最高のトレーダーは恐れない

私には一貫した勝者とその他のトレーダーとの違いが、「最高のトレーダーは恐れない」という点以外にあるとは思えないのよ。実際、彼らは恐れないの。自分の視点から、マーケットが可能性を示しているという予測に基づいてトレードのポジションを取り、仕掛けるために、相当に高度で柔軟な心の持ち方を確立しているからなの。そして同時に、無謀なトレードを防ぐ姿勢も持っているわ。でもその他の人たちは、多かれ少なかれ恐れを感じているの。あるいは無謀になって、結局はそれから更なる恐れを引き起こす経験をする可能性があるわ。

お金がまるで目の前で消えてしまったような気分になることは、よくあるミスのほとんどが、誤った姿勢、損失、機会の逃失、利食いの失敗によるものなの。これらを私は「トレードの四大恐怖」と呼んでいるのよ。

だから、「よく分からないトレーダーは、いつもマーケットに健全な恐れを持つべきではない?」って考える人もいるかもしれないわね。でも繰り返しになるけど、これは完全に論理的で合理的な考え方だけど、トレードでは自分が恐れていたまさにそのことが実際に起こった場合、恐れは自分に不利に働くのよ。また、間違いを恐れていたら、その恐れはマーケット情報の解釈に悪影響を及ぼすこともあるわ。その場合、どうしてもミスを犯してしまう原因となっちゃうわ。

恐れていると、他の可能性を考えるのが難しくなるの。たとえ努力して理解しようとしても、他の可能性を見逃し、適切に対処するのが難しくなっちゃう。なぜって、恐れているからこそ、身動きが取れなくなっちゃうんだわ。身体的には緊張してしまったり、逃げ出したくなることもあるし、精神的には恐れの対象にばかり目がいって、視野が狭まってしまうのよ。つまり、他の可能性についての思考や、マーケットから提供される他の情報を遮断してしまうってこと。恐れが消えるか、その出来事が終わるまで、トレードについて学んだ論理的なことのすべてを考えるのが億劫になっちゃうわ。そして後で「自分はそれを知っていた。でも、そのときなぜそう考えなかったのかしら?」って思ったり、「そのときになぜ行動できなかったのかしら?」って後悔するのよ。

これらの問題の根源が、自分自身の不適切な姿勢だと理解するのは、実はとても難しいの。恐れは油断ならないの。トレードに不利な影響をもたらす多くの思考パターンは、日常生活で見かけたり考えたりする自然な反応なのよ。これらの思考パターンがあまりにも深く根付いているから、トレードを難しくしている原因が、自分の内部にある精神状態から生じていることに気付かないことが多いわ。実際、彼らは外部(つまりマーケット)に問題の原因を求めるのは自然なことだと思っているの。なぜなら、マーケットが苦痛や不満をもたらしているように感じるからね。

これらの概念は抽象的で、多くのトレーダーには重要性が分からないかもしれないわ。でも信念、姿勢、解釈それぞれの理解は、テニスのサーブやゴルフクラブの振り方を学ぶことと同じぐらい、トレードの基盤なのよ。つまり、一貫した成功を収めるためには、マーケット情報をどう解釈するか、その理解とコントロールが重要なの。それ以外にも、今説明したことと同じくらい重要なトレードの真実があるわ。それは、一回のトレードで勝つために、自分自身やマーケットについて何も知る必要がないってこと。

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