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拡散目的のテロを報じること

 また発生した。環境活動家による有名絵画襲撃である。

 今回標的になったのは“世界一有名な女性”「モナリザ」だった。ガラスの保護板があったため絵画に損傷はなかったのは幸いだった。


 犯行グループがスープをぶっかける瞬間の動画や、犯行後にポーズを取る姿をテレビ各局が放送している。グループの一味がSNSにあげたものを使っているわけだが、結果的に彼らの主張の拡散を担っていることになる。それを狙った連中の思うつぼ、「してやったり」だろう。

 報道現場にしてみれば犯行に“加担”するのはなんとも業腹だろう。しかし横ならびのライバル各社が一斉に報じている際に「いや、うちは放送しません」というスタンスを取るのはなかなかできるものではない。マスコミの最前線はそういう論理で動いている。

 逆に言えば。

 この“テロ行為”はなんともうまいことを思いついたものだ。人を傷つけず、おそらく刑事罰もそれほど重くならない。“格安なコスト”で自分たちの主張を世界中にあまねく広めることができるのだから。
(24/1/29)

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