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2022年のno活をふりかえる

いよいよ2020年もあとわずか。この一年もいろいろあったと思いますが、来し方行く末に心を向けるのにいい時期ですよね。ということで今年のno活を振り返ってみたいと思います。

【総括】

ひょんなことではじめたno活も3年目。ここまで長く続くとは思いませんでした。ざっくり振り返ると、ぼくにとってはこんな効能があったな、と思い当たるフシがいくつかあります。

ぼくはふだん、クライアントの依頼に応じて何らかの課題を解決するための文章を書いています。そうすると当然ですが前提や制約や要望に基づいて内容を考え、言葉を選ぶことになります。

その生活を長く続けてきたことで、自分は前提や制約や要望がないと文章が書けないと思い込んでいました。

でもnoteをはじめてから、そうでもないかも、と思えるようになった。

noteの世界では自分がオーナーです。自分が自分に何を書くかをオーダーします。そしてチェックも自分です。ダメだしも自分になります。

これがなかなか新鮮だったんです。

別に格好をつけるわけでもなく、ぼくは文章を書くことが好きではありませんでした。取材したり企画を考えるのは好きだけど最終的なアウトプットとして文章を書くのは、正直面倒くさいと思っていました。

それがnoteをはじめてからは、文章を書くことが少し面白いと思えるようになってきた。決して上手ではないのですが(そしてなかなか上手くならない)、逆にそれが面白い。もう完全に個人の趣味。趣味としての文章。

だって誰に迷惑をかけるわけでもないんですからね。お金もいただいていないし、頼まれて書いているわけでもないんだから。

(ときどき投げ銭をくださる方がいらっしゃいますが本当に恐縮です)

この、コンパクトで持ち運び可能な、そしてお金のかからない趣味のすばらしいことよ。

もともと協調性に欠け、集団行動が得意ではないぼくにぴったりの趣味をこの歳で得られた。

なんか、いいもん見つけたような、うれしい気分です。

もうひとつの効能として、文章を書く速度が早くなりました。もともと若い頃の重いコンダラのおかげで手は早いほうだったのですが、最近はもっと。これもnoteのおかげです。ありがたや。

【2022年「スキ」の数ベスト6作品】

そもそも趣味なのであんまり意識していないつもりですが、気にならないといったら嘘になるのは「スキ」の数ですね。と、いうことで今年書いた記事の中で「スキ」の数が多かったものを6本、紹介します。

あだ名のない世界はどこまでも続け

「あだ名禁止!」みたいな指導が小学校で広がっている、というニュースを読んで、むむむと思ったのち、そういえば自分はどうだったっけ…?と振り返ったのがこちらのnote。

このnoteを書くにあたって小学校時代の友人「オズマ」や高校時代の悪友「ラッシャー」のことを思い出しました。

そして最後はぼくにしてはまじめな締め方をしていますね。

このnoteはあの田中泰延さんにもTwitterで引用RTいただけて、とってもうれしかったのを覚えています。本当はそのツイートをここで紹介したかったんですが、なぜか過去ツイートをひっぱり出せなくなっていて…マーロンイスク、なんとかして!

(今年も)行ってみた!スナワチPOP-UPストア原宿

続いてはスナワチのPOP-UPストア探訪記です。

スナワチとは大阪にショップを持つレザーアイテムのセレクトショップで、オウナーの前田将多さんはコピーライターでありカウボーイでもあります。

ショータさんのアイテムに対する思いや哲学、その他もろもろに惹かれてもう2年半ほどお付き合いをさせていただいております。

今回のPOP-UPストアにはうつわ好きが高じて奈良に移住し、お店を持つまでになったきょうこさんが店主を務める「草々」さんも出店されていて、うつわ好きなぼくはいつも以上にテンアゲでした。

