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デザインを通して人種差別に関して気付いた事


Belleville Contre le Racisme

先月になりますが、近年フランスで蔓延しているイスラムフォビアやアジアンヘイト、また極右の台頭などに大きな懸念を感じ、ブランドのアトリエがあり、僕が14年前から住み続けているパリ20区に位置するBellevilleから差別に反対するTシャツを作りました。

好評を頂いていて、売り切れてしまったサイズなどもあり、嬉しい限りです。
母も買ってくれて、よく着ているとメールをもらいました。
その母のメールの中で真ん中の黒い円が、誰もが持っているマイナスな面を表しているようで、人種差別だけではなく、あらゆるマイナスに抗うという感じがして自省できるようだと言っていました。
誤解を恐れず言うと、僕はデザインしている時にデザインの意味をあまり考えません。
どうしたら良いデザインになるか、どうしたら美しくなるかに集中しているといえば聞こえがいいですが、意味を付ける事を考え出すと急にそれに縛られてしまい良いデザインが出来なくなってしまうのです。
今回もデザインをして行くうちに気に入ったフォントを見付けて"Contre"のCとOの組み合わせが面白く、このデザインを思い付いただけで、深い意味は考えていませんでした。
ただ言われてみるとそれはいい解釈だなと思いました。
普段から差別に反対を表明している自分に差別感情などがあるはずはないと思いがちです。
しかしそれは間違いで普通に生きていれば多分どんな人にも、多かれ少なかれ、自覚的にしろ無自覚にしろ、コントロール出来ない差別感情やマイナスな部分はあると思います。
だから仕方がないと開き直るのではなく、それを意識した上で謙虚に向かい合い、正して行く事が大事だと気付きました。
デザインという形で発信する事により、それに気付けたことはこれからの人生において大切な事です。このTシャツを作る事が出来て本当に良かったと思います。

初めからそのような解釈でデザインしたと言った方が格好がいいですが、もう遅いですね笑。
もちろんこれで終わりではなく、ささやかですが僕なりのやり方でこれからも差別に抵抗していきたいと思います。
よろしくお願い致します。

宮白羊


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