チャヅケ ブンガク カマクラ

3月21日
今日は1日休日。ずっと行きたかったあそこへ行くことにしよう。

電車に揺られること1時間半。私は鎌倉駅に降り立った。

地下鉄に乗っている時は感じられなかったが、今日は絶好の散歩日和のようだ。お日様の光が暖かく、風はそよそよと心地よい。
鎌倉。生まれ育ちが神奈川県の私としては、幼少期から幾度となく足を運んだ場所だ。中学2年生の新学期オリエンテーションの意味合いを持った遠足で訪れたのも鎌倉だった。あの頃は、小町通りで何を食べるかにのみ執念を燃やしていたっけ。

しかし、今日の目的は食い倒れツアーではない。やるなら友人を誘ってやる。
今日は、鎌倉でしか手に入らない茶漬けを買いに来たのだ。
小町通りを人混みを縫うように進む。新型ウイルスの影響で観光客は少ないと思っていたが、意外にも人が多い。まあ3連休の中日の土曜日で、こんなに天気も良かったらそんなことも関係ないのか。そんなことを考えながら賑やかな店々を横目で追い越し、たどり着いたのはこちらの『とら丸』さん。鎌倉茶漬けの購入できるお店だ。

ここに売っていた茶漬け全5種を息をするように購入。
鶴岡八幡宮へと続く道の途中にあった梅専門店で梅茶漬けをこれまたコンマ数秒で会計を済ませ、鎌倉駅到着から20分で6種の茶漬けを手に入れていた。もはや本能的スピード。自分が自分で怖い。

さて、鶴岡八幡宮にたどり着き、ひとまずお参りをする。願い事の内容を書くことほど野暮なことはないと思うが、絶対バレるので書くと「売れたいマジで」という念を送っておいた。これを5倍詳細を述べたものが届いていることを信じたい。
時刻は13時半。そろそろお昼を食べるとしよう。
鶴岡八幡宮の境内には『風の杜』という喫茶店がある。ここでは甘味・スイーツのほか、『鯛茶漬け膳』がいただけるとの話だ。

店内に入ると、窓際の席に通された。壁一面の窓の外は、先ほど参ってきた鶴岡八幡宮や鎌倉文華館、それらをつなぐ橋や池が一望できる。

うっとりするほど綺麗な景色を眺めながらいただく御膳は大変美味しかった。ほうじ茶茶漬け、あまり食べることなかったけどハマりそうだ。
『鯛茶漬け膳』の詳しいレポートは茶漬けインスタグラムにアップしたので、ぜひご覧ください。

さて、これからどうしよう。
正直、当初の目的はこれで完了だ。強いて言えば、あとはどこかに売っているであろう永谷園様の『神奈川限定茶づけ』を手に入れればいい。これもお土産屋が乱立している小町通りを探せば絶対見つかるだろう。
「せっかくここまで来たし、江ノ島行くか」

江ノ島電鉄のホーム近くにある売店で前述の『神奈川限定茶づけ』をぬるっと購入し、レトログリーンの列車に乗り込む。

人数こそ多いが、運良く海の見える側のつり革に掴まれたので、陽の光がキラキラ反射する海岸を眺めながら江ノ島までの電車旅を堪能した。

ちょうど海が見え始める稲村ヶ崎あたりで、耳につけたイヤフォンからASIAN KUNG-FU GENERATIONの『稲村ヶ崎ジェーン』が流れたので、感動で少し体が震えた。ナイスセットリストだAppleMusic！

江ノ島の西浜沿いを歩きながら江島神社方面へ向かう。ここからは心の赴くままに行こう。

強い海風に強制無造作ヘアーセットを施されながら、シーキャンドルのある方へ歩いて行く。
あ、そうだ。今日は江ノ島エスカーに乗ろう。以前友人と来た時にはおみやげ屋さんや食事処に寄り道したくて、「まだ若えから！」と足だけで頂上まで行ったっけ。
江島神社近くの乗り場で頂上までの利用権を購入し、エスカーに乗る。もちろんBGMは『江ノ島エスカー』だ。

エスカー乗り換えの時に出会った猫ちゃん。
足元をスリっとしながら通ってくれて可愛かった。

頂上に着き、しばらく海を眺める。
シーキャンドルは眺めるだけで十分いい。コッキング苑もまた今度ゆっくり行こう。ただ今はなんとなく、江ノ島の海を眺めたかった。近くで見ると汚くて、9月になるとクラゲが大量にいて、それでもなんだか癒しを与えてくれる、あの青い湘南海岸を眺めたかったのだ。

日がすっかり傾きだしたので鎌倉へ戻ることにした。
今度来た時は新江ノ島水族館にも行こう。海岸に打ち上げられたクラゲは好かないが、あそこで見るクラゲは幻想的で美しい。また強風にゴウゴウ煽られながら江ノ電に揺られる。
鎌倉駅に着き、最後の最後思い出したかのように行きたかった場所『pâtisserie雪乃下』へ。ここのマカロンが美味しいと聞いてから気になっていたのだ。昨晩25日に入るギャラを確認したら思ったより高かったので、奮発して10個入り3,510円の物を購入。こういうことをしているからすぐ財政難に陥るんだよな（でも悔いはない）。

結局、今日の鎌倉・江ノ島散歩で8種の茶漬け（うち1種はランチで食べた『鯛茶漬け膳』）と出会うことができた。

鎌倉グッドバイ。素敵な休日をありがとう。