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人生の通過点にある音楽

特定の曲を聴くと「あの時よく聴いていたな」そう思うことある。

楽しかった時聴いていた曲
悲しかった時聴いていた曲
通勤や通学で聴いていた曲
ガラケーで設定していた曲 etc.

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同じ曲でも人によってはポジティブになったり、ネガティブになったりと本当に人生って人の数だけ物語あって面白いなと思う。

今から紹介する私の記憶に残っている曲は、あなたにとってどんな思いがあるのだろうか。

◆◆◆

小学校低学年の頃、父と母、兄・姉・私・妹の6人で近所の「GEO」を頻繁に利用していた。

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私はお店に入ると一直線に漫画コーナーへと向かい、異質な表紙で目に留まった「多重人格探偵サイコ」というグロテスクな漫画をいつも読んでいた。
イラスト集をみているような感覚で、ストーリーは全く理解していなかったけれど、不思議と引き込まれるものがあった。

その漫画を読んでいる時に店内でよく流れていたのが
【ポルノグラフィティ - アゲハ蝶】だった。

歌詞は置いといて、異国を思わせるようなアゲハ蝶の曲調と非日常なグロテスクの描写が妙に合っているように思え、イラストに挿入歌をつけた想像をしながら夢中になった覚えがある。
そんなことを繰り返していたからか、本来そんな曲ではないのに大人になった今でもサイコスリラーを彷彿とさせる一曲となってしまった。


実はGEOでの思い出の曲はこれだけではない。あと1曲ある。
流れはさっきと同じで、家族とGEOに向かい漫画コーナーへ。
その時は「多重人格探偵サイコ」を読んだあと、子供らしく絵本の「ノンタン」を読んでいた。ジャンルのふり幅に違和感しかない。

しばらく読んでいるとふと思った。

「家族が呼びに来ないぞ・・・」

いつもなら漫画を読んでいると家族の誰かしらが呼びに来るのだが、待てど暮らせど来なかった。ならばこちらから向かおう。

「おか~~~~~~~~さ~ん」

「おと~~~~~~~~さ~ん」

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店内で叫びまくったが返事が無い。

迷子の私をよそにアップテンポな曲調で、”だから~好きだと言って、天使になって、そして笑ってもう一度~せつない胸に波音が~打ちよせる~♪”と【桑田佳祐 - 波乗りジョニー】が不安に追い打ちをかける。
焦り過ぎて、いつも流れている曲なのに明るい曲調だからか余計に取り残されたような気分になる。

いや、実際店に取り残されてるんだけど。

そのまま大声を出しているとお姉さん店員さんが声をかけてきたので、電話番号を教えるとスタッフルームで待つことになった。

しばらくボーっとしていると家のしきたりを思い出した。

あれ?点呼は?

そう。私の家族は、4人兄弟ということもあり外出先から車に乗り込んだあと「1!」「2!」「3!」「4!」と生まれた順番で点呼をとる習慣があるのだ。しかも自分は3番で後ろにまだ妹がいるはず。
でも私がこうして置いてけぼりを食らっているということは、妹はきっと「4!」と言ったのだろう。一体何のための点呼なんだ。

ー・・・そんなことを考えていると母が迎えに来た。


「ごめんごめん、気づかなくて置いてきちゃった~(笑)」

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案の定忘れられていたようだった。
家族は家についても私がどこかに隠れていると思っていたようで、店員さんから電話がくるまで気づかなかったらしい。私は忍びではない。

そんなこんなで、波乗りジョニーをBGMにGEOでの置いてけぼり事件が胸に刻まれたのだった。なんならノンタンを見ても当時を思い出す。

◆◆◆

私は普段過去の出来事や記念日といったものを忘れやすい性格なのだが(最低)、そんな自分でも当時聴いていた音楽を聴くと鮮明に思い出したり、覚えていられることがある。

今回の事も出来事と音楽のセットで覚えていたのでGEOで音楽が流れてなかったら覚えているか分からない。人と思い出話をしていると「え!あんな大きい事忘れたの?!」なんてこともあるくらいだし。

現に数年前の楽しかった頃の思い出すら今では具体的に思い出せなかったりする。GEOの思い出より新しいのに(笑)

ひとつひとつの思い出と一緒に音楽も覚えておきたいものだ。

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