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2024年上半期に読んだまんがまとめ
『K2』
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年末年始に45巻くらいまで太っ腹無料公開。大晦日から正月三が日まで、酒飲んでるか、寝てるか、K2読んでた。
前作『スーパードクター』の続編。
日本を医療から支えてきたKの一族、『KAZUYA』の系譜が途絶えないために、実は影から支える別の一族がいて——から始まるストーリー。
影の一族『KAZUTO』が主人公の医療無双と思いきや、途中から『KAZUYA』のクローンの『KAZUNARI』の青春白書も始まったり、『KAZUYA』のライバルの『TETSU』が育てた『譲介』(ついにローマ字表記諦めた?)が素晴らしい厨二っぷりを見せつけてくれたり、精神的に成長した譲介が『TETSU』に当てた手紙に、正月早々にエモを傷つけられたり……というわりと群像劇。
推しは秘湯マニアのおかっぱ麻酔医、道雄先生。
とにかく嫌な人がいない医療漫画。
『大阪マダム、後宮妃になる!』
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居酒屋で働く大阪人のアラサーがAREのカーネル爺を庇って道頓堀に落ち、目が覚めたらそこは中華風の「凰朔(おおさく)国」、豪商の娘「鴻蓮花」として転生していた。
後宮に入り、なんやかんやで『徳妃』となり、なんやかんやで後宮の四妃とたこぱしたり、ミックスジュース売ったり、球場つくって野球したりしながら、陰謀を解決したり政敵を倒したりする話。
これも面白かった〜!!
賢い女子(おなご)がわちゃわちゃしながら後宮をまとめていく話が好きなんだよね。
「大阪愛」でいろんな「大阪」を布教しまくる主人公の衣装はもちろん虎柄。
一応、お上とのラブがあるんだろうけど、お互いにニブチンすぎて。
きっと『アレ🐙』が見つかったら成就するんだろうか、笑。
初チッスはおたふくソースの味だったりして。
転生したあとの苗字が「鴻」なのも大阪的。
続きが楽しみでおま。
『沈黙の艦隊』
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アマプラドラマ良かったわ〜!!!と、多分20年ぶりぐらいに再読。
いま読むと、もちろん話そのものも面白いんだけど、それよりも時代が変わったなーという印象。もうソ連ないしね。
初めて読んだときはペーペーの子どもで、世界各国の癖の強い登場人物や、潜水艦と戦術のかっこよさにひたすら溺れた。
いまそこそこの社会人になってから読むと、はたして一つの信念だけでここまでできるものだろうかと思いながら読んでいた。
絵柄で敬遠せずに読んでほしい作品。
『司書正』
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まだ起承転結の「起」だろうね。
ハルタ(掲載誌)なのでゆっくり待つ。
『エチエンヌシリーズ』
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昔読んだ気がするけど、再読したら全然覚えてなかった。
エチエンヌと出会ったことで芸術家レヴィはパトロンである嫁と離婚してしまうんだけど、この嫁がまあー気持ちの良い性格のいい女子(おなご)で。
一方、主人公エチエンヌのあまりの自己肯定感の低さにちょっとイライラしてしまいました。
『青のメソポタミア』
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なんか無性に読みたくなったので再読。
シュメール人は実は遠い銀河から逃げてきたり追放された宇宙人たちで——という話。
このへんの秋里先生の作品は大胆かつ妙にミステリアスでいいですね。
『チェルノブイリの祈り』
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『戦争は女の顔をしていない』の作者スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの作品のコミカライズ版。
「原発事故という、当時未曾有の惨事に遭遇した人々の悲痛な願いと静謐な祈りを書き留めた日本人必読のノンフィクション」
『戦争は〜』と同様に、作者によるインタビューした内容に基づいて進められる。
「だれも彼らの話を真剣に聞いた人はいない。わたしたちが経験したことや……見たことについて。死について……人びとは耳を傾けるのをいやがる。おそろしいことについて……」(本文より)
この先に続く言葉が、ただ恐ろしい人災を見せつけるだけではない作者の真髄だと思う。
『涙の乙女』
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フス戦争を描いた『乙女戦争』の作者、大西巷一先生による歴史漫画の短編集。
・「男装の殺人鬼マネット・ボヌール」
・「ブルターニュの雌獅子〜復讐のジャンヌ」
・「涙の乙女(アクリャ)〜或るインカ皇女の悲劇」(表題作)
・「豚王」(デビュー作)。
『乙女戦争』読んでたらこれも読みたくなったので再読。
大西先生の作品はエログロ要素多めなんだけど(白状すると『ダンス・マカブル』も好き)、ああ、中世とかってこんな感じだったんかなあ、という妙なリアリティがある。
『イーハトーブのふたりの先生』
