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インバウンドの威力を実感

 業務打ち合わせのため、平日に箱根の強羅方面へ行った。

 日帰りなので打ち合わせを11時に設定、箱根湯本を10時頃に出発する箱根登山電車に乗ることになる。

 すでにここからすごいことになっている。平日なのに出発までに座席はすべて埋まってしまった。ざっくり8割以上が外国人である。日本人は肩身が狭い想いをしているようにも見えるほど。

 ある観光施設の方は「ことしはバブルの頃に匹敵するお客さんの来訪です。でも傾向はすっかり様変わりで、あの頃は修学旅行生が集中する月や閑散期など凸凹があったのに、ことしはいつも満遍なくいらっしゃいます」「ひところは中国の方が目立ったのですが、いまは世界中からいらっしゃっている感じがします。もちろん調べる手段はないのですが」とのこと。

 ランチで行ったお蕎麦屋さんでも、小上がりで長い脚を折りたたむようにして畳に座った外国人男性が蕎麦をすすっていて、同僚と「外人さんに蕎麦の美味しさってわかるのかな?」「私も子どものころは豆腐や蕎麦は味がしないって思ってましたねえ」などと話していた。

 “観光立国”に異議のあろうはずもない。日本を楽しんでいただいてファンになってくれるのは素晴らしいこと。しかしその姿は「ものづくりとして行き詰まってしまった老人大国」の一面なのかもしれないと思うと、両手をあげて喜んでばかりもいられないと考えてしまうのだ。
(24/4/18)

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