見出し画像

IMAGINARY

僕は半分覚めながら夢を見ていた。

現実の世界と夢の世界が僕の意識を奪い合っている。

そのままねむりのなかに体をゆだねていく。

意識がシーツに染みこみ、さらに下へ下へと、まるで泥沼の中に沈みこんでいくかのようだった。

不意にたまらなく怖くなった。


僕はいやな汗をかいて目を覚ました。


「はあ。眠り直そう」

「あれ…うちにこんなぬいぐるみ…あったか…な?」

頭の半分はまだ温かい泥のような無意識の領域に留まっている









「あったような。なかったような。まあいっか」

「 え 」

「おあ。まだ夢?…」

「 はぁっ‥!! 」

「うおっ まぶしっ」

「あぇ…あ、れ?」

「ん?…あれ、どこ」

「ぅん?…わかんない」

「…!」

「っっっっっひ………────」

「あ゛ぁあ…が…あああ」

「やだ…いあ…ああああ」






「あ゛あ゛がああああああああああああああ!!」





「ん…んん…」

「うおっ まぶしっ」

「はあ。やっと覚めた。水のも…」

「ん?」


「は?」


「なにこの足」


「は?は?は?やばいやばい。やばいやばいやばい!!!」



「僕、ぬいぐるみになってる…」

「ほんと??ほんと??ほんとのこと?」

「なってる…見れば見るほどぬいぐるみだ…」

「んーーーー…まだ気のせいの可能性も…?」

「せーの、」

「はい!………なってる」

「どうしよ」



つづく

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?