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【論文読んでみた】省察(リフレクション)で新たな気づきをもたらす越境学習の効果とは:石山(2022)

台風の進路が謎すぎて、週末の外出や週明けのオフィス出社の予定が立たない今日この頃です。

最近の大学院の授業で、自分の中の背骨になるようなアカデミックな知見のなさを痛感したので、今日はいつもと違う論文を選んでみました。
石山先生の越境学習入門が面白かったので、次は単行本も読もうかなと思ってみたり。


ひとことでいうとこんな感じ

個人にとって居心地の良い場所(ホーム)と慣れない場所(アウェイ)を往還する刺激により学習することを越境学習と呼ぶ。
越境の様々な場面で学習の効果が生じる。

アウェイの環境条件の特徴は、「上下関係のなさ×異質性×抽象性」。
・上下関係のなさ→個人の主体的なリーダーシップの発揮
・異質性→多様で異質な人々と交流する能力の向上
・抽象性→試行錯誤や失敗を恐れず挑戦してみる姿勢の向上
+「分かったつもり」(その環境で生じる多くのことを、疑いようのない前提と考えるようになってしまうこと)の打破につながる.

目的・仮説

越境学習とリフレクションの関係について検討すること。

研究の進め方

越境学習の仲介などを行う 40 名以上の関係者にインタビューを実施。
そのうえで、越境学習の効果測定を明らかにするツールとして、ルーブリックを採用。

研究の結果

越境学習の場面は、越境前・越境中・越境後の 3 つの場面に分かれる。

越境前

越境元の所属組織で越境の準備をしている段階
越境先の組織での活動のために自身の気持ちを整える。

越境中

越境先の組織などに実際に赴いている段階
越境学習者は越境先での状況(アウェイの異質性)に衝撃を受けもがくが、次第に適応し、自身の視座を高めることができるように

越境後

越境元の所属組織に戻る段階
アウェイからもともと所属するホームに戻ったはずなのに、視座が高くなった越境学習者にとって自社の状況が物足りなく感じ、自社の状況に再び衝撃を受ける
しかし、越境学習者は越境での学びを保持しつつ、自社に再適応し、少しずつ自社のメンバーを巻き込み変革を起こすように.

アウェイには上司も慣れ親しんだ仲間も慣れた業務も存在しない
→必死に自分で考え適応していく過程で、当たり前を疑い、自分の価値観と強みを振り返る(越境学習により生じるリフレクション)
→「分かったつもり」が打破される

知らないことば

ルーブリック

ルーブリックとは、評価基準を明確に示した表やリストのことです。例えば、学校のテストやプロジェクトで、どのように点数が付けられるかを細かく説明するために使われます。

たとえば、作文の評価ルーブリックがあるとします。そこには「構成」「文法」「内容の深さ」などの項目があり、それぞれに何点が満点で、どういう状態だと高い点数がもらえるかが書かれています。これによって、先生も生徒もどの部分を頑張ればよいか、またどの部分が改善が必要かがわかりやすくなるんです。

ルーブリックを使うと、評価が公平で明確になるので、どの生徒がどの程度の力を持っているのかがはっきりしますし、生徒自身もどこをどう頑張ればよいのかがわかります。(By Chat GPT)

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