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充電の奴隷

 社会人になりたての昭和の末期、会社の仲間と一緒に近くのスナックによく行った。すでに映像付きのカラオケという“文化”が広まっていたので、順番に歌わせてもらったものだ。
 
 その店のカラオケセットは、奥村チヨの「恋の奴隷」の映像が非常にエロかった。新国劇の役者さんでもあるマスターのシブい歌声で聴くと、エロさはさらに倍増した。21世紀の現在の感覚では、「みんなが眺められる店のモニターによくもあんなものを投影したものだな」と思う。女性が同席している場面であんなものを見せるのは、モロに「セクハラ」である。
 
 話かわって。
 
 20代貧乏サラリーマンの長男は、営業職ながら屋外の作業もあるので、夏場に現場へ出る際には熱中症対策としてファンが内蔵されたベストなども着る。
 
 そして、父親以上にガジェット好きだ。先日はファーウエイのメガネ型スピーカーを購入した。ガジェットをたくさん持つということは、機器の数だけバッテリーの充電に気配りをする必要があるということだ。
 
 一緒に数え上げてみたところ、スマホ2、タブレット、空調服ファンバッテリー、ネックファン、レオンポケット(ソニーの冷却機器)、アップルウォッチ、ノートパソコン、イヤホン2、メガネ型スピーカー。合計11台だ。毎日これらの充電管理をすることを考えただけでもストレスになる。まさに「充電の奴隷」だ。
 
 その点、私がケアしているのは私用スマホ、社用スマホ、そのためのポータブルバッテリー程度。人間らしさを保つことができるのは、この程度だろうな。
(22/7/15)

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