見出し画像

未来が大丈夫だと信じることができたら

屋久島を旅してきた。

目指すは樹齢2000年から7000年といわれる縄文杉を見に行くこと。

1月には石垣島へ行き、寂しくて人恋しくて「私やっぱり都会が好き」と騒いで帰ってきたわけだが、今回は寂しくならなかった。後で調べてみたら、屋久島の方が石垣島より人口がずっと少ない。不思議だ。

「森の中に無数の生き物が住んでいる…」という感覚があったからかもしれない。むしろ「どうもどうも、お邪魔します〜」と、目に見えない大勢の存在をかき分ける気持ちで各地を歩いた。

お猿さんがいっぱいいた。


石垣島が寂しかった記事はこちら。(石垣島も素晴らしかった)


_________

縄文杉トレッキングは、22キロを10時間かけて歩くものだった。


ネットでは登山ガイドをつけることを勧める記事がたくさんあったが、私たちはつけない道を選択した。人に気を遣う2人(私と夫)である。本当はしりとりしながら歩きたいけど、ガイドさんの手前、真面目に歩かなくてはいけない。


そんな場面を想像して苦しくなって、やめた。


そのかわり、遭難グッズをしっかり準備した。ホテルで登山届も出した。20時までに帰らなければ、ホテルが警察に電話をしてくれる段取りをつけた。緊急連絡先に実家の番号を書いた。

遭難する準備万端で、私たちは4時半のバスに乗って出かけた。

朝4時半のバス停。暗いしブレてる。


登山口に到着してからは、まだ暗い中を懐中電灯を持って黙々と歩いた。


私たちには一つの目安があった。


最初は整備されたトロッコ道を歩くが、途中の「大株歩道入口」から登山道に突入する。その「大株歩道入口」に10時までに到着しなければ、縄文杉を見て下山するのは間に合わないから入山すべきでないと各所で説明されたのだ。

朝の薄暗いトロッコ道


10時までに「大株歩道入口」にたどり着けるのか、私たちは全く見当がつかなかった。しりとりなんかしている場合じゃない。黙々と、足早に歩いた。


私はこの時、「未来がわからないって不安だな〜」と思いながら歩いていた。ほとんど写真も撮っていない。不安というのは、私から余裕や柔軟さを奪ってしまうんだな。


____________


結論として、私たちは「大株歩道入口」に8時半に到着した。なんやねん。


あんなに心配だったせいか、ものすごいスピードで到着したのだ。そしたら力が抜けて、登山を楽しむ気持ちが戻ってきた。入山してからの方が道は険しいが、写真がいっぱい残っている。


なぁんだ、私たち、縄文杉を見られるかもしれない!未来は明るいかもしれない!


そんな気持ちになった。

巨大な切り株の中に入って遊んだ。


出発した時と状況は変わらないが、未来が大丈夫か信じられるかどうかで人の感覚は大きく変わる。私たちはしりとりをして、お弁当を食べて、飴を舐めて、写真を撮って歩いた。


入山してからの道の方が絶対険しくて大変なんだけど、縄文杉が見られる未来が想像できた私たちは強かった。


縄文杉は圧巻だった。でも大きすぎて写真に収めてもイマイチ迫力が伝わらない。代わりに、縄文杉の手前にある大王杉は上手に撮れた。

大王杉。でかい…。


この、未来が大丈夫だと信じられる感覚は強い。これは登山のみならず、全てにおいてそうだ。


転職する時、起業する時、結婚する時、失恋する時、子を持つ時、移住する時。私たちは「大丈夫かな?」と未来を心配する。そんな時、無条件に「私は大丈夫だろう」と信じることができる人になりたい。新しい環境を楽しむ余裕と、起こる出来事を多角的に見て判断する冷静さを持ちたい。


この「大丈夫」の感覚は、本当〜〜に感覚でしかない。未来は誰にもわからず、条件はみんな同じだ。心の中が違うだけ。「大丈夫」を信じるか、信じないか、それだけ。

帰り道、ボロボロかつルンルンの私


信じることしかできないのであれば、信じてみることを頑張ってみてはどうだろうか。信じることで強さと柔軟さを得られるのであれば、ダメだった時も物事の解釈は違うかもしれない。


ダメ、以外の何かにたどり着くかもしれない。

__________


屋久島が素晴らしすぎて、屋久島でソーシャルワークをしたくなった。猿と鹿と、人間と共に生きていきたい。相談室バオバブが屋久島にあってもいいのではないだろうか。(ちなみにバオバブの木はさすがに屋久島にはない。ガジュマルの木はたくさんあった)


そういう人生も、大丈夫そうな気がしてきた私なのだった。


#どこでも住めるとしたら

________________

2023年のテーマは洒洒落落。物事にとらわれず、さっぱりと生きたい。そんなハマダのこだわりレスな記事はこちらに収めます。


ハマダユイ
ソーシャルワーカー10年目。オンラインカウンセリングや相談室バオバブ(1人でやってます)で個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。

バオバブはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?