なんせ3回も足を運んだんだもんね。

【広告本読書録:111】ささるアイディア。なぜ彼らは「新しい答え」を思いつけるのか

連載100回でひと区切りをつけ、今年は不定期に掲載していた『広告本読書録』の中からはこちらの記事を。

編集家として知られる松永光弘さんがさまざまな業界で活躍するクリエイターにマイクを向け、ささるアイデアのお作法を探ります。

松永さんはこれまでにも数多の“広告本”を手掛けていらっしゃって、ぼくの持っている広告本のほとんどに関わっています。え?これも松永さんが?と後日発見して何度驚かされたか。

つまり、ぼくは間接的に松永門下生なのです。

さて、このインタビュー本ですが、アイデアが求められる場というものが以前のように広告クリエイティブの世界だけではなくなっている、ということがわかる一冊に仕上がっています。

そして、そのお作法は人それぞれでありながら、ただひとつ共通しているのが情報を「編集」していることではないか、という甚だ勝手ながら仮説を立てさせていただいたのでありました。

駅の個室を使ってみたよ

「行ってみた」とか「使ってみた」というジャンルは注目を集めやすい、とはうすうすわかっていましたが、実際に書いてその威力を味わってみるとなかなかアレですね、クセになってしまいそうです。

この手の記事のポイントは実際に足を運んで、使ってみて、写真を撮って感想を述べる、という実にプリミティブなスタイルで作成することにあります。なので簡単といえば簡単。

だけど題材がね。何をテーマにするか、それを見つけるのが難しいのね。センスっていうか、アンテナ張ってないと。

そうでなくてもボーっと生きてるぼくにはなかなかハードルが高いジャンルだなと思いました。世のノンフィクション作家さんたちはすごいなあ。

きょ年の服では、恋もできない。

偉大なるコピーライターであり、愛知県知多半島の誇りでもある、眞木準さんの名作コピーを題材にあれこれ考察を述べたのがこちら。

バーバリーのコピー「きょ年の服では、恋もできない。」の「きょ」の謎です。去年ではなく、きょ年とわざわざひらくのはなぜなんだぜ。

もしかすると忌み言葉に対する繊細な心くばりが、そこにはあるのではないかという仮説を立てたわけです。去にすると、去るになって、お客が去る、人気が去る…というね。

いま、心くばり、と書きました。

書いてふと思い出したのですが、心くばりを心配りと書かないのも、ぼくの中での忌み言葉コードです。

だって、せっかくの心くばりが「心配」になっちゃ台無しでしょ。

こういう細かいことをあれこれ考えすぎるのがコピーライターの職業病といえるでしょう。だからみんな早逝なのかな。眞木さん然り、梅本洋一さん然り、岩崎俊一さん然り。

あなたは本屋さんでカバーをつけてもらいますか?

今年最もスキをもらえた記事はこちらになります!スキの数も多かったんですがTwitterでのフォロワーさんとのやりとりが盛り上がったことも楽しい思い出です。

みなさん、それぞれ地元の書店にお気に入りのブックカバーを持っていらっしゃるんですね。書店愛というか、読書愛というか、そういう心でたくさんの方と繋がれたのがいちばんうれしかったです。

そういう意味からも本当に2022年で最高のnoteだったかもしれません。

特にざわざわしたのはジュンク堂の名前の由来あたりですかね。創業者である工藤淳をひっくり返して淳工藤=ジュンク堂というね。

実はこの書店ブックカバー企画、第2弾を密かに進めています。今度はできるだけ知る人ぞ知る書店を回って集めているんです。

たとえば…阿佐ヶ谷の「書楽」とかね。ふふふ。知らない人は知らないでしょう(当たり前だ)。

2023年春には作品(?)が溜まって発表できるかと思います。お楽しみに!

【よしなしごと】

2022年のno活はこれにておしまいです。

あんなに好きじゃなかった、仕事だから仕方なしに書いていた文章が楽しいものになるとは。仕事で書く文章とはまったく違う文章だから楽しいのかな。あれ?ということは好きなことは仕事にしないほうがいいのかな?いやいや、そもそも文章書くの好きじゃなかったんだけど。

まてよ、好きと楽しいは微妙に違うぞ。

と、いうような感じで2023年もつれづれなるまゝに、日くらし、ipadにむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

よいおとしを!

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