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【表現方法】”例え話”は分かったつもりになるだけで終わる

世の中は将棋のルールを知らない人の方が多い。だから、如何に藤井二冠の凄さを伝えようとしてもルールを把握していない人にどう説明したところで分かってはもらえない。その結果、興味の対象は藤井二冠の人となりの方に集中してしまい、理解できない将棋の中身の方を知ろうなどとは決して思わないだろう。

こういう誰かがよく知らないことを感覚的に伝えたい時、相手が分かる例えを持ち出すことがある。例えば、藤井二冠は読むスピードがめちゃくちゃ速いと言っても「いまいち分からない」という反応をされる。だから、自分の偏見が混じった例えを持ち出して ”短距離走で誰よりも速いトップスピードで走れるようなもの” と例えてみると、より具体的になってイメージは伝わるだろう。

例え話というのは、いわば知らない世界の言葉を翻訳するようなものだ。その時、分かりやすさは確保できるけれど、例えた分だけ本当に伝えたいものからのズレが生じてしまっている。しかも、将棋の世界でしか伝わらない言葉もあるから、翻訳にも限界というものがある。つまるところ、例え話は分かったつもりになれるお手軽な表現方法でしかなくて、真の理解からは遠いところにあることに注意しなければいけない。

実際は藤井二冠のレベルに達しないと正しい理解ができないわけだから、将棋を齧ったことのある自分でもただ推察するに留まっている。従って、本当のことが知りたければ、直接その人に聞いてみるか、その世界に自ら飛び込んでそのレベルに達する必要があるのだろう。

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