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記事一覧
敷島公園で朗読した詩
shhh
首の無い鳥が
吐き続ける女の髪
経血にまみれた爪が電線を掴むとき
一掃された天国がつぶさに盗聴される
ひっそりと殺される風
霊柩車にひかれる星
念入りに潰される森
火葬場にひかれる水
全てにおいて 割れ続ける窓
全てにおいて 倒れ続ける松
全てにおいて 悔やみ続ける墓地
全てにおいて 吐き続ける髪
顔面から凍てつく石が落ち
脳の中に音の無い雨が降る
黒い線が踝まで続いて
赤い処
猫町フェスのオープンマイクで朗読した詩
詩人にならなければならない
おまえは 詩人にならなければならない
詩人になっても
詩は書かなくて良いのだ
その生き方で月に栞を
はさむことかできる
詩人になったら
傷付いた言葉を慰めなければならない
交換に欲望に差別に裏切りに力に
傷付ついた言葉を
癒し、撫でなければならない
よじれる言葉を抱き締め
その背中を優しく叩き
泣きじゃくる韻律の滴を
そっと拭く役目を担う
詩人にならなければならない
11/16 月に開く オープンマイクで読んだ詩
さよならの雨が降る
神様の左手に触る
その頑なな響き
路傍の花に掛かる冷たい心臓
それから、音もなく叫ぶ街
言葉に与えられた拘束が
風の亀裂をひとつずつ数え上げる
果てしない水が虫の翅を冒し
砕かれた骰子(さい)が投げられる
すべてが冷たく
どうしようもなく美しかった
さよならの雨が降る
光の煙が昇る
何も視えない尾根で
火の連想が支配的である
悲しみに値札がつけられ
フリーマーケットで売買され
twitterにアップした詩。 2019 4/15~2019/4/30
292
心地よい倦怠が
まなうらで光る夜
星明かりのシーツが
何も纏わない言葉をくるんだ
僕たちは 波長に過ぎなく
巧妙な蹉跌が喉元を焼いて
いつかの太陽は払拭される
一夜一夜は薄い皮膜で
価値のない意味が
少しずつ美しくなった
正しい人間に
時はいつも優しい
正しくあれなかった僕たちの
月光が運河になる
293
背理のコートが
隠匿を掻き混ぜる
荒涼の地平に
水滴が隔る
穿たれる
twitterにアップした詩たち。 2019/5/1~2019/5/15
322
仮視化された歴史が
歪んだ地図を精密にする
或る一日に犇めく感情が
摩擦を燃焼させた
ある男がその透明な紙を
踏み躙る 革靴の下に
夜が拡がってゆく
物凄い速度で
捲れ続けるカレンダー
刻々と変化してゆく人相
落下し続ける唾液
下着を光らせる伝説が
惑星に流れてゆく
遺された男は時代になる
323
金色の洞窟の中、闇が立ち籠め
黴の臭いだけが瀞む風を截る
詠唱について閲する定理が
twitterにアップした詩たち。2019/4/1~2019/4/15
262
新しい部屋の
古の間取りが
六角形の部屋に
降りしきる六花
扉を開けた向こうが
外界とは限らない
部屋の中心が
神聖とは
程遠い 事もある
家具のない窓
夜のない床
誰もいない部屋にも
電気のせせらぎ流れ
侵入してくる季節に
無防備に焼けてゆく
無言の表札に
とける 雪の記憶
263
静寂は妙なる音楽
騒擾は太初のリズム
風は巨大な鼓膜
光る伽藍
twitterにアップした詩たち。2019/3/17~2019/3/31
234
潮衝の響もす
荒れ果てた季節
その波に拐われた
過去を込めた光
羅針盤の
永遠に指さない地軸
面舵一杯切って
嚠喨たる岩礁を聴く
弓なりの風が
さよならを孕み
生きていた頃の帆の言葉が
まだ終わらない心臓を刺す
そして
頬を撃つ波涛
戻らない嵐が
懐くので 鳥葬
235
虹の顛末を
僕たちは知らない
過ぎ去った冬の行方
海に落ちた陽光
和毛を撫でる風
鳥の安ら
twitterにアップした詩たち。2019/2/16~2019/2/28
176
【祈り】
例えば妻が
血を吐いて倒れたとして
俺や誰かの書いた詩が
その血を止めるだろうか
どれだけ愛しても
詩の 言葉の 美の力は
その程度に過ぎない
そして そのように
詩は現在を変えられず
過去は嘘にしてしまう
詩と言葉が干渉できるのは
ただ手遅れの
未来だけに過ぎない
そんな言葉など
燃えつきてしまえばいい
天の灰になればいい
そして
暖かくし
twitterにアップした詩たち。2019/3/1~2019/3/16
202
オルガン
が
鳴る
太陽神経叢から
響く
美しい地獄
"誘惑者に注意せよ"
と、
ヴェルレーヌの言葉が痛い
コンパーティブル(相性の良い)
な
オルガン、は
【適合臓器】
聖堂に高らかに歌う
内臓
その賛美と
十字架
203
雨は空の色
透き通る輪廻の色
晴れている日の雨垂れ
雪は空の色
空を路傍に積み上げる
白くそのうち夜
涙は何の色?
唾液は
twitterにアップした詩たち。2018/12/18~2018/12/31
40
時間の皮を剥いて
親指を差し込む
丁寧に12に割いて
白い筋を とる
年々歳々
味と形と大きさが
変わるのが 分かる
いつまで
綺麗に食べてしまっても
気付いたらポケットの中に
あなた
の実は
随分 小さくなったね
涙が止まらないのは
酸っぱ過ぎるから
それだけだから
笑っていてね
41
アナトール フランス
のように
美しい朝でありたい
濡れてしまった蜘蛛の巣
陽に染
twitterにアップした詩たち 2019/1/1~2019/1/16
68
きみを想うと
夜が流れない
大好きの気持ちが
指先から あふれだす
はじめて会った日の
優しい言葉が
甘く光る LOVEになる時、
心象の羇旅が
空 鉄紺を席巻する
迷走するメソドロジー
響動めきのトポロジー
に
指紋の螺旋が
撞着する告解となり
響く精神の渓谷に
罅割れる 罅割れる
罅割れる
69
きみが うまれて
ほんとうに 良かった
おめでとう
なんの条件も 取引も