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【詩】春の道化師

【詩】春の道化師

 春の道化師

知らないことを知っているといい
知っていることを知らないという
春の嘘は
だから
あけぼののパン屋のようないい匂いがする

その匂いにつられて
自由を分からないひとりの人類は
幾千万以上ものものとなってかり出され 
英霊という廃棄物となる だから
美しい嘘が産道のような地下水道を通り
今日も広場で噴きあげている

そうやって真実という嘘が嘘という真実になると
もうピエロは耐えられない なみだで化粧を落とし 
秘密の港から命がけで脱出する

月は青い血を滴らせ
海辺は涙の砂がひろがる だけど
黄色いドレスのキューバ娘が
俺を待っているのさ などと
ザリガニみたいなれ言をつぶやきながら



#詩 #現代詩 #自由詩 #詩のようなもの #夏
#道化師 #チャップリン #ライムライト #嘘


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