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寒空の下で食べたい、ワッフル

“こたつでアイス”とか、”お風呂でケーキ(?)”とか、
食べる場所によって美味しさが倍増する食べ物は色々あるけれども、
私には、寒空の下で食べたいスイーツがある。

それがチョコレートワッフル。
ワッフルにチョコレートがたっぷりかけられている、あれ。

私にとって一番身近なワッフルは、マネケンのベルギーワッフルである。
生地にはベルギーワッフル特有の”パールシュガー”という白くて丸い、
まさに真珠のような砂糖粒が練り込んである。
ふわふわの生地の食感の中に、ザクザク、シャリシャリとしたシュガーの食感が混ざって楽しい。

確かプレーンやココア味などいろいろなバリエーションがあったと思うが、その中にチョコレートワッフルもあったはず。
記憶が正しければ、片面にチョコレートがかかっているやつと、ワッフル全体がチョコレートに包まれているやつの二種類があったと思う。
寒空の下で食べるなら断然後者が良い。(個人的意見です。)

さて、私がまだ学生だった頃の話である。

食べ盛りだった当時は下校時にはいつも腹ペコで、
学校の最寄り駅で電車を待つ間に
ホームの端っこでおやつをかじるのが日常だった。
今思うと大変行儀が悪いのだが、
当時は空腹と部活を終えた達成感と疲労感で、
もう食べることに夢中だった。

ちょうど今(2月)くらいの寒い日の学校帰り、
その日のおやつは例のチョコレートワッフルであった。
家にあったものをおやつとして鞄に忍ばせておいて、
帰りにコソコソと取り出して食べる。
確か少し前にも家にストックしてあって、我が家ではわりとおなじみのおやつだった。

ワッフルを包んでいるチョコレートは、コーティング用の、常温だとちょっと柔らかめ食感のチョコ。パッケージ越しに手の温度が伝わって、持っている部分のチョコがちょっと溶けちゃうんだよなー、とか思いつつ、
寒空の下で頬張る。

!!
衝撃。
チョコがパリパリでとびきり美味しい。
思わず手の中のワッフルを二度見したと思う。

柔らかめのチョコレートは冬の冷気で冷やされ、パリパリ。
頬張っている最中にも手の中のチョコレートワッフルはどんどん冷やされて、むしろパッケージを開けたばかりの時より、いくらか食べ進めた後の方がより硬めのパリパリチョコレートコーティングに変わっている。

これが美味しいのなんの。
ああ、このワッフルは冬に食べるのが絶対いい!しかも外で!
と私の心の中に焼き付いた。
それ以来、寒い日には度々「ああ、今日外でチョコレートワッフル食べたら美味しいだろうな」と思い返すようになった。

といいつつ、実は学生時代を卒業してから、
この"寒空とチョコレートワッフル"というペアリングを一度もやったことがない。

”学生”という称号を失い、制服を着ている訳でもなく、世の中の大人の1人となった今、駅のホームでワッフルをかじる度胸と勇気がない。
そして仮にカフェでチョコレートワッフルを見かけても、冬はテラス席や外の席は選ばない。身体に堪えるもん、、、

よくよく考えれば、
わざわざ冬の寒さで冷やさずとも冷蔵庫で冷やして年中楽しめるはずなのだが、記憶による美化か、やはり私にとってはあの寒空の下で食べるチョコレートワッフルが最上。
駅のホームでもなく、寒さによるダメージの少ないところでなんとか再現できないものだろうか。

あのチョコレートのたっぷりかかったワッフルを買ってきて、湯気の上がるコーヒーカップを片手に、家のベランダでワッフルにパリッとかぶりつく、なんてどうだろう?
冬用の部屋着をしっかり着込んで。

ベランダ用の小さなテーブルと椅子もついでに揃えちゃおうかな、なんて、ワクワクしてきた。

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