ラ・ジュテ 12モンキーズに影響を与えた映画

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俺の生まれる前のモノクロ映画。
写真とモノローグだけで物語が進む短編映画。
何も情報を入れないで観始めたのだけど、思った以上に引き込まれた。

空港で見かけた女性が子供の頃の主人公に脳裏に深く刻み込まれる。
何故なら、それは平和の日常の最後の一コマだったから。
その直後、世界は第三次世界大戦になり、主人公は収容所へ送られる。
収容所は何かの実験に使われているようで、人々は実験で命を落としていく。
主人公は大人になるまで生き残ることが出来たが、遂に実験の対象になる。
その実験は過去の幸せな時代に戻り、この戦争を止めることだった。
主人公は適正があり、過去へ飛ぶことが出来た。
そこで空港で見た女性と出会う。
主人公は、彼女を愛し、何とか世界を救おうとする。

空港ではじまり。空港で終わる。
映画12モンキーズと同じ、というか、プロットも同じである。
細部と尺が違うだけでラ・ジュテを現代版にしたような感じだった。
調べてみると、12モンキーズは、かなり影響を受けて作られた映画らしい。

あらためて観ると、静止画とナレーションなのは、未来の描写が安っぽくならないためだと気付く。
当時の技術だと、どうしても稚拙になるから、出来るだけ「フィクションの中の事実」だけ見せているんだなと。、
フランスの象徴凱旋門が崩れている写真も動画で撮るよりも、崩れた事実だけを見せられるほうがリアルなんだよね。
現代、過去、未来も写真とナレーションだけで淡々と語られるほうが、冷たい銃口を額に突き付けられている感じがして緊張感がある。

吹き替え版の語りは大塚明夫さんなので、こういうアーティスティックな感じはどうも苦手という人も最後まで聞けると思うので是非観て欲しい。

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