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ハードな作品の次は和やかめを。ということで初トライ。
動物園に勤務するふたりの獣医師が主人公。
一人は動物の痛みを共感して自分も痛くなってしまう獣医。もう一人は人とコミュニケーション取れない(でも悪い人じゃない)獣医。
しかし動物園経営って大変そう。
『岳』
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「よく頑張った!」と言って欲しくて、定期的に読んでる気がする。
もし生まれ変わって、来世は体力ある人だったら、山に登りたい。
え?いまがんばれよ?ゲフンゲフン……
『BLUE GIANT』シリーズ
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『BLUE GIANT』(日本編 全10巻)、『BLUE GIANT SUPREME』(ドイツ編 全11巻)、『BLUE GIANT EXPLORER』(アメリカ編 全9巻)、『BLUE GIANT MOMENTUM』(NY編 1巻〜)を3日ぐらいで読んで偏頭痛になったジャズ漫画。
『岳』の三歩が徹底的に『無私』の人なら(ただし本人的にはそんなつもりは毛頭ない)、こちらの主人公、大(ダイ)は徹底的に『私欲』の人。
「世界一のサックスプレイヤーになる!」と公言し、いろいろチャレンジして成り上がっていく。
20%ぐらいは「そんなうまくいくかよ〜」と思いながら読んでるが、世の中「行動した人勝ち」であろうことは否めないだろう←誰目線?
『後宮』
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しばらく男性主人公が続いていたので、女性主人公ものでも読もうかの……と思って再読。
古典の『とはずがたり』のコミカライズ。
『とはずがたり』は鎌倉時代中期、後深草院二条という女性の実体験の日記文学。宮内庁で秘蔵されていたが戦前(昭和15年)に発見され、あまりのNTRっぷりに公開不可となったというNTR小説(その後昭和25年に一般公開されたという)。
海野先生の薄味のかわいらしい絵柄が男女の業を程よく中和して……るんだろうけど、それでも濃ゆい。とにかく主人公の二条は、よく泣き、よくXXXされる。
二条もまあなんというか「いい性格」で。
久我家という超名門の家柄だが、両親を早くに亡くしているので後見がなく、御所様の寵愛だけが頼り。
しかし御所様主催のイベントで身内から宴会で上座を譲らされ、悔しさのあまりに出家するという。
あと他人の装束を「ダッセー」と思って見てたり。
太眉化粧とはんなり京都弁な二条に、男がわんさか寄ってくる。
NTR日記だけなら「ふうん?」で終わるんだけど、出家してからがなんとも印象深くて良い。
出家してから女房の桂と全国を行脚し、本作『とはずがたり』を書き留めるんだけど、二条さんの(私的)魅力分かったわ。体力あるんだわ。この頃の貴族のお姫様ってとにかくひ弱なイメージがあるけど、確かに何人も子ども産んでるぐらい強いんだわ。体力チート姫二条さん。
両片思いだった御所様の葬送を二条が裸足で追いかけるシーンは涙なしでは見られない。
「女性がひどいめにあう話なんて!」と言わずに、それでも強かに生きる体力お化けの二条さんをぜひ読んでほしい。
『平和の国の島崎へ』
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平安貴族もの(実際は鎌倉中期)を読んだので、次は銃火器ものが読みたいな……と思ってトライ。
幼い頃に外国で武装勢力に誘拐され、テロリストとして育てられた島崎ら日本人数人が逃亡のすえに帰国した。喫茶店や漫画家のアシスタントとして働いたり、地域のお祭りに参加したり、公安に見張られていたり。母国での日常生活をおそるおそる開始するも、武装勢力の手は日本にまでやって来てしまい——という物語。
島崎の外見と性格と、武力行為するときのギャップが見もの。
お願い、島崎。幸せになって。
『夏目アラタの結婚』
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『医龍』から大ファンの乃木坂太郎先生の新作完結、一気読み。
児童相談所に勤める夏目アラタは、連続殺人鬼の死刑囚、品川真珠とひょんなことから結婚することになり——という物語。
そこから「品川ピエロ」事件の真相を探っていくというミステリー。
品川真珠との心理戦にページをめくる手が止まらない。
この先生の作品は、人のおぞましさと、傷の有無に限らず人の弱いところを愛すべき強さに変えて見せてくれるなあと思う。
あと乃木坂先生の作品は『父性』と『母性』が根底に流れるような気がする。
これは『母性』かな。
『第3のギデオン』
ということで始まった乃木坂先生祭り。
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おそらく『ベルばら』に始まり、フランス革命を扱った作品は数えきれないほどあるなかで、有名すぎるマリーアントワネットの性格もいろんな解釈と表現があるだろうけど、ルイ16世は大概が「錠前作りが趣味の隠キャ」が多いと思う。
しかしこの作品は違う。
「貴族にはめずらしいパワー重視の闘士(ファイター)」なのだ。
錠前作りのトンカチで頭カチ割りそうな勢いなのだ。
しかも嘘が見抜ける設定。
こんなルイ16世見たことねえよ!!!
