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真夜中のカフェオレの話

ふと目が覚めた。
いつのまにか机に突っ伏して寝てしまったようだ。
もう真夜中だ。体も冷えている。

目の前には、マグカップ。夕食前に淹れたコーヒーが入っている。
冷め切ったコーヒーがまだ半分ほど残っていた。
たまたま父からコーヒー用シュガーをもらい、それをせっかく入れたのに放置してしまっていた。

夜も更けているのでどうしようか悩んだが、飲みたい。
たっぷり牛乳を入れて、レンジで温め、ホットカフェオレにした。

こうなると、本でも片手にほっこりしたくなる。とうに日付も変わっているので早く寝なければと思いつつ、読みかけの小説に手が伸びる。

ページを繰りながらカフェオレをすすれば、牛乳のとろんとした甘さの中からコーヒーの、しかも苦味強めの香りがすっと抜ける。そのあと黒糖の、コクのある優しい甘みがふわりと広がり、牛乳とともに去っていく。
うたた寝で冷えた体の芯を、温かいカフェオレがじんわりと温める。
よくTV番組などで「体の芯から温まります~」というコメントを耳にするが、
それはこういうことか、、と今、腑に落ちた。
思わずため息が出た。

そのあと読書は異様に捗り、気付けば外が明るくなり始めていた。

明日(いや、今日か)が休みでよかった。

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