学校の授業で使えるWebサービス
1人1台端末を早期に導入した私立中学校で勤務していました。これから始まる公立校での1人1台端末計画(GIGAスクール)に携わりたいと考えて、今年度から公立高校に転職しました。赴任先は、1年早く1人1台端末を開始する、いわば実証実験校で、色々と活用に取り組んでいるところです。
今回はこれまでに知った、授業で使える無料のICTツールを共有します。といっても、基本的にそんなかわったものはありません。要は、変わったアプリより普通のアプリを使う方がうまくいくということです。
①文書作成(Word、Googleドキュメント、Pages)
レポートなどの文書を作るサービスです。Web版はいずれも無料。
Googleドキュメントはオンラインで共同編集することを最初から意図して作られたサービスなので、グループでチームレポートを作成する場合にオススメです。リンクを共有するだけですぐに共同編集ができます。
もちろんWordやPagesでも同様ですが、共有がメインに据えられていて操作に迷わないのはGoogleドキュメントだなと思います。慣れればどれでも同じですが。
一方で機能面ではWordがダントツ。Pagesは美しい文書を作れる反面、Apple製品以外で開くのが結構面倒です。iCloud(Appleアカウントは無料作成可能)にアップロードしていれば、iCloudから入ればWeb版のPagesを無料で利用できます。
②スライド作成(PowerPoint、Googleスライド、Keynote、Canva)
①のスライドverです。プレゼンテーションやポスターを作る場合に使います。
CanvaはWebサービスで、とてもおしゃれなスライドをサクッと作れます。PowerPointにも画像や文章を自動でおしゃれに配列する「PowerPoint デザイナー」(デザインアイデア)の機能がありますが、質はCanvaのほうが圧倒的です。前任校の生徒の間で広まっていて、教えてもらいました。
③アンケート・課題提出フォーム作成(Forms、Googleフォーム)
アンケートや課題提出のフォームをすぐに作れるサービス。Googleフォームが先駆者で、機能面でも優れています。
ただし、Microsoft 365を主として運用している場合はFormsを使う方がよいでしょう。(校内アカウントのみアクセスを許す等ができるため)
課題提出(写真やファイルを添付させる)のためには、Microsoft 365やGoogle Workspaceのアカウントの取得・ログインが必要です。これができると、紙で提出させるより管理もチェックもかなり楽なのでおすすめです。
④Webサイト作成(Googleサイト+Googleドライブ)
授業の教材を共有したり、課題提出のフォームを載せたりするのに使います。TeamsやGoogle Classroomを使用している場合は、特に必要ないかもしれません。
また生徒にポートフォリオを作成させることもできます。もちろん外部からの検索にかからないようにする設定もできます。
⑤フリー画像の検索 O-DAN
スライドを作るときなどに使います。
⑥ノートテイキング(OneNote)
iPadでは「GoodNotes5」というアプリがありますが、有料です。
evernoteなど似たサービスがありますが使ったことがないので、ここではOneNoteのみ紹介します。
手書き、テキスト入力のほか、図形、動画や画像やWebページの挿入もでき、非常に便利です。
⑦授業中の意見集約やグループワーク(Google Jamboard、Padlet)
Jamboardはホワイトボードの共有アプリ。
Padletはつい先日知った、ブレストのためのツールです。こちらは無料かつホスト以外はアカウントもアプリも不要。非常に便利です。
⑧ビデオ会議(Zoom、Google Meet、Teams、Webex)
Zoomが一番使いやすいなという印象。
⑨その他(YouTube、RESERVA、QRコード作成、Post-It)
YouTubeは言わずと知れた動画共有サイト。限定公開も可能。
RESERVAは無料の予約サイト。面談の日程決定が自動化できます。
QRコード作成はそのまんまのサイトです。Webページの場合、Google Chromeではアドレスバーをクリックすると、右側にQRコードを自動作成するアイコンが出てきます。ただそれではうまくいかない場合(Googleマップの任意の点のリンクを共有したい、ファイルのリンクを共有したい等)はこちらで作成します。
Post-Itは、付箋を写真に撮ってグループ化するアプリです(iOS、Android)。付箋を上から撮ると、自動で認識して取り込んでくれます。グループ化も可能。色のついた正方形の紙は全て認識してくれるので、手書きの感想を集めたい場合に、色のついた紙に正方形の枠をプリントして配り、一気に写真に撮って取り込むことも可能です。(とはいえ、それをするなら各自に写真に撮ってもらって、Formsなどで集めるとか、一気にスキャンするとかのほうが早い気はしますが)
Point 大人が使っているアプリを普通に使う
大人が使っているサービスをそのまま使うのが一番です。下手にかわったアプリを使っても汎用性が低く、長続きしません。
このほかにもムービーを作る、SNSで発信する、電子書籍を作成するなど色々な場面がありますが、そうした趣味的な用途の場合は、無料のアプリが山ほどあるのでそれらを使えばよいでしょう。
全般的に言えるのは、教員が知っているサービスを紹介するのも大事ですが、生徒が発見した神アプリを紹介してもらって使うのも有効だということです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?