【論文読んでみた】育児休業中における学習意欲の規定要因に関する研究:林(2019)
最近、雷多いですね。
子どもが折り紙を片手に「かみなりつくって〜」と言ってきて、本気で頭を抱えたりしている今日この頃です。
ひとことでいうとこんな感じ
育休中にスキルアップや資格取得に励む人とそうでない人の違いについて考察した論文。
特に日本においてほとんど研究蓄積のない埋め込み(embeddedness)の観点で検討されている。
目的・仮説
仮説 1: 育児休業中の復職に対するネガティブな感情が学習意欲に正の影響を与える
仮説 2-1 : 育児休業中の就労継続への覚悟(生計面)が学習意欲に正の影響を与える
仮説 2-2 : 育児休業中の就労継続への覚悟(キャリア観)が学習意欲に正の影響を与える
仮説 3-1 : 育児休業中の家族の支援が、学習時間や心理的余裕の獲得となり学習意欲に正の影響を与える
仮説 3-2 : 育児休業中の職場・同僚の支援や理解が、学習時間や心理的余裕の獲得となり学習意欲に正の影響を与える
研究の進め方
育休前後もフルタイム就業している正社員女性14名へのインタビュー、分析。
研究の結果
仮説 1(育児休業中の復職に対するネガティブな感情が学習意欲に正の影響を与える)
不安は必要条件だが、それだけではダメ。
早期にキャリアプランを見据えている場合に学習意欲が高まる。
仮説 2-1(育児休業中の就労継続への覚悟(生計面)が学習意欲に正の影響を与える)
確認できたが、必要に迫られての学習意欲、という感じ。
仮説 3-1(育児休業中の家庭の支援が、学習時間や心理的余裕の獲得となり学習意欲に正の影響を与える)
確認できず。
仮説 3-2(育児休業中の職場・同僚の支援や理解が、学習時間や心理的余裕の獲得となり学習意欲に正の影響を与える)
確認できず。むしろ、後任がいなくて引き継ぎができていなくて、職場から育休中に業務の問い合わせが来るという場合は負の影響を与える。
(私も、そんな連絡きたら、やる気無くすな・・・)
知らないことば
埋め込み(embeddedness)
聞いたことはあるけど、全くわからなかったのでChat GPTに聞きました。
Mitchellが言う「embeddedness(エンベッドネス)」という概念は、社会学において、人々の行動や経済活動がどのように社会的な関係やネットワークの中に組み込まれているかを説明するものです。
簡単に言うと、以下のようなことを指します:
人々のつながり:
人は一人で生きているわけではなく、家族、友人、同僚など、さまざまな人々とのつながりの中で生活しています。これらのつながりが、人々の行動や決定に影響を与えます。
経済活動の中の人間関係:
例えば、お店で物を買う時、その店が友達の経営する店だったり、評判の良い店だったりすると、そこから買おうとします。このように、経済活動も人間関係や信頼のネットワークの中で行われています。
影響の強さ:
人々の決定は、単に利益を最大化するだけでなく、人間関係や社会的な要因も大きな影響を与えます。例えば、友達に頼まれて手伝うとか、信頼できる人からアドバイスをもらうといったことです。
Mitchellのembeddednessの概念は、「人々の行動は社会的なつながりの中で形作られ、そのつながりが人々の決定や行動に大きな影響を与える」ということを強調しています。簡単に言うと、「人は社会の一部であり、そのつながりの中で生きている」ということです。
だそうです。
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