見出し画像

効果が出ない求人広告の直し方

自分から効果が出ない求人広告を掲載しておきながら、効果が出ないと嘆く人がいます。

嘆くだけならまだいいんですけど「求人広告オワコン」なんて言葉には虫唾が走ります。なんたってぼくには求人広告に育ててもらった恩義があるわけですから。

しかし怒ってばかりもいられません。

つい先日も健康診断で血圧がひっかかって、オムロンHCR-750ATを購入し自宅で一ヶ月毎朝毎晩血圧を測ったところ、カンペキな高血圧であることが判明。

病院で先生が「よくこの血圧で普通に生活を…」とあわてて降圧剤を処方するほど血圧が高いのです。いたずらに怒ってはいけないのです。

と、いうことで「怒るより教えよ」(本当は「隗より始めよ」)のことわざ通り、求人オワコンとか抜かすちくしょう来月にはこんな仕事辞めてやるぜと心で叫ぶ求人媒体社または代理店営業ヤングが「なんだ!こうすればよかったのか!」と改善策に気付けるように、効果の出ない求人広告の直し方を記しておきます。

ユーたち、せめて効果要因分析ぐらいできるようになってから辞めないと、なーんも身につかずにゼロからの再スタートになっちゃうよ?

PVがまったく伸びないとき

ほとんどの求人広告サイトのユーザーは自分の希望にそって条件を入力し、検索した結果の中から仕事を探します(ですから大前提として正しく検索条件が入力されていることが必要ですが)。

どの求人サイトでも検索結果画面には求人広告のダイジェスト版がカセットとして掲載されるものです。

こういうヤツですね、検索結果画面のカセット

で、ここをクリックすることで詳細画面に飛ぶのですが、このときのクリックがPVとしてカウントされるわけです。

つまり、求人広告を掲載してもぜんぜんPVが伸びなくて…(ぴえん)というときにやるべきことは、この検索結果画面を見直すこと。

検索結果画面に表示される情報を目を皿のようにして眺め、この先の情報への興味を阻害する要因を特定し、修正するのです。

まずは該当案件の画面をチェックしましょう。この時点では画像の質、情報の出し方に矛盾はないかなどを確認します。

特に検索軸に入れた条件に反する情報があったりするとアウトです。「未経験歓迎」をチェックして検索したのに応募資格に未経験歓迎と書かれていない、とかね。

あるいは職種名が魅力に欠けている、というケースもあります。このへんは地道な努力とひと工夫が必要です。

次にやるべきは、ほぼ同じ条件で掲載されている競合の求人情報との比較です。主に給与額をみて、明らかに条件面で劣っている場合は検討すべきでしょう。

あと基本的には掲載してから時間が経つにつれ、検索順位は下がっていきます。4週間掲載の契約で4週間目にPVが…というのはある程度仕方がないのですが、最近は媒体社もそのあたりはわかっていて「もうすぐ掲載終了」といったフラグを立てて応募を後押ししようとしてくれます。

PVはあるのに応募がない

なぜかPVはある、つまり求人広告は見られてはいる。にも関わらず「応募する」のボタンが押してもらえない。このときに何が起こっているかはもうカンタンですね。

検索結果画面はOKなんです。そこで期待してクリックしてくれた求職者が、詳細情報を読むうちに離脱する。つまり詳細情報の中に問題が隠されている。そこを改善すればいいのです。

いいのです、とか言われても、どこを直せばいいのさ!という声が聞こえてきそうですがだまれだまれそれぐらい自分で考えろ!

と、突き放したくなるのですが、せっかくこのマニアックなnoteを読んでくださっているわけですからヒントは書いておきましょう。

まず検索結果画面に掲載されている項目は見なくても大丈夫です。媒体によって違いはありますが、おおむね「社名」「職種名」「勤務地」「給与額」「簡易な仕事内容」「応募資格」といったところでしょうか。

なので、それ以外の情報でおかしなところはないか。

たとえばですが、求人の魅力をアピールするPRスペースのコピー。キャッチコピーと短いボディコピーで構成されていますが、ここが適当だったり、訴求力のない内容だったり、というのはよくある話です。

あるいは仕事内容を詳しく書くことによって、どう考えても給与と釣り合わない、あるいは応募資格と合致しないことがわかってしまうケースもあります。また、よかれと思って書いた組織の話や社風の話が逆効果ということも後を絶ちません。

なんでも書けばいいというものではありません。

きちんとターゲットに訴求する内容の情報が、ターゲットに届く表現で書かれているかどうかを細かくチェックしてください。検索結果画面はクリアしているのですから、その視点を軸に目を皿のようにしましょう。

でも実は…

ここまではあくまで求人広告に書かれていることを中心に、改善点についてレクチャーしてきました。でもですね、ほとんどの場合、それ以前に問題があるんですね。

それが前述した、検索条件の入力やタブ、関連ワードといったデータ入力の精度です。

赤で囲ったのがタブとか関連検索ワードなどの「データ」です

よくあるのがさきほども例にあげましたがタブで「未経験歓迎」が選択されているのに、原稿上では未経験歓迎と書かれていないというケース。

なかでも悪質なのはタブで「未経験歓迎」で、原稿でも未経験歓迎!と書きながら、一方で経験者「も」大歓迎とか、経験者優遇とか…おいお前どっちやねん!とツッコミ入れたくなります。

こういう求人広告が、そもそも求人広告の信頼性を毀損しているんですよね。読み手としては困ってしまいます。

なぜ困るか。

この手の原稿には「本当は経験者がほしい。だけど経験者が応募してくれる給料は払えない(払いたくない)から未経験歓迎にしよう。だけどもしかしたら見てくれるかもしれないから経験者も歓迎としておこう。検索結果に影響するフラグは未経験歓迎のほうが母集団形成できるかそっちを選んで…」と、まるで応募者のことは無視したひとりよがりな会社の性格が全面に滲み出ています。

そんなどっちつかずの、自分勝手な求人広告を見た応募者はどう思うか。

経験者が見ると、俺の経験(能力)に給料がつりあわないからパスパスパス!

未経験者が見ると、未経験歓迎とか言ってるけど結局経験者募集じゃんかよパスパス!

と、どっちからもそっぽをむかれるのです。

ほら、昔からいうじゃありませんか、二兎を追う者は一兎をも得ず、ってね。これがまさにあちこちで起きていて、そのくせ「応募がこない…」とうなだれているんです。

ダメな求人広告を出す会社は

まず間違いなく社員あるいは人材に対する感覚がおかしい、ということです。

有名なコピーライターの仲畑貴志さんがよく仰っているのが「その会社の出している広告を見れば、センスがいい会社かどうかすぐわかる」ということ。これ、ぼくは求人広告もまったく一緒だなと思っていて。

表現面もそうなんですが、それ以上に条件設定やデータ入力、スペックの表記の仕方ひとつでその会社が人に対してどう考えているかがわかる。

前述のどっちつかずの募集をかけている会社なんか、なんとかしてうまいことやってやれ、という感覚ですよね。そういう会社に人が集まらないのは、当たり前ではないかと。

人間も、会社も、やはり誠実で正直なものが勝つ。それぐらいに世の中はまともにできているんですね。

以上、効果の出ない求人広告の直し方でした!みなさんの会社の採用担当者さんが悩んでいたらぜひドヤ顔で教えてあげてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?