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僕と物欲と環境問題と

環境問題は人類にとって解決しなければならない大きな課題のひとつです。一方、僕自身は東京に住み、現代文明の恩恵を受けて生活しています。毎月のように飛行機に乗り、Uberもよく使います。そんな自分が自社サービスにおいては環境問題を語るというのは大きな矛盾を感じます。まさに、“マーケティングの為の環境問題”にならないかと。そこで、嘘偽りなく、等身大でこの問題に向き合っていく事に決めました。

最高のモノを選べば物欲が減った話

環境問題を考える時に、一番向き合わねばならないのは人の物欲です。モノそのもが悪いのではなく、大量消費・大量廃棄が課題です。僕も以前は異常な程物欲があり、部屋中モノで溢れかえっていました。そんな時先輩にもらったアドバイスは「最高なモノを先に無理してでも買えば、逆に出費は減るよ」というものでした。それを機に自分にとって最高なモノとは何かを考えるようになり、生活に大きな変化をもたらしました。

例えば、最後に買った椅子はジャンヌレのチェア。70年くらい前の椅子で今も大事に使われています。それまで何度も買い替えてましたが、この椅子に出会ってからは他の椅子への物欲はなくなりました。

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こういう感じで、ひとつひとつ最高なものは何?を考えるように。それは何も、高いものを選ぶという事ではありません。例えばペンは220円のプルマンが最高だと思ってますし、ノートはモレスキンと決めてます。消耗品も決めてないと、ちょっとかわいいペンを見つけたら、2つ3つと増えていってしまいませんか?

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自分なりの“最高”を見つけて、“使わないものを無くす”事が重要だと思うのです。そんな感じでどんどん物欲が減っていきましたが、反して生活は充実していきました。

僕の考える環境問題とホテルづくり

ホテルづくりはその自分の価値観をベースに考えています。建築は素材がエコとか工法がという話だけではなく、建築家と最高の空間をつくり、何十年も愛されるものをつくりたいと思っています。フランク・ロイド・ライトの名建築、落水荘は、滝の上に建てられた建物。1936年に造られ、今でも多くの人々が訪れるアートのような存在になっています。構造はRC造で決して環境に良いものではありませんが、自然に溶け込む有機的建築は、何度も建て替えられるものよりもずっと自然と共生するもののように感じます。

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ホテルのアメニティも同じです。例えば歯ブラシはプラスチック製でほとんどの方が捨てて帰るはずです。そこで最近は木製のものが増えてきたりもしていますが、それでも“捨てられる前提のモノ”になっています。やっぱり歯ブラシはプラスチックの方が衛生面も使い勝手もいいので、僕は“使い続けたいと思える”プラスチックの歯ブラシをホテルで提供したいと思っています。また、NOT A HOTELで使う繊維類の多くはプラスチックゴミを再利用したものですが、これはポリエステルの優れた機能性や耐久性が前提にあります。どんなにエコな素材でも、捨てられるものや、耐久性のないものは自分達の価値観に合ったものとは言えません。最新のテクノロジーも取り入れながらモノづくりをしていく事で、最高なものをつくる=長く使ってもらえる=大量消費・大量廃棄ではない世界をつくる事を結果的に生み出す事がNOT A  HOTELらしい環境問題への向き合い方かなと考えています。もちろんこれが正解とは思っていませんし、もっと進化できると思っています。ただ、環境問題ありきではなく、等身大で会社の利益やコンセプトとその解決策の結びつきこそがサステナブルな取り組みになると信じています。


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NOT A HOTEL株式会社 代表取締役。 アラタナ(現ZOZO)創業者。2015年、ZOZOにM&Aされグループ入り。ZOZOテクノロジーズ取締役を務めた後、2020年4月1日、NOT A HOTEL株式会社を設立。1983年宮崎生まれ。
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