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そしてこれはルイ16世の圧倒的『父性』が光る。
ちなみに主人公はジョルジュという第三身分の男性だが、この圧倒的ルイ16世の前では空気。
あとですね、マリーがフェルゼンを色仕掛けするシーンがとってもエロいですね。うふふ。
『幽麗塔』
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一言で言うなら「ガール」ミーツ「ボーイ」。
倒錯する性癖と、永遠の友情。
『医龍』
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最初は破天荒な天才外科医 朝田とバチスタチームを中心に「医療業界の闇を暴く!」ようなジャーナリズム的な作風だったけど、途中から研修医の伊集院を中心に
置く人材育成、マネジメント、チームワーク、リーダーシップ、そして社内政治の教科書になった良作。
明真大学の心臓外科の教授戦。あなたなら誰に投票する?
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①加藤晶
バチスタチームのリーダー。女医。
医局の怪物、野口教授に育て上げられたいじめ抜かれた経験から、医局運営にて一人に権力を集中させないよう、臨床、教育、研究の三権分立を唱える。
また女医の出産育児時の待遇改善や支援制度をマニフェストに、②と③にケンカふっかけることでもし自分が負けたとしても政策を実現させようとする強かさも。
お団子頭と草履がチャームポイント。
②霧島軍司
朝田みたいなチートな術式なんて凡人には不可能。医者の大半は凡人。凡人の凡人による凡人の医局を目指すという方針。自分のミスを朝田のせいにして大学から追い出した過去あり。
③国立(見た目はどう見てもルイ16世)
UCLAのエース。優秀な人材はどんどん留学させて腕を磨く方針。子連れ外科医。
とにかく加藤先生がかっこいい。途中から優しい。
なんだけど、最後は負け犬、霧島に泣かされるんよおおおおお。。。
『義母と娘のブルース』
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ドラマにもなった超有名作。
四コマなんですよね。再読。
あとがきには、連載前は「『売れるものじゃないとだめ』と編集さんにボツをくらい続けていた。『売れるもの』なんて今までにすでに売れたものの焼き直しでしかない。もううんざり」と思っていたそうで。
「好きにやろう。誰かに分かってもらわないくてもいい。とにかく描こう」として生まれたのが本作品だと。
『宝石の国』
全話無料開放で完走。
そうですね、そういう卒業論文なんですね、という印象。
私にはなんか刺さらなかったけど、名作であるには違いない。
『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』
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面白かった。上半期1番のまんが作品。
基本的には精神科医ヨワイ先生による精神科疾患の治療をベースに、疾病の症状や患者の背景となどで進むストーリー。
「ちょっとしんどいなー」というときに読むと、寝る前のはちみつ入りホットミルクのようなやさしがあり、安心した夢を見られる。そんな作品。
そして困ったときのために知っておこう、地域や医療の社会資源。
「実際そんなうまいこといくかよー」と思いつつも初読みで3周した。
1巻 パニック障害、微笑みうつ、大人の発達障害
2巻 自閉症スペクトラム、双極性障害
3巻 摂食障害、PTSD(次巻に続く)
4巻 パーソナリティ障害(次巻に続く)
5巻 アルコール依存症
6巻 産後うつ(次巻に続く)
7巻 産後うつ
8巻 精神障害者雇用
9巻 新型コロナウイルスと心
10巻 解離性障害(次巻に続く)
11巻 アンガーマネジメント
12巻 薬物依存症
U−NEXT キッズ向け学習まんが
6月は坐骨神経痛の痛み止め薬のおかげでとにかく眠たく、UーNEXTのキッズ向け学研まんがばっかり読んでいた。子どもの頃にも読んでたけど、絵柄がえらく進化してる。これはこれでとても面白い。
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以上!
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