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メッセージ

今まで、クリスマスプレゼントは姪っ子ちゃんにしか用意しなかったのだが、今年は親父の死とそれにまつわるゴタゴタがあったので、妹夫婦(姪っ子ちゃんの親)へも何か心が癒されるようなプレゼントを贈りたいと思い、ちょっと奮発して立派なガラスのホルダーに入ったアロマキャンドルを用意した。

クリスマスだし、姪っ子ちゃんと妹夫婦の家族3人で、キャンドルを灯してもらえたらいいなと思ったのだ。

メッセージカードも用意した。だがそれに何と書こうかと少し悩んでいる。

2k540のクリスマスツリー

僕から見たら義弟(でも歳は僕と一緒だ)の妹の夫君には『穏やかで、優しくて、ほんの少し幸せと感じられる日々がたくさん訪れますように…』

問題は妹だ。以前からうすうす思っていて、事がある度に僕は沈黙でもって妹に抗議していたのだが、どうやら彼女は感情をコントロールできないタイプの人間として大人になってしまった。気に入らないことが少しでもあるとイライラして怒りを怒りのまま相手に激しくぶつける。相手の話を落ち着いて聴こうとせずに早合点して誤解して冷静でいられなくなる。その感情むき出しの生き方は、子供を持つ母親として、大人として、大丈夫なのだろうかという心配。

心の病気なのでは?と思ったが、育ち方の問題かもしれない。あれこれ調べてみたら、感情をコントロールできる人とできない人は半々くらいで、特に病名があるわけでもないらしい。

僕はというと、DVモラハラの嵐だった親父を反面教師として育ったので、激情している相手と同じように感情を爆発させても何も解決しないし、事態を良くして前進することもできないという事を割と早い時期に自然と学んだ。黙って嵐が過ぎ去るのを待つ。鼻血が出るまで眼鏡が壊れるまで殴られながら、何も抵抗しないで相手が落ち着きを取り戻すまで待つ。距離をおく。

妹は親父の秘蔵っ子で可愛がられていたから、そういう事を何も知らずに育った。挙句、僕が家出をしてしまったので、……僕にも原因があるのかもしれないなと思う。

妹へのメッセージは『6秒間だけ、目を閉じて深呼吸を』と書こうと思ったのだが、やめた。心理学者たちは、人間は6秒間深呼吸をしてやり過ごせれば落ち着きを取り戻し感情的になるのを抑えられると言うが、そうできない場合もあるという意見を見つけたのだ。6秒間我慢をしたために、逆に感情を爆発させる助走を作ってしまう可能性があると。

だから、クリスマスが差し迫った今もメッセージカードは書けていないのだが、クリスマスにそんな説教じみたメッセージを書くのは良くないと思い直し、義弟君と同じように『心からニッコリできるような、幸せな時間や日々がたくさん訪れますように』というような事を書こうかと思っている。

バレエが大好きな姪っ子ちゃんへのクリスマスプレゼントは、素朴でかわいい挿絵が入った『くるみ割り人形』の児童書と、カラヤンが指揮したウィーンフィルハーモニー管弦楽団の『白鳥の湖、組曲くるみ割り人形、眠れる森の美女』が収録されたCDと、サンタブーツに入れたお菓子だ。それだけでは少し寂しいので明日あたりに彼女が好きそうなかわいい色の手袋でも買いに行こうかと思っている。

僕はプレゼント好きの伯父バカである。

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