネスにする予定で35㎜から9.5㎜までテレシネできるスタジオをつくっています。

そこで思うところあって社会活動に舵を切る事になりました。

何人かの映画人と話して構想ができ、やっと名前が決まりました。

文化財 保護活動 Film Salvage Japan

「日本のフィルムを1本でも多く救いたい」をキャッチコピーに9.5㎜を中心にデジタル化していきます(所有者が権利を開放してもらえれば無償)

社内・映画関係者ともっと煮詰めて活動を開始します。

株式会社汎企画 汎企画 代表取締役 香月達行

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?