一、どんな姿も「いいね」と言って

 世の中は今、『映え』に飢えている、と素人目にも感じる。

 スマートフォンや高性能PCが発達し、気が付いた時にはSNSの利用率は70%を優に超えるようになったそうだ。たしかに、身の回りの同世代はもちろん、両親と同じくらいの年齢の方もスイスイと使いこなしていたりするのを見るたびに、その浸透具合を実感する。
 SNSの普及は嬉しい。インターネット黎明期からPCに触れ合っている世代の私としては、得意なフィールドがたくさん生まれている状態だし、世界中の話題を瞬時に得ることができ、たくさんの未知のものに触れ合えることは純粋に楽しい。しかし、革新が進めばそれに比例するように利用者数、投稿件数、SNSのバリエーションがぐんぐん増加していく。そして今、『投稿したものをより多くの他者に見られ、また褒められるか』を競い合う、まさに『いいね時代』になった。

 有益な情報や革新的な意見で『いいね』を稼ぐ人も多く見受けられるが、1番武器になるのは写真や動画といった視覚に直接訴えかける投稿だ。その中でも特に『美味しそうで見た目の良いグルメ』や『綺麗な風景』『おもしろ写真』『かわいい動物の姿』などは、より多くの注目が集まる。かく言う私もツイッターとインスタグラムを利用しているが、やはり見栄えの良い写真をアップした際の『いいね』数が著しく多い(普段のくだらないネタツイートは10いいねほどつけば上等なのに、先日アップしたかわいい大阪土産の写真付きツイートは7000いいねがついた)。今となってはSNSで話題のトピックをテレビでも扱うようになり、昼の情報番組では義務であるかのように『インスタ映えツアー』なるロケ企画を放送している。
 インスタグラムをツイッターほど利用していない私は、いまいちこのブームに乗り切れていない。写真投稿必須のインスタグラムは、毎日代わり映えがなく、あったとしても守秘義務の都合でアップできる写真のない私にとって、これほど扱いづらいものはない。それこそ、『そんなにお茶漬けが好きなら、お茶漬け専用のアカウント始めればいいのに』と勧められ、全国のご当地茶漬けを紹介するインスタグラムアカウントを開設したが、なかなかうまい具合にフォロワー数が増えない。
 「いつもパッケージの写真しか載せてないけど、出来上がりの写真も載せたら?」
と、投稿を見た友人にアドバイスされたが、私はそれを飲み込むことができなかった。

 「茶漬けって、写真映えから1番かけ離れた食べ物なんですけど……」

 別に茶漬けをバカにしているわけじゃあない。ただ事実を述べたまでだ。何でもかんでも茶漬けを擁護するほど、私だって狂っていない。そして、この『茶漬け映えない説』を立証するかのような商品が、今回紹介する『みそ茶漬け ねこまんま』である。
 この『ねこまんま』は福岡土産のみそ茶漬けで、猫のキャラクターが描かれたパッケージがとてもかわいい商品だ。しかし、商品名が『ねこまんま』って。もうインスタ映えとは真逆じゃん。見た目とか二の次じゃん。
 しかし、その分旨さだけに特化してると見て、素をふりかけたごはんにお湯を注いで木さじで一口。

 ほら〜〜予想通りの旨さなんですけど〜〜⁈

 みその味が! やさしい! しょっぱすぎず! 甘すぎず!
 程よい塩気がごはんの甘みとマッチするし、出汁のコクが秀逸である。出汁の素が気持ち多めに封入されているので(当社比)、お湯を少し多めにかけても美味しくいただけそうだ。ひたひたごはん大好き勢にはぜひ食べていただきたい、公式ねこまんまである。

 料理にしても景色にしても、そして人間にしても、見た目が良いことに越したことはない。結局、判別するための最初の判断材料は視覚である。それでも、どうか忘れないでくれ。それだけが全てではないこと。そして、茶漬けは見栄えの良い写真を撮ってふやけたものより、多少見た目が悪くてもアツアツのうちに食べるのが最高に旨いということを。

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みそ茶漬け ねこまんま(福岡・ツルみそ)
  
  内容量 :5袋
 価格(税込):¥540
 消費期限 :8ヶ月程度
 保存方法 :高温多湿を避けて常温保存
  食べ方 :ごはんの上にふりかけてお湯を注ぐ
   味  :みそ味(自明の理)
          甘すぎずしょっぱすぎずで◎
アレンジ方法:おにぎり、雑炊、チャーハン、パスタなど

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