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ブランドマネージャー必見!世界で2000万個を売り上げる「iFace」のブランドチームがやっている7つのこと

2020年のスマホケースブランド人気No.1 ※を獲得した「iFace(アイフェイス)」(※ブランドイメージを聞いたインターネット調査での結果です。詳しくはこちら)。耐衝撃性とデザイン性を両立したスマホケースとして口コミで広まりました。2020年12月時点で世界累計販売数2,000万個超の大人気ブランドに成長しています。

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みなさんも一度は目にしているか、いつのまにかご購入いただいているかもしれません。

その「iFace」のブランドチームには、実は最近まで「マーケター」という肩書の人がいませんでした。全員が意見を出し合い、各役割の視点でデザインアイデアを出し、さまざまなタッチポイントから顧客の声を吸い上げる。そんなちょっと特殊なブランドチームだからこそ、No.1をとれたのかもしれない。

これまで5部署を渡り歩きながらiFaceブランドをずっと見てきた僕、高橋が、iFaceブランドチームで実践する「7つのこと」をまとめました。ブランドづくりに関わっている人なら、え!?と驚くことも、うんうん、と共感することもあるかもしれません。そんな方々にとって、なにかの励みやひらめきになったら嬉しいです。

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1.リスクをとってでも、年間300SKU

iFace」は、ロフトやヴィレッジヴァンガード、スマホショップなどで、約100種類のデザインを展開するスマホケースブランドです。

ディズニーやポケモンなど人気のキャラクターものから、シンプルなカラーまで幅広いデザインがあり、かつ、多くのスマホ機種に対応しているブランドも珍しく、お客様が自分にあった欲しいケースを見つけられるだけのボリュームがあることも強みです。

常に新機種が生まれているスマートフォン業界では、とにかく鮮度高くプロダクトリリースを維持することが大切。1ヶ月に約3〜5シリーズの新商品をコンスタントにリリースし、年間約300SKU(ストック・キーピング・ユニット=商品の種類数)を生産しています。

もちろん、そのために、この機種でこの柄をこの幅で展開していく、あるいは、戦略的にこの時期に廃止するといった、おおまかな年間計画を立てています。管理部門も見える化し、リスクをできるだけ軽減しながら、とにかくSKUを拡大しています。

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2.あえて未完成で

スマホは、現代の生活の中で、一番人との距離が近いモノのひとつ。だからこそ、スマホケースは自分を表現するファッションでもあり、相棒のような存在です。

iFaceチームでは、「By Your Side」というコンセプトを掲げ、顧客が好きなようにカスタマイズできる、余白を意識しています。

特に、強化ガラスを使った「Reflection(リフレクション)」というタイプは、耐衝撃性がありながらも、他の素材にはないガラスの透明感により、背面にステッカーやカードを挟んだり、スマートフォンそのものを見せることもできるため、とても人気です。

買っていただいたお客さんが自分らしくカスタマイズしてこそ、プロダクトが完成する。その瞬間までをイメージしてプロダクトをつくっています。

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3.ターゲットは年齢より価値観

ターゲットというと、年齢や男女などのパーソナルセグメントで分けて考えていくのが普通ですよね。
でも、iFaceはすでに老若男女どんな人にも使っていただいているという現状がある。だから、逆に表面的なパーソナリティーでお客さんを絞り込むのはやめました。

よりリアルに考えられたのは、どういう価値観を持っている人なのか、というところ。
そこで出てきたのは、「なにかに一生懸命な人」という顧客像でした。アートでもスポーツでも、クリエイティブにアクティブに活動する「なにかに一生懸命な人」を応援する。それがiFaceの「ターゲット」です。

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4.全員マーケター

先程紹介した強化ガラスの「Reflection」は、年に120万個ほども売り上げる、大ヒット商品になりました。どんなマーケティングを仕掛けたの?とよく聞かれるのですが、そもそもこれまでのiFaceブランドチームにはマーケティングというものを専任でやる人がいなかったのです。

たとえば、
販売部が「店頭でこんな商品の売れ行きがいい」という意見を出し、
EC店舗担当者が「レビューでこういう声が多い」という意見を持ち込み、
PR担当が「SNSのDMでこんな質問を受けた」という報告をし、
CS担当から「電話問い合わせの中でこんな要望があった」という話をする。

各部署に顧客の声を拾える場がある。拾った声をどうすべきか、ということを会議で話し合います。これが私たちがずっと積み上げてきた「マーケティング」です。

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5.全員デザイナー

事業部には、部署として「商品開発部」もあるのですが、毎週、「商品共有会」という会議があり、その中で企画進行中の商品に対して、アイデアや提案を聴きます。

アイデアはオープンなので、どの部署にいようと、プロダクトデザインに対して口出しできるんです。だからこそ、販売部が売るとき、PR担当がSNSに投稿するとき、そんな節々で全員が「自分ごと」として愛を持ってプロダクトを世に送り出すことができるんだと思います。

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6.戦略はつくらない

こうやって多くの意見を吸い上げながら、とにかく多くのSKUをリリースし、世の中に投げてみてあたったものを膨らませる、という積み上げでやってきました。

ブランドマネージャーやマーケターなどによる、トップダウンを避け、チームの連携を前提としているんです。チーム全員のコンセンサスでものごとを決めていくということは、スピーディーにやりたいと思ったときにも、引っ張られやすい。

それでも、いわゆるマーケティングメソッドに当てはめてトップダウンでやるのではなく、フィードバックの方法や、部署間のコラボレーションの方法にこそ、デザイン・シンキングなどのメソッドをいれて改善していっています。

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7.お金より愛

こうやって、コンセンサス型のブランド運営をやっているおかげか、関わる社員それぞれが、プロダクトやブランドへ、ものすごく愛着があります。

もはや、お金のため、といった損得勘定ではない。「いいものを顧客に届けたい」と、綺麗事ではなく、自然と思ってブランドをつくっているんです。

でもそれぞれ向き合っている相手や壁が少しずつ違うので、当然意見はわかれます。だからこそ、色々な部署のあいだに立つ僕は、多方面からの風当たりが強いです(笑)。

そういうときにも、「売れるかどうか」というお金のことだけではなく、「こうあるべき」という意志を、みんなですり合わせていくことを大切にしています。


No.1をとったからこそ、変わる

これら、7つの項目にもあげてきたように、僕らは企業としては少し特殊なやり方でブランドを運営してきて、昨年、スマホケース人気No.1という冠もいただきました。

でも、これまでのやり方がすべて正解とは思っていません。当たり前ですが、すべてがコンセンサス型ではスピードが落ちてしまうなど、やっぱりいいところと悪いところがあります。
「ブランドマネージャー必見」とかタイトルに書いておいてすみません。ビジネスに正解はないと思っています。

そこで、マーケター不在でやってきたチームで、昨年5月からまったく経験のない僕が手探りでマーケティングのチームをつくりました。改めて、これまでやってきたことを、いわゆるマーケティングのフレームを通して見直してみると、知らず知らずのうちに自然にやってきたこともありました。一方、どういう改善ポイントがあるのか、どういう未来を描いていくべきなのか、ということも見えてきました。

さあ、iFaceのチームは、どう変わっていくのか。

半年後くらいに、続編を書けるようにがんばります(笑)!


iFaceのブランドチームには、インハウスデザイナーもいます!
デザイナーへのインタビューはこちら!ぜひご覧ください!

自己紹介_Hamee