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“必要至急”の江ノ島遠足

乙女チックに「海が見たい」という気分に襲われて、暖かくなるのを待っていた。


なにしろアラカン、休日も朝は早く起きてしまうので、6:40に自宅を出発した。

乗り換えの藤沢駅のホームから駅前のようすが見える。なんということもない首都圏郊外のたたずまいなのだが、それでも家と会社の往復から離れたというだけで、もうこころがのびのびとしているのを感じた。

片瀬江ノ島駅に着いたのは7:47。江ノ島へ向かう長い橋にはジョギングをしている地元の方がいるが、当然ながら観光客風は私だけ。風がほとんどないので、寒さは感じない。

右手には東京で見るよりも格段に大きい富士山の姿があって、さらにのびのびとこころが広がる。

富士山が雄大に


「休日にのんびりする」というのは、実はなかなか難しい。

ハワイなどでも、つい東京のようにみっしりと予定を組んでしまうので、「のんびりする日」という予定をわざわざ作って身構えることもある。「一生懸命にのんびりする」という矛盾。

江ノ島についても、行きたいところをリストアップしていたが、あえて「せかせか回らずに、のんびり歩くこと」を意識した。

聖天島公園で猫をさがし、西浦漁港で富士山を眺め、江の島大師のお不動さまを読経参拝し、江島神社の辺津宮・中津宮・奥津宮を参拝し、稚児ケ淵にたたずみ、岩屋に入り、海の見えるテラスでさざえを卵でとじた“江ノ島丼”を食べ、お土産にタコせんべいと釜揚げしらすを購入し、また西浦漁港でボーッとして、しらすコロッケなどを買い食いして、12:25には片瀬江ノ島駅に戻った。5時間弱の滞在だったことになる。

聖天島公園の地域猫

時間を気にせずぶらぶら歩く。小さな路地や公園を見つければ、「へえ、何があるんだろう」と好奇心が動くままに立ち寄る。こんなことは自宅・会社周りでは絶対にやらない。こうしたこころの“ゆらぎ”を体験するだけで、リフレッシュになっているのだろうな。

14:00にはもう自宅の最寄り駅に帰着して、午後はいつもの読書三昧になった。この日の歩数は1万6600歩、夜は心地よい疲れでぐっすり眠った。それでも翌日は日曜日。まだ会社に行かないのでゴキゲンだ。

まん延防止等重点措置の「不要不急の都道府県間の移動は、自粛すること」という要請を無視した形になった。それでも自分にとっては“必要至急”の遠足だったように思う。

夕飯では購入した釜揚げしらすをさっそくいただいた。家族にも好評だった。

どこまでリフレッシュしたのか、その効果は週明けにオフィスの自席でパソコンを開く瞬間までわからない。
(22/2/27)

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