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Opsだけど、CSMを兼務してみた。役割の壁に悩む、みなさんへ、兼務による開発の効率化

はじめに

こんにちは。杉山です。
私は普段、開発組織に所属し、BizやRev Opsの仕事をしています。しかし、2022年6月から半年間、現場CSMの兼務を行いました。この兼務で得たものや課題について、振り返ってみたいと思います。

兼務の目的と背景

兼務は自ら提案しましたが、その際に、大きく2つの長期目標を据えていました。

新しい機能がアクティブに使われること

1つは、新しい機能の開発を加速することです。
実際に問題として発生していたのは、作った機能が想定よりも使われなかったことでした。開発者は顧客の理解が浅く、現場のCSMはプロダクト開発の理解が浅いという問題はよく聞きます。弊社も例外ではありません。開発組織は100名近く、営業やCSMも同様の人数がいるため分業体制は進んでいます。双方から理解を深め、最終的には使われる機能を意欲的に生み出すチームを作らなくてはいけないなと感じていました。

新しい施策の運用浸透を加速する

2つ目の目標は、営業やCSのビジネスプロセスを爆速で改善することです。
テクノロジーを活用して、営業とCSのプロセスを改善し、生産性をもっと向上させるのが本来の私の仕事です。
ただ、新しいプロセスを導入した際に、合意したにもかかわらず、運用が浸透しないということが多々ありました。そして、PDCAを回してやっと運用に乗るのですが、このスピード感は絶望的だな…と毎回心が折れそうになっていました。もともとスタートアップにいたこともあって、スピード狂みたいなところがあるのですが、それにしたって…ぐぬぬ…ということが多くなってきたため、なんとかしたいと思い立ったのでした。

目標を据えるに至った圧倒的な組織課題

もともとコンサルティング会社がSaaSプロダクトの提供を始めたため、CSMはコンサル出身者が多く、プロダクトやITの知識がない人が大半でした。そして、開発側も中途社員と新卒で開発組織しか経験していないメンバーばかり。コンサルの専門性や考え方への理解が浅く、立場が違いすぎて話が食い違うというのが日常でした。

そんな中でもなんとか、会議体の整理や、見る数字の整備、合同のセッションやグループワークなど、いくつかの施策に取り組み、一定の相互理解はできてきたものの、いまいち事業インパクトを出せる連携ができない…という結果が続いていました。前述の通り、異なる専門性がぶつかり合っており、ビジネスプロセスやプロダクト開発における、いくつかの失敗を重ねる結果になったのでした。

なら、企業担当してみませんか?

1-2年、この問題に向き合ってみて、閉塞感を感じ始めていたときに、たまたまCSMから「よかったら、1社、担当CSMをやってみませんか?メンバーつけるので、細かいところはやらなくてもいいですよ。お客様先に出てもらうと、次の機能開発に役に立つと思うので」と声をかけてもらいました。このあと、半年くらい担当をやらせてもらい、なんとなくひらめいたのが兼務でした。
要は、お互いのことをよく知らないなら、その立場になりゃいいじゃないか、と思ったのです。

兼任で得たもの

兼任開始後、具体的には、同行やヒアリングなどから効果効率の良いメンバーの行動分析をし、それを元にしたメンバーサポートを行ってみました。
また、プロダクトへ馴染みを持ってもらうためのアイデアソンを企画し運営。意外と楽しんでもらえました。
そして、意外と効果的だったのが素朴なことでも質問に答え続けたことです。実は現場のCSMメンバーは開発組織の誰に何を聞けばいいのかわからない、となっていました。こういう質問って・・・とか、こういうのできないですか?とか、聞かれるようになりました。兼務するだけで、こんなに質問されるんだwwwと面白かったです。

兼任での一番の収穫は、この気軽な相談ができる関係になったことだったかもしれません。現場と開発との距離を近づけたいと話していたこともあり、質問しやすい人になれたようです。現在でも、現場メンバーから、たまに連絡が来ることがあります。
また、なにか施策を実施する際の協力姿勢が段違いによくなりました。話も聞いてくれますし、アイデアも出してくれるようになり、一緒に働いてい楽しいな!と思う瞬間が増えました。

さらに、現場と開発の視点の違いを改めて実感し、両者の理解を深めることができました。これは良くも悪くもですが、時間の流れ方、空間の切り方がやはり違いました。
現場は追っている指標が短期であること、開発は逆に長期であることが大きい要因ですが、それがリアリティ持って感じられました。だからこそ、話が噛み合わないシーンにも改めて納得。一方で、こうやって、現場がお客様との共感を作り短期でお金を生み出してくれているから、我々開発はご飯を食べられていると思い、感謝したのでした。

今後の課題

最後に、今後の課題について。
私個人的には、閉塞感を感じることは減りましたが、組織全体で改善できたかというとまだまだです。まだ双方の専門性への理解が浅く、視界の違いから何を相談すればいいかのわかりにくさは残っています。事業成果を出すには、もっと距離を近づける必要があります。

こうした兼務の動きをもっともっと作り、逆に現場から開発を兼務してもらうような動きにもつなげたいなと思っています